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⚠️ こちらはd!の二次創作です ⚠️
死ネタ BL要素 が これから出てきます
地雷 彡 は 回れ右 !
―翌朝・病室―
朝の光は、昨日より少し強い。
カーテンの隙間から差し込んで、ベッドの白を際立たせる。
シャオロンは、目を覚ましてすぐ、違和感に気づいた。
(……あ)
身体を起こそうとして、止まる。
起き上がれないわけじゃない。
でも、いつもと同じ動きが、同じ速さでできない。
一度、深呼吸をしようとして、途中でやめた。
(昨日より……)
比べてしまったことに、少しだけ眉をひそめる。
比べたくなかった。
でも、もう無意識では済まなかった。
シャオロンは、ベッドの縁に手をつく。
体重をかけて、立とうとする。
――ぐらり。
ほんの一瞬。
でも確かに、視界が揺れた。
慌てて、手に力を込める。
転びはしなかった。
誰にも見られていない。
それなのに、心臓の音が早くなる。
(……前は、こんなんじゃなかった)
声には出さない。
出したら、現実になる気がした。
洗面台に行こうとして、また立ち止まる。
距離は、ベッドから数歩。
132
537
14,818
昨日までなら、考えもしなかった距離。
(……近いのに)
行けないわけじゃない。
でも、行こうとすることに、覚悟が要る。
シャオロンは、一度ベッドに座り直した。
(できなくなった、ってほどじゃない)
そう言い聞かせる。
でも、その言葉が、やけに苦しい。
(……“前と同じ”が、できない)
自分でそう思った瞬間、胸の奥が、きゅっと縮んだ。
誰にも言われてない。
数値も、検査も、まだ何もない。
それでも。
シャオロンは、分かってしまった。
(俺、ちゃんと……進んでる)
良くなる方じゃない。
そっちじゃない方に。
コン、とノックの音がする。
朝の回診の時間だ。
sha「……はーい」
返事は、いつも通りの声。
少しだけ、意識して明るくした。
ベッドの上で、背筋を伸ばす。
“できなくなったこと”を、誰にも見せない位置にしまって。
でも、心のどこかで思ってしまう。
(昨日の夜、ロボロに……)
言わなくてよかった。
言えなくてよかった。
――まだ。
扉が開いて、看護師が入ってくる。
看護師「おはようございます〜。検温いきますね」
sha「おはようございます」
体温計を受け取って、脇に挟む。
十秒。
その間、何も考えないようにした。
(大丈夫、大丈夫)
ピッ、と音が鳴る。
看護師が数字を確認して、頷く。
看護師「うん、問題ないですね」
sha「……ほんま?」
看護師「はい。熱もないし、脈も安定してます」
その言葉に、胸の奥がふっと緩む。
sha「……よかった」
思ったより、声が軽かった。
自分でも少し驚く。
(ほら、やっぱり)
(気にしすぎただけや)
看護師はカルテに記入しながら、何気なく続ける。
看護師「今日は顔色もいいですよ」
sha「ほんとですか」
看護師「ええ。ゆっくりしてれば大丈夫そうです」
大丈夫。
その言葉を、噛みしめる。
sha「ありがとうございます」
看護師が出ていって、病室が静かになる。
シャオロンは、ベッドに背中を預けて、天井を見た。
(……ほら)
(やっぱり、問題ない)
できなくなったことに気づいたのは、たぶん、気のせいだ。
夜のことも、息が合わなかったことも。
全部、少し疲れてただけ。
そう思うことにした。
――そのとき。
コン、コン。
rbr「入るで」
ロボロの声。
朝の回診。
sha「どーぞ」
扉が開いて、白衣のロボロが入ってくる。
いつも通りの姿。
いつも通りの時間。
rbr「検温、終わっとるな」
sha「うん。問題ないって」
rbr「……せやな」
カルテを見る。
