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「おはようございます、桜閣様。珈琲飲みますか?」
急いで支度をしてリビングへと向かった私を出迎えたのは、何事もなかったかの様に平然と振る舞い、のんびり珈琲を飲んでいる桔音の姿だった。机には大量の砂糖の姿がある…苦いからと足したのだろうか。
「気分じゃないから緑茶でお願いしようかな。…それと、 砂糖そんなに入れたら糖尿病になるから気をつけてね。」
「緑茶ですね、了解です。砂糖は…覚えていたら気をつけますね。」
そう返事をし、キッチンに行って緑茶を入れる桔音。
絶対に気をつけない人の返事なんだよねぇ、それ…と思いつつも、緑茶に免じて許す事にした。流石に多い時は口を挟むけど。
「…そうだ、これ。読んでおいて下さいね、今回の依頼書です。」
緑茶の入ったコップを机に置くと、思い出した様に私に一枚の紙を手渡す。そして、 それだけを伝えるとすぐに、やる事があるからとどこかに行ってしまった。
一人リビングに取り残された私は、大人しく言われた通りに依頼書を読む事にした。
「…その前にテレビ見ようかな。」
いや違う。これは決して依頼書を見るのが面倒で桔音も暫く帰って来ないだろうから少しくらい逃げでもバレないし大丈夫だろう!だとかぜんっぜん思ってないから!
私はただ引きこもっているこの状況ながらも世間を知る為にテレビを見るだけだから!
だからこれは逃げではない!一種の情報調査!
「…よし、これで言い訳はよし、と…。テレビ見よ~。」
そんな訳で私はリモコンを手にとってテレビをつけ、ニュースを見る事にした。
ちなみに、特にこれといったものはやっていなかった。