テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
『BLACK cat school』〜スクールライフは恋と波乱!?〜
課外授業 どんな時でも傍に
〜💮☂️🧸〜
国語教師 カワカミ・ハナマル
『…お、お邪魔します。』
『どうぞ、入ってくれ。』
私はハナマルに呼び出され、茶道室に来ていた。
『畳の香り…落ち着く。』
『そうだろ?俺の一番好きなサボり場――ごほんっ。休憩場所だ。』
(今言葉濁した。)
『でもどうして急に…』
『これを華に食べさせたかったんだ。』
ハナマルは私に和菓子の練り切りを差し出す。
『桜の練り切り…』
『あぁ。俺の自信作だ。』
『美味しそう…食べていいの?』
『あぁ。もちろん。』
私は練り切りを1つ掴み、口に運ぶ。
ほんのり甘い餡子が口の中に広がる。
『甘い……。』
『ふっ、それは良かった。甘いものは疲れを癒してくれるからな。』
『ハナマル…』
(私が疲れてるって知ってて誘ってくれたのかな。)
『ありがとう。』
『あぁ。どういたしまして。せっかくならゆっくりしてけよ。畳の上に寝っ転がるの気持ちいいぞ。』
『うん。』
私は畳の上に寝っ転がる。
『……はぁ。ほんと危機感ねぇな。』
『え?』
ハナマルは私に覆い被さる。
『え、あの……』
『……いいか、華。俺が危ない奴だったら…
いつでも華のこと襲ってんだぞ。』
グッと私の手を掴む。
『っ…。』
『俺は男で…華は女だ。こうして力づくで掴まれたら…逃げられないだろ?』
『っ…。』
『…ふっ。顔真っ赤…だな。まぁ、今はこれくらいにしておくか。』
ハナマルはすっと私から離れる。
『この続きはまた今度な。…体育祭の後にでも聞くわ。』
『体育祭の後ってまさか…っ。』
『…あぁ。華の想像してる通りだよ。俺は華ことが好きだ。一人の男として。』
『……。』
『まぁ、考えといて。いい返事を期待してるからな。』
『ハナマル…っ。』
2年D組 シノノメ・ユーハン
『よし、練習終わりです。』
(疲れました…少し無理をしすぎてしまいました…。)
私は校庭で体育祭の個人練習をしていた。
『頭がクラクラします…。』
と、倒れ込みそうになった時誰かに支えられた。
『ユーハン…!!』
『は、華さん…!?』
華さんが私を支えてくれた。
『す、すみません…少し無理をしすぎてしまいました……。』
『個人練習?頑張るのはいいことだけど無理しちゃダメ。』
『その通りです…申し訳ありません。』
『…ユーハン、歩ける?』
『は、はい。』
『こっちで少し休もう。』
私はユーハンを日陰に連れていき膝枕する。
『あ、あの、ここまでしてもらう訳には…』
『ほら、いいの。病人は大人しくする。』
私はユーハンのおでこに冷たいタオルを当てる。
『はい、これお水。少しずつ飲んで。』
『あ、ありがとうございます…。』
『でもどうしてあんなに無理してたの?』
『…それは――。貴方を手に入れる為です。』
『…!』
ユーハンは私の頬に手を伸ばす。
『ん…っ。』
ピクっと肩を跳ねさせる。
『……無理もしたくなりますよ。貴方は私が好きになった人なのですから。無理して努力するのも…他の人に貴方を譲らない為……私は貴方を手に入れる為に自分を追い込んでるんです。』
『でも、無理して倒れたら元も子も…』
『ふふ、えぇ。それはそうですね。でもこうして貴方が助けてくれた。』
(何それ、ずるい…。)
『私は貴方のために戦います。だから私を選んで欲しいです。』
『ユーハン…っ。』
2年C組 テディ・ブラウン
『はぁ……っ!!』
『ふ……っ!テディ、強くなったな。だが……脇が甘いっ!!』
『あ……っ!!』
ビシッと脇を突かれ倒れ込む。
『く……っ。また負けた…ハウレスさんに勝つ日はまだまだ遠いなぁ……』
『ふ、そんなことは無いぞ。お前は強くなってる。いつか俺に勝てるぐらいにな。』
『ハウレスさん…。はいっ!俺、もっと頑張りますっ!!』
『あぁ。テディ、俺はもう行くがお前はまだ続けるのか?』
『はい!』
『わかった。無理だけはするなよ。』
『はい!』
ハウレスさんを見送り俺は竹刀を再び振る。
(俺、もっと強くなりたい…もっと、もっと…!)
『華さんを……守れるくらい。』
『呼んだ? 』
『え!?』
思いもしなかった声が聞こえた。
『は、華さん!どうしてここに!』
『ハウレスがテディが無理をしないように見てて欲しいって言われたの。テディのことだから無理をするんじゃないかって。』
『あ、はは…バレバレでしたね。』
『ハウレスと手合わせしてたの?』
『はい、でも負けちゃいました。俺、もっと強くならないといけないのに。』
テディは剣道部の面を脱いだ。
『貴方を…守れるように。』
俺はまっすぐ華さんを見つめる。
『俺は…貴方が好きなんです。自分でもどうしようもないくらい…。どんな時でも…傍に居たいんです。それくらい…貴方が好きです。』
(苦しいな。この気持ちを隠し続けるのも。これで俺の事少しは意識して欲しいな。)
『…っ。テディ、私…』
『華さん。』
俺は華さんの唇に指を当てる。
『その続きは……体育祭の後に聞きます。俺、頑張りますから。』
『テディ…っ。』
次回
課外授業 近くに居るだけで……
〜🐾🤍〜
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!