私
の名前は佐藤美紀、今年25歳になるOL。
私には彼氏がいる。
その彼と初めて出会ったのは5年前。当時、私が勤めている会社に新入社員として入ってきた男性だった。
名前は鈴木大輔くん。
身長178センチで細身ながら筋肉もあってスタイルが良くて顔立ちも良い。
おまけに優しく穏やかで人当たりが良いから社内の女性陣からは絶大な人気を誇っていたりするのだ。
その男が僕にはどうしても許せなかった。
それは僕の兄貴がそいつに殺されたからだ! 僕の名前は田中太郎、どこにでもいる普通の高校生だ。
僕は今、とても困っている。なぜならクラス一の人気者でもあるそいつが目の前にいるからだ。
「ねえ君、ちょっと良いかな?」
「なんでしょうか? 先輩」
そう言って話しかけてきた男は爽やかな笑みを浮かべて返事をした。
名前は高橋和馬といってうちの高校の生徒会長を務めている。成績優秀スポーツ万能容姿端麗で誰からも好かれており男女問わず人気がある生徒だった。
しかもこいつもまた非凡なる才能を持っているらしく去年行われた校内模試では全国トップ10に入っていたらしい。ちなみに一位は俺だった。……いやまあそれはともかく、 こいつは確かに見た目こそ美少女だが中身は男だしそもそも人ですらないし、おまけにお化け屋敷とかいうリア充の巣窟みたいな場所に行こうと言い出すような奴なのだ。
(……ああもう!)
自分で自分にそう言い聞かせながらも、俺は気がつくとその誘いに乗ってしまっていた。
「ふぅん……悪くないじゃん?」
その言葉とともにニヤリと笑った彼女の顔を見た瞬間、思わずドキッとする。
しかしそれも一瞬のこと。
彼女はすぐに興味を失ったかのようにそっぽを向いてしまった。
「じゃ、さっさと行くわよ」
「えっと、どこにですか?」
「決まってるじゃない。アンタが行きたがってたお化け屋敷よ」
「…………へ!?」
――こうして俺たちのお化け屋敷デートが始まったわけだが、残念ながら俺はお化けとかそういう類のものはまったく信じていないタイプなので、別に怖くはなかった。俺が怖いと思ったのは隣にいる小鳥遊唯の方だった。彼女は……幽霊や心霊現象の類は苦手らしいのだ。だから、こういう場所に来ると必ずと言って良いほど何かしら起こるのだが……。
「きゃああぁあっ!!」
ほら、出た! こんな風に、いきなり絶叫して抱きついてくるから心臓に悪いんだよなあ。それにしても今日は特に酷い気がするが……ひょっとしたら、よっぽど怖い思いをしてきたのか?そういえばさっきまで、すごい勢いで泣きじゃくっていたもんな。
まったく、しょうがない奴だよ。俺なんかのために泣くなんて……本当にバカな奴だぜ。お前のせいで、こっちは胸の奥がきゅんきゅんとうずくような痛みを感じてるっていうのに。
「うぅっ……ぐすっ……」
ああもう、だからなんでそこでまたさらに涙を流すかなぁ!? 頼むからこれ以上泣かないでくれ。じゃないと俺の心が壊れちまいそうだ。
ちくしょーっ!! どうしてこうなった!? 俺が一体何をしたというのだ? 神様どうか教えてください。
俺は今年で17歳になる高校2年生で、今は夏休み中の8月半ば頃のことだ。ちなみに彼女いない歴=年齢でもある。俺の名前は『小鳥遊優斗』と言い、どこにでもいるような普通の高校生……ではないかもしれない。
だって俺にはちょっと変わった能力があるからだ。それは……。
――ガチャッ! 玄関の方から鍵を開ける音が聞こえてきた。
誰か帰ってきたのかと思いつつ、リビングにあるソファーに座っていた俺は立ち上がり出迎えるために廊下に出た。
「お帰りなさいませご主人様♪」
そこにはメイド服を着た美少女がいた。その少女は俺を見ると嬉しそうに笑った。
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