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snowman
「…はぁ…カッコいい……」
スマホを片手に1人で呟く
この世には2つの“人間体”がいる
1つは“成功人間”と呼ばれる者たち
スポーツマン 芸人 アイドル タレント
俳優 声優 経営者 インフルエンサー
…その他諸々
もう一つは“敗北人間”とでも言っておこう
ブラック企業 ニート 闇業…
これを天職というやつもいる
でも俺は違うただただ毎日早朝に家を出り、給料も発生しない残業
上司にこき使われ後輩たちからも馬鹿にされ生きている意味がわからなくなる
でもこういう俺等にも“成功人間”の存在はありがたい何故なら“癒し”となるものだから
「…カッコいいな…」
?『ありがとう!これからもよろしくお願いしまーす!』
全『お願いしまーす!!』
「…」
俺の癒し、そう“アイドル”の存在
ハマった理由、そんなの現実逃避したかったからに決まってる
この人たちを見ていると惨めな自分を忘れられる、自分もこの人たちのファンとしていていいんだと、感じることができるから
「…次のツアー…応募しようかな」
俺の推しているグループは次、ドームツアーを開催するようだ
この頃、爆発的に成長しているグループ
“snowman”
男性アイドル8人組このグループは多種多様な人が在籍しており、誰一人としてキャラが被っていない
不思議なグループ
「あ、翔太くんストーリーあげてる…」
そこには透き通った肌を持ち、20代前半の女性俳優さんと並んでも違和感なのない人物
言動が5歳児のような時があるからファンからは
“5歳児しょーたくん”って言われてるそれに毒舌キャラも相まってギャップがすごく俺はすぐに虜となった
「…おれ、惨めだ……」
時刻は朝2時半
上司と後輩に押し付けられた仕事をこなしていればいつもこんな時間
誰も評価してくれない、この“成功人間”たちとは俺は違う
「…4時……ご飯作るのめんどい…」
「コンビニでいいか…」
テクテクッ
「…ただいま」
もちろん返事はない
俺は東京と言っても実家は都市部から離れた場所ここではあまりない緑がたくさんある
実家は料理店
だからか料理は一通りでき、趣味でもある
…家に戻りたい、でも戻ることはできない
「あ…そうだチケット…」
「応募だけ…しよ」
ポチッ…
この選択が俺の人生を変えるなんて
夢にも思わなかった
「…パチッ」
「もお…朝…?」
時間を見るとそこには6時半と言う文字が
今日は土曜日こんなに早く起きる意味はないが、身体に起きる時間が染み付いているのだろう
だから休みの日でもゆっくり休むことができない
昔は好きだったファッションも今となってはどうでもいい
家にいるときは大体パーカー、メイクもまたにするときもあったが肌の調子が悪いから今はしていない
目元にはクマができ、いつも眠そうな顔をしていると、よく言われるものだ 無駄にぷっくりとしている唇も血色感が全くない
「…お散歩、行こうかな?」
朝風にあたりたくなって外に出ることにした
「…涼しいな」
パーカーのフードを深々と被り、マスクもして目元と顔全体を隠す
前まで姿勢も良かったが今では顔を隠すことばかり考え、いつの間にか猫背に
「…ここ、翔太くんが言ってたお店……」
散歩中、ふと横を見るとこじんまりとしたカフェが
人気店というわけでもなければ話題になるメニューがあるわけでもないただ、
一度だけ見かけた
夜遅く残業帰りにここを通ったら、中に一人だけお客がいて、なんとなく見た
そしたらガラス越しではあったが翔太くんだとわかった
でも、俺はすぐに帰った話しかけていい存在でないと俺は思ったから
「朝から空いてるんだ……」
スッ
俺の身体は、考えるより先に動いた
カランカランッ
「…あのっ」
「いらっしゃいませっお一人様ですか?」
「あ、…はい」
「では、こちらへどうぞ?」
何を頼もうか
朝だからそんなにいらない、コーヒーでいいか
そんな事を考えていた
「…おいしい……」
コーヒーだけ頼み、飲む
翔太くんみたいにキラキラしていなくてもかこのコーヒーは美味しかった
「…」
飲み終え、カフェをでり、また歩き出す
すっかり日も昇り通勤する人の姿
俺はまだ恵まれているのかもしれないと、考え帰路につこうとした
その時だった
「…なに……この声」
どこからかわからない
でも言い争っているような声がする
また、身体が勝手に動いた
「ヒョコッ…?」
「やめろって!」
「いいだろ別に…こっち来いよ!」
「…めんどそ……」
でも、ここまで来て助けないのは俺のプライド?が許さない
「あの……」
「あ”?」
「やめて上げてください」
「何してるか知りませんけど警察呼びますよ」
「…おめぇみたいな陰キャが、何ができるってんだよッッ!首突っ込むなや!!」
「はぁ…知らないんでしょうか」
「女性だろうと“男性”だろうと同意がないのに“孕ませて”しまったら罪に問われますよ」
「…っ!」
「どーせ何も考えずにヤりたかったんでしょーけど、前科つける前に職にでもつけよ」
「お・ば・か・さん??」
「〜〜っ!!このっ!!」 バッ(手上
「おれを殴っても暴行罪ですよ」
「わかったならとっととうせてください」
「…チッ!」 タタタッ…(逃
「…」 スッ(歩
「まって!」
「クルッ…」
「なんでしょう…」
「お、お礼を!」
「…いえ結構です、では」
「!まってよ!」 ガシッ!(腕掴
「わっ…なんです……って…え??」
翔太「お礼の言葉くらい言わせろよバーカ」
涼太「…しょ、翔太…くん??」
これが、俺と“成功人間”との出会い
新連載〚君で俺を満たして…〛
HARN様リクエスト
コメント
2件
ありがとうございます!めっちゃいいです!
💙❤️⚜️