テラーノベル
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数年前…地球に飛来した隕石の影響により地球に住むほぼ全ての人間に「異能力」が付与された世界。
その能力を活用し人類は目覚しい発展を遂げたのだが…中には自身の能力を使い悪行を働くものさえいた。そんな能力犯罪を取り締まるため高校生ヒーローチームが結成された。
星雲高校…放課後。2年生のソラは学校の掲示板に「ヒーロー部 部員募集!」と大きな字で書かれたポスターが目に止まった。この字体は、親友であり相棒の字体…。
「お!!ヒーロー部が気になるか!」
そこに現れたのは、能力:波動を持つ男子生徒リュウ。
「ソラ!お前が入ってくれたら嬉しいんだが…どうだ?見学でもいい!頼む!」
「いやでもな…俺、能力ないし。」
ソラには足が早くなるとか、手から雷を出せるとか、特筆した能力が無かった。
「関係ねぇよ!!頼む!どうか!!この通り!」
「じ、じゃあ…見学だけ」
それを聞いたリュウは嬉しそうに顔を上げた。
「マジか!!行くぞ!!」
部室は旧校舎の2階。今は使われていない空き教室を部室として使っている。そこに入ると、既に2名の部員が座っていた。1人は青い髪のツインテールの女の子。もう1人は黒いツインテールの女の子だ。
「ソラ…。」
青いツインテールの女の子はソラを見て、どこか驚いていた。
「スカイ先輩、知り合いですか?」
「え、えぇ。」
スカイと呼ばれる女の子は、ソラと同じクラスで幼なじみ。能力:聖騎士の力を持つがまだまだ未発達だが、彼女が使える最大限の力を振り絞って能力犯罪者と戦っている。
もう1人の女の子は、アイリ。1年生でリュウたちの戦いを見て入部を決意した。
「知り合いなら話は早いな! 今日、コイツが部活を見学する。」
「け、見学…。」
「見学なら、私たちの戦いぶり見せてもいいんじゃないですか?」
「だな! それじゃあ一旦仮戦闘を…」
リュウは端末をいじると部室の奥が開き大きなスタジアムが現れる。どこに隠してたのだろうか。ソラとしては色々ツッコミどころが多かったが、リュウやスカイ、アイリは当たり前のように入っていく。
「ソラも、おいで?」
スカイはソラの手を引いた。
「うっし!!じゃあ、軽く戦闘をば…!」
「負けませんよ!先輩!」
初戦はアイリとリュウが戦う。アイリの能力は指銃射撃。ミリ単位で調整し指から弾丸を放つ射撃技だ。リュウとアイリは練習であっても本気でぶつかり合う。金色の波動がリュウの体を包み、アイリにぶつかる。アイリは体勢を崩したが、咄嗟に立て直し指鉄砲を乱射する。
「乱射してるだけじゃ当たんねぇよ!」
「はあっ!」
指鉄砲から放たれる真っ赤な弾丸がリュウの頬掠めた。
「ッ!やるな!でも…」
一瞬にしてアイリの間合いに詰め込み、軽くデコピンを当てる。
「あでっ…!」
「勝負あり!リュウの勝利!」
審判をしていたスカイが声を上げる。
「リュウ先輩、手加減とか知らないんですか?」
「手加減する方が悪いだろ。…じゃ、次はスカイと俺でいいか? 」
「うん。ソラ、見ててね。」
「じゃあ私、審判やります!」
アイリが審判を務める。2人が見合い、戦いが始まろうとした瞬間。部屋にアラートが鳴り響く。
「能力犯罪者か!」
アイリがタブレットを取り操作すると、地図に赤いポインターが着いていた。港エリア 倉庫街だ。
「いくぞ!」
「ソラも…来る? 」
スカイに誘われ倉庫街に足を運ぶ。
倉庫街は爆煙に包まれ逃げ惑う人々で溢れていた。
「この倉庫の飯は全部俺様のだ!!」
「やめろ!」
リュウの声に男はこちらを見る。
「なんだァ?クソガキ共のヒーローごっこか?」
「ごっこじゃない!!俺たちは星雲高校ヒーロー部だ!」
「ヒーロー部ねぇ…だったら、俺様を止められるかな?」
「ソラ、あなたは安全なところで見てて。」
スカイに誘導され安全なエリアから3人の戦いを見る。瓦礫の後ろから3人を見つめる。スカイは聖騎士の力で現れた光のレイピアで男を切り裂き、リュウは波動の力を使って男との攻防を繰り広げ、アイリは着実に足元を狙って動きを抑止する。3人は自身の役割を理解して動いていた。…ソラのスマホが鳴る。
「はい。」
「…どうやら、能力犯罪者と対峙しているようだな。エージェント・イレイス」
「高校生ヒーローチームを利用し、対象を処分します。」
「期待しているぞ。エージェント・イレイス。」
通話が切れ、ソラは3人の様子を見る。
「チッ…本気出すか!」
男の腕がパンプアップ。男の能力は剛腕だ。
「来るぞ!みんな!」
男は飛び上がり地面に拳を当てると地面が割れ、その衝撃波でソラが隠れていた瓦礫すらも吹き飛ばされる!
