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されるがまま腕を引かれて早足で歩き出す。
「ごめん北斗」
北斗は追って来なかった。
ーー
「もう手大丈夫だよ」
聞こえないふりをしてるのか返事はない。手も繋いだまま。
「…どうしたの?会社にまで来るなんて」
「傘持って行ってなかったから来た」
「そっか、ありがとね」
あのタイミングで…嫌なとこ見られた。
「彼氏?」
「今は付き合ってないよ。ちょっと前に別れた」
「仲良さそうだったけど」
「職場一緒だし、話すことも多いんだよ
北斗はねー、優しくて良い人だったんだよね。なんでもできるし、料理とかもめすごく上手くて!」
聞いてきたわりに興味なさそう。
「じゃあより戻すの?」
その言葉に動揺して足が遅くなった。
「…しない、かな」
ここではっきり言えない自分が嫌になる。
言い切ると同時に家に着いて手が離れた。