数字を追う視線は、落ち着いている。
rbr「数値は問題なしや」
その言葉を聞いて、シャオロンは少しだけ安心した顔を作った。
sha「でしょ」
sha「やっぱ気にしすぎだった」
ロボロは、返事をしなかった。
代わりに、シャオロンを見る。
昨日と同じ場所。
同じ距離。
同じ病室。
――なのに。
rbr「……起きるの、時間かかったか」
疑問形。
でも、答えはもう分かっているみたいな声。
sha「え?」
sha「いや、普通だけど」
“普通”。
昨日まで、自然に使えていた言葉。
ロボロは、聴診器を当てながら、ほんの一瞬、動きを止めた。
rbr「……深呼吸して」
sha「……すー、はー……」
最後まで、吸いきれない。
本人は、気づかないふりをした。
でも、ロボロは外さなかった。
聴診器を外すのが、少しだけ遅れる。
rbr「……」
何も言わない。
でも、その沈黙が長い。
sha「……なに?」
ロボロは視線を逸らし、カルテに何かを書き足す。
rbr「……いや」
rbr「今日は、無理せず過ごせよ」
sha「……?」
いつもと違う言い方。
sha「俺、問題ないって――」
rbr「問題ない“数値”や」
きっぱり言う。
でも、どこか柔らかい。
rbr「それと、“昨日と同じ”かどうかは別やろ」
シャオロンは、言葉に詰まった。
(……ばれてる?)
でも、ロボロはそれ以上踏み込まない。
rbr「昼まで様子見る」
rbr「しんどかったら、我慢せんと呼べ」
sha「……うん」
返事をしながら、胸の奥が少し冷える。
さっきまでの「大丈夫」が、少しだけ揺らいだ。
ロボロは最後に、もう一度シャオロンを見てから言った。
rbr「夜、来れるかは様子次第な」
sha「……分かった」
ロボロが部屋を出ていく。
一人になって、シャオロンは、そっと自分の手を見た。
さっきより、少しだけ、力が入らない気がした。
(……気のせい)
そう思いたかった。
でも、ロボロの目だけは、昨日と違う“何か”を、確かに見ていた。
ロボロは、病室を出て、そのまま廊下を歩いた。
白衣の裾が、いつもより少し重く感じる。
医局に戻り、椅子に腰を下ろす。
カルテを机に置いても、すぐには開かなかった。
(……問題ない、か)
数値は、確かに安定している。
体温、脈拍、血圧。
どれも基準内。
医者としては、何も言う理由はない。
それでも。
ロボロは、シャオロンの顔を思い出す。
「大丈夫」と言ったときの、あの一瞬遅れる表情。
安心した“ふり”を、無意識に作った目。
(昨日と……違う)
朝、起き上がるまでにかかった、ほんのわずかな時間。
深呼吸を促したときの、胸の動き。
最後まで吸いきれなかった空気。
“悪化”と呼ぶには、早すぎる。
“変化”と断定するには、弱すぎる。
でも――
ロボロは、その「弱さ」を、見逃せなかった。
カルテを開く。
昨日の記録と、今朝の記録を並べる。
数字は同じ。
文字も、同じような言葉が並んでいる。
(せやけど)
シャオロン自身が、気づいていた。
“できなくなったこと”に。
それが、いちばん厄介や。
ロボロは、椅子の背にもたれ、天井を見た。
医局の白い蛍光灯が、やけに眩しい。
(外……)
ふと、そんな言葉が浮かぶ。
病室の窓。
朝、シャオロンが見ていたであろう、外の光。
行けないと分かっているからこそ、見てしまう場所。
(連れて行ってやるなら……)
「いつか」じゃ、遅いかもしない。
「元気になったら」なんて、保証はない。
今はまだ、歩ける。
今はまだ、笑える。
今はまだ、“外”を楽しめる体力がある。
(……早いほうがええか)
医者としてじゃない。
看護師でもない。
ただ、“ロボロ”として。
「できなくなったこと」が増える前に。
“約束未満”が、約束にならなくなる前に。
ロボロは、静かに息を吐いた。
