テラーノベル
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肌がほんの少し震える寒さの今日。
また今年も冬がやって来た。
私は冬が嫌い。
何故なら、必ず失恋する季節だから。
去年だって、冬にフラレた。
一昨年も、同じように…。
私はトラウマがある。
冬に。冬だけに―――。
だけど今、私は誰とも交際していない。
なら失恋しないんじゃ無いかって?
そんな事は無い。
だって――― 片思い中だから。
私は人をすぐ好きになる。
だから、失恋も早い。
それが私の悪い所。
冬、というのを理由にしてはならない。
「寒いなぁ…。」
「…うん」
さり気なく私に話しかけてきた人―― それは、私の幼馴染の男の子だ。
彼は私の真隣に来て、カバンを持つように命令する。
これはいつもの事。
私達は心で繋がってるから、言われなくとも何となくは分かる。
「めんどい。寒い。だるい。」
「そんな後ろ向きな事言うなよ。俺だって同じなんだからよぉ…。」
「…なんで私が学校に通ってるか、知ってる?」
「知らね。」
「即答で草。」
「笑ってない。」
「うん。 私が学校に行ってるのは、好きな人に会うためだから。」
「ふーん。」
「興味なし?」
「なし。」
テンポの良い会話。
話してることも大したこと無い。
いつも彼は目すら合わさないけど、今日は少し反応が違った。
恋の話したから…。
「で、それは誰?」
「は?」
「好きな人ってのは、誰?」
「めちゃ興味持ってんじゃん。」
「誰?」
「秘密でしょ。普通。」
「まぁそっか。」
「当たり前。」
幼馴染だから、拓海にだけは言いたくない。
言ったら、どうなるか。
恐ろしくて想像もできない。
きっとからかってくる。
嘘だ、って信じてくれない。
どうせ、実らない恋なんだから。
実ったとしても、あっけなく終わる恋なんだから。
だって。
私が好きなのは―――。
“拓海なんだから。”
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