「ソラ!」
スカイは咄嗟にソラの前に出て光の盾を作り出す。
「ソラのこと…絶対守るから!」
「千尋…」
千尋という名前にスカイは動揺した…ヒーローになるために捨てた名前を呼ばれたからだ。
「…その名前で呼ばないでよ。」
「何してる!スカイ!来るぞ!」
リュウの声にスカイは反応し、光の盾で男を吹き飛ばす。
「ぐぁっ!? ガキのクセに!!!」
「ふっ!」
乾いた銃声と共に男の足はアイリに撃たれ、よろける。
「リュウ先輩!今です! 」
「ありがとな!アイリ!」
リュウは波動を解放し、重い拳を当てる。鈍い音ともにリュウの拳が入り男は気絶した。
遠くからサイレンの音がする。
「お、後は警察に任せるか。」
「あ、あのさ。引渡しは俺がやってもいい?」
「いいけど…大丈夫?1人でできる?」
「まぁ、警察の手順通りにやればすぐ終わるだろ。任せたぜ相棒!」
3人は談笑しながら学校へ戻る。しかし、スカイだけがソラを心配に思っていた。
3人が見えなくなるのを確認して、ソラはエージェントとしての仕事をする。
「ここからは、俺の仕事だ。」
黒い手袋をはめて男の頭を掴む。
「警察です。ここは危険ですので離れて…」
ソラは警察官らに身分証を見せると、警察官は慌てて敬礼し後ろを向いた。
男の頭を掴み「イレイス。」と呟くと男から能力のオーラが消える。
「後処理は頼みますよ。警察さん。…こちらエージェント・イレイス。対象を処分した。警察の引渡しも完了している。」
通話の相手は先程の低い声の男性。
「ご苦労だった。エージェント・イレイス。次回も期待している。」
通話が切れる。労いもない冷たい通話だった。
そろそろ行かないと、スカイにたちに心配される。
ソラはスカイたちの待つ学校へ向かう。
「ソラ先輩遅いですよー!さっきみんなで、ソラ先輩を入部させたいって話してたんです!スカイ先輩なんて、ソラ先輩が入部してくれなきゃもう死んじゃうーみたいな顔してましたからね?」
「そんな顔してない!!」
「で、どうだ?部活…入ってくれるか?」
ソラは少し悩んだ。そして、うん。と一言。
「ほ、ホントに?」
「あ、スカイ先輩泣きそになってる〜!」
「な、泣いてないし!!!」
「決まりだな!入部届けだ。ここにサインしてくれ。後はこっちで出しておく。」
ソラは入部届けにサインを記入した。
ソラはヒーロー部に入部した。
スカイとの帰り道…。いつも2人で帰っているのに今日はどこか特別に感じた。いつもなら「幼なじみ」で済ませられる距離感なのに…今日はそれとは違う。「仲間」という温かい距離感。
「あのさ…」
スカイが口を開く。
「強引に入部する形になって、ごめんね。」
「気にしてないよ!むしろ、ヒーロー部気になってたし。」
「ほ、ホント?…そっか。」
スカイは嬉しそうだった。
「あ、え、違う…リュウ喜ぶなって!!!リュウ、ずっとソラを入部させたがってたし!!」
慌てて言い訳した。ソラは彼女の気持ちを読み取っていた。彼女はソラが一緒にいてくれることが何よりも嬉しかったのだ。
…しばらく歩き、隣同士の家に。
「また明日…部活、遅刻したら承知しないから!」
そう言ってスカイは家に入っていった。
ソラが家に入ると、それを見ていたのかタイミングバッチリにスマホが鳴る。「極秘監視組織 load 」からだった。
「任務だ。今すぐ向かえ。」
それだけだった。添付されたファイルには、犯人の位置情報がポイントされている。廃工場地帯。ソラはジャケットを着込んで夜闇に走る。
誰にも知られず、誰にも気付かれず。その瞬間のソラは、誰よりも冷徹なエージェントになるのだった。
#ご本人様には関係ありません
#恋愛
コメント
1件
読み終えた!めちゃくちゃ熱い展開やったわ。ソラが表では普通の高校生ヒーローで、裏では能力を消すエージェント「イレイス」って二重生活してるのがかっこよすぎる。スカイが「千尋」って呼ばれて動揺するシーンもグッときたし、仲間との距離が縮まる感じと、裏の顔のギャップがたまらん。続きめっちゃ気になる!