第2章「仄暗い願い」その8
俳優コース二年、二回目の定期課題発表は、七月下旬に行われる。
世で言う、夏休み直前である。
勉学の期末試験も当然あるが、テスト期間中も稽古はできる。
他の高校で言うところの「部活」とはまた違う扱いだからだ。
そして現在――二回目の定期課題発表に向けての練習が佳境となり、修介たちは通し稽古をしていた。
発表を目前に控えた今、念入りに流れや繋ぎをチェックしている。
シーンは終盤。
香島演じる落し物の主の青年が立ち去り、正義感の強い男、そして話ができない少年が残っているところからだ。
「ではな、少年。伝え続けることを、忘れてはならないぞ!」
強く勢いのある言葉を残し、直木は練習場中央から離れ、自分のパイプ椅子に戻って腰掛けた。
「……」
岡島は観客――壁側にする修介たち――を見つめると微笑み、目を閉じた。
それから、練習場中央のパイプ椅子**************************
************************
***************************
***********************
***************************
******************
**********
*******
コメント
1件