-scene3- Ren Meguro
翔太くんが解放されてからもうすぐで1ヶ月。
翔太くんは目に見えて細くなり、白い肌はますます白くなった。
か細い腕が、病衣の袖から見えるたび、俺の心はギシギシと痛んだ。
🖤「復帰するって本気?」
💙「うん」
🖤「本当はまだお医者さんの許可も出てないんでしょう?」
💙「復帰する」
強い意志をたたえた瞳が俺を見た。
噛み締めた唇にその決意が窺えた。
俺はとうとう反対するのを諦めた。
🖤「岩本くんはどう説得するの」
💙「関係ない。俺の人生だ」
🖤「そう……」
翔太くんは一日も早く仕事に復帰したがった。
体調の回復を待って、とメンバーはもちろん、マネージャーや会社もかなり慎重だったのに、本人の意志は翻らず、来週の収録から戻ることはほぼ決定していた。
話題作りのためにスポンサーは乗り気で、どこから漏れたのか、復帰自体がニュースで大きく取り上げられてしまい、もう後戻りはできなかった。
💙「置いていかれるのが、怖いんだよ」
🖤「置いてく?俺たちが?」
翔太くんは頷いた。
俺はそれを見て、泣きそうになった。
俺たちが翔太くんを置いていくわけないじゃないか。
💙「すぐに、忘れられるのが怖い」
🖤「忘れないよ」
💙「怖いから」
それっきり、翔太くんは何も喋らなかった。
もどかしい日々が続く。
退院の日に手伝いに来ることを約束して、俺は帰った。
コメント
3件
しょっぴー…🥹
いい意味で涙腺破壊案件