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#TL
瀬名 紫陽花
14,533
#BL
多 動 症 .
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「うう……なんだか難しい。私、そういうの、一番苦手だよ」
「まあ、簡単に身につくものじゃないかもね。でも、さっちゃんの良さは、そういう計算がない、素直で優しいところだと思うよ」
叶人くんは優しい目で私を見つめる。
「だからさ、無理に背伸びして〝経験豊富〟になろうとしないで、少しずつでいいと思う。さっちゃんは、そのままで十分魅力的だし……」
「魅力的って……そんなのが彼氏いない歴=年齢なわけなくない…?」
「巡り合わせとか、タイミングもあるしおかしなことじゃないよ」
悶々と悩む私。
だけど、彼の言う通りボロが出て会社での立場がなくなるのは絶対に嫌だ。
それに、彼に「魅力的」と言われて、胸の奥がどうしても熱くなってしまう。
「……だったら、叶人くんが教えてよ」
「へ?」
「叶人くん、そういうの詳しいんでしょ?なら、男の人の扱い方とか、えっちとか、キスの仕方とか……全部教えてくれない?」
「えっ、いや、それはさすがに…さっちゃん、好きな人とかいないの?」
「い、いないよ!だから……叶人くんさえ良ければ、私、叶人くんに抱いてほしい」
「…え」
叶人くんは一瞬大きく目を見開いたあと、信じられないという表情で私の顔を凝視してきた。
「さ、さっちゃん……今、なんて言った?抱いてほしい、って言ったの?」
「そ、そうだってば……!叶人くんがもし良ければ、私が誰とも経験がないこと、嘘にしたいから……その、叶人くんと…っ」
そこまで言いかけて、急に言葉の持つ破廉恥さに気づき、顔が一気に真っ赤になる。
私はたまらず俯いてしまった。
(私ってば、勢いに任せて何言っちゃってるの…!?叶人くんは大事な幼馴染なのに…)
自分の発言の重大さに今更戸惑っていると、叶人くんは長いまつ毛を伏せて
ひどく悩むような仕草を見せた後、ぽつりと言い放った。
「それは……さすがに、良くないんじゃないかな」
あっさりと拒絶され、プライドと焦りが混ざり合う。
ここで引き下がるわけにはいかない。
私はさらに食い下がった。
「お願い!ホストとか、女性用の風俗に行くのもなんだか怖いし…こんなこと頼めるの叶人くんしかいないの……っ!」
必死に訴える私の様子を見て、叶人くんは今日一番の大きいため息をついた。
「……分かった。ここで断って他の男にそんな相談される方が、よっぽど心配だし…協力するよ」
「ほ、本当に!?」
「まったく……。あとで後悔したって知らないからね」
「うっ、うん!その……ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします……っ!」
「ふはっ……はは!さっちゃん緊張しすぎ」