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コメント
7件
いい気になっとんは、あなた達ヽ(`Д´#)ノ ムキー!! それを 思い知るのももうすぐやでー٩(๑òωó๑)۶バカメ
もうあの母娘地獄の果てに飛ばして欲しい。世の中あんた達の都合良くまわってんじゃ無いのよ!因果応報そろそろなのね.成功祈る🙏🙏🙏
ぎゃーあれ母娘のお膳立てなんて悔しい!!真奈美ちゃんの計画が上手くいけば良いけど😣不安だよ…
「SNSって怖いわね……兵器のようだわ」
広瀬さんの呟きが、私の頭を揺らす。
そうですね……それを私も使おうとしているのです。
いくら中園建設工業の社長が関係ないと言ったとしても、すでに多くの情報と人が動いていることを無視するのは、横暴だと取られかねないことから、篤久様はお相手と会うだけは会うということになった。
お見合いか……会うだけと言っても、同じ迷惑を被った同士で話が弾むかもしれないし、お相手は篤久様との結婚に乗り気かもしれない……
誰もいなくなったダイニングでテーブルを片付けながら、私は自分が落ち込む感覚に戸惑った。
私ががっかりするなんて……おかしいのよ……
遥香たちの無謀なお見合い計画は、日程もめちゃくちゃなもので、今週の土曜日……つまり明後日がお見合いだという。
仕事を終えた私は自室に戻ると
「篤久様……ごめんなさい…」
土曜日は中園の名前がどのSNSでもヒットしやすくなるに違いない。
だから……お見合いと同時に、私の作戦を決行する。
うまくいくはず……ただ、篤久様にも迷惑のかかる方法だということだけが、心苦しい。
【奴隷家政婦】アカウントに予告投稿をする、その文字が滲んで見えた。
『明後日、土曜日11時20分から、これまでの投稿を加工なしで投稿します』
お見合いは11時から。
遥香がカメラと言っていたのは、何人かの配信者ということだろう。
遥香に、テレビを呼ぶような力はないからね。
それが始まったあとで、私が投稿をする。
一度にまとめては投稿出来ないので、11時20分、25分、30分、35分の4回に分けて投稿予約をした。
もうこれで後戻りは出来ない……遥香だけでなく、池田の名前も出てくるし、私の名前も出て来るのだから。
「篤久様のご結婚が決まったって、話題になっているわね」
「そうそう。大門製鉄のお嬢様でしょ?さすが、いいとこのお子様同士よね」
翌日出勤してきた北田さんと前川さんは、お祝いムード満載のウキウキ感を前面に出している。
そう思うのが世間の目なのかな……私は昨夜使われたグラス類をダイニングで磨きながら、廊下で北田さんたちが話すのを聞く。
「あの二人はドレスの事件の時にいなかったから……遥香様の本性を知らないのよね」
広瀬さんはダイニングの窓ふきの用意をしながら、大きなため息を吐いた。
「あら、もう知っているの?お兄様と大門様がお似合いだと、私が見抜いたのよ」
廊下から聞こえる声に遥香が加わり
「そうだったんですね」
「さすが遥香様」
という二人のバラ色の声が続く。
「真奈美がお兄様にちょっかいを出しているみたいなのよね」
「え……桑名さんが?」
「篤久様に?」
遥香、北田さん、前川さんの声に驚いたのは私と広瀬さんだ。
二人とも動きを止めて見つめ合ってしまった。
「そうよ、驚きでしょ?身分違いも甚だしいわよね?中園の後継ぎと住み込み家政婦が結ばれるはずないじゃない。でしょ?」
「それは、その通りですね……」
「おとぎ話が過ぎるってことですね」
私は……そうよね、と、心で落ち込み、頭は冷える気がした。
「そういうこと。お兄様がちょっと優しくしたからっていい気になってんじゃないわよ。ってことで、早く思い知らせてあげようと思ってお見合いも明日にしたの」
「優しくって……ハンカチのことかな?」
納得出来ない様子の広瀬さんの呟きに、私は答える余裕などなかった。
…別にいい気になんてなっていない。
どういう形にしたって、遥香は私を追い出したいのだ……冤罪事件のことを公にせず。
残念でした……明日、私が全てを明らかにしてあげる。