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「……私は、普通です。いつも通り、仕事をしていました」
「そうですか? でも、耳の先まで赤くなってますよ」
凪さんが悪戯っぽく囁き、私の耳元に顔を寄せた。
反射的に体が強張る。
「……凪さん。ここは職場ですから」
「分かっています。だから、こうして屋上に呼んだんです」
凪さんはそう言うと、フェンスについていた手を伸ばし、
私の頭をポンポンと優しく叩いた。
「……頑張りすぎないで。あなたが『氷のオブジェ』でいなくてもいい場所を、俺が必ず作りますから」
その言葉が、私の張り詰めていた心をふっと解いていく。
どうしてこの人は、私が一番欲しかった言葉をくれるんだろう。
私は俯いて、小さく頷くことしかできなかった。
その時だった。
屋上の扉が、勢いよく開いたのは。
「お姉ちゃーん! やっぱりここにいた!」