決断、というほど大げさなものじゃない。
でも、確かに方向は決まった。
(……明日休みとってシャオロン誘うか)
いきなりかもしれん。
無茶かもしれん。
でも、あいつは――
ロボロは椅子から立ち上がった。
昼前。
ロボロは、もう一度カルテを閉じてから、医局を出た。
昼休憩という名目。
誰も、深くは聞かない。
病室の前で、ほんの一瞬だけ立ち止まる。
ノックをする手が、わずかに遅れた。
コン、コン。
sha「……はい」
いつも通りの声。
けれど、朝より少し柔らかい。
扉を開けると、シャオロンはベッドに腰掛けていた。
昼の光が、窓から差し込んでいる。
sha「あれ、ロボロじゃん。どしたん?」
rbr「シャオロンに用があって」
シャオロンが、きょとんと目を瞬かせる。
rbr「今、ちょっと時間あるか」
sha「……あるけど」
ロボロは、ベッドの横まで来て立つ。
白衣のポケットに手を入れたまま、少し視線を逸らした。
rbr「……明日な」
sha「明日?」
rbr「休み取った」
シャオロンが、何を言われたのか分からない顔をする。
sha「……休み?」
sha「ロボロが?」
rbr「せや」
rbr「急やけど」
そこで、ようやくシャオロンを見る。
まっすぐに。
rbr「明日、外行かんか?」
sha「……え」
一瞬、時間が止まったみたいに、シャオロンの動きが止まる。
rbr「ほら」
rbr「前に、言うとったやろ」
rbr「“いつか外、行きたい”って」
sha「……」
言葉が、出てこない。
代わりに、目が少しだけ見開かれる。
rbr「病院の外、遠出やないけど」
rbr「短時間で、しんどなったらすぐ戻る」
rbr「……まぁデートみたいなもんや」
最後の言葉は、少しだけ小さかった。
sha「……ほんまに?」
確認するみたいな声。
夢じゃないか、確かめるみたいな。
rbr「ほんまや」
rbr「約束してたやろ」
rbr「外、連れてくって」
次の瞬間。
sha「……っ」
シャオロンは、思わず口元を押さえた。
声が、上ずりそうになるのを堪えるみたいに。
sha「……急すぎやろ」
sha「びっくりするやん……」
そう言いながら、嬉しそうに笑っている。
隠しきれない。
sha「……めっちゃ、嬉しい」
その一言で、ロボロの胸の奥が、少し軽くなった。
rbr「無理はせん」
rbr「途中でしんどなったら、すぐやめる」
sha「うん……」
sha「分かってる」
少し間を置いてから、シャオロンは小さく付け足す。
sha「でも」
sha「外、行けるんやろ?」
sha「ロボロと」
その言い方が、あまりにも大事そうで。
ロボロは、思わず視線を逸らした。
rbr「……せやな」
sha「……明日、晴れるとええな〜」
そう言って、シャオロンは窓を見る。
昼の光が、さっきより眩しく見えた。
ロボロは、その横顔を見て思う。
(……今で、よかった)
「もっと後」やったら、
この顔は、見られんかったかもしれん。
rbr「明日まで、今日はゆっくりしとけ」
rbr「体調、少しでも変やったら言うんやぞ」
sha「はいはい、先生」
ふざけた返事。
でも、声は弾んでいる。
ロボロは、病室を出る前に、もう一度だけ振り返った。
シャオロンは、まだ窓の方を見ていた。
明日。
外の光は、ちゃんと、あいつのところまで届く。
コメント
6件
shoさんが苦しそうにするたびこっちも辛くなるぅ! この2人のデートがこの1回だけで終わりませんように!!お願いします!神様仏様おむらいす様ぁ!!!
最初から一気読みさせて頂きました、!ほんとに最高すぎて言葉に表せません🫶💕︎︎ 続き待ってます!
「今」ってなんですか、この言葉切なすぎません?sha彡の病気治れよーー!でもタイトルも治らないってあるしな、うわぁぁぁかわいそー…((他人事。