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彼女は小悪魔のように微笑むと、タートルネックの裾に指をかけ、胸元までまくり上げた。繊細なレースに縁取られたブラジャーが、彼女の柔らかな膨らみを包み込んでいた。
顔を寄せればそのまま全てを埋めてしまえるような、圧倒的な柔らかさが目の前に迫る。
白石さんは僕の首筋に腕を回すと、僕の頭を優しく、けれど拒絶を許さない力強さで、そのレース越しの胸元へと引き寄せた。
視界が彼女の白い肌で埋め尽くされ、甘い匂いが鼻腔を支配する。
(……っ!思考回路がドロドロに溶けていく……!)
「……ねえ、さっきセリフの続き、覚えてる?」
彼女が僕の耳元に唇を寄せ、吐息混じりに囁いた。
「……」
(記憶のバッファに保存されているのは、あまりにも破廉恥な一文。『僕を……めちゃくちゃに、してください……っ』だった気が……。言えるわけないだろ……っ! そんな、自分から全権限を放棄するような、セリフなんて……!)
しかし、目の前の抗いがたい柔らかさと、執拗に弄ぶ指先の感触に、僕のファイアウォールはもはや粉々だった。
ガスの業者も、引っ越しの片付けも、すべてがノイズとなってかき消されていく。ただ、目の前の彼女にすべてを塗り替えられたいという本能が、理性を完全にオーバーライドしていた。
絞り出すような降伏宣言を漏らした僕を、白石さんは満足げに見つめ、そのまま押し倒した。積み上げられた段ボールの隙間に、二人の影が深く沈んでいった。
篠原愛紀
#独占欲