第二話 『大失敗…』
死ぬ…
そう思った。
だって…目の前に巨大なカニがいるんだもん!!
マザーですか?それともファザー?いや、シスター?ブラザー?
誰だっていいんですけど!
「あ、えっと…マザー?マザーと呼ばせてください…。見逃してくれませんかねぇ…?」
「ぴぎゃあぁぁ!」
はい。わかってました!許してくれないってわかってました!
マザー(仮)は私をつかもうとしたらしい。速度だけは早い私に逃げられて激おこの様子。
そして、マザーがつかもうとした場所!何喰ってるんですかあなたは!?
岩食べてますやん…やめてぇ!?
私の未来あれなんですか!?え、普通に嫌なんですけど!?
とりあえずここはやばそう…。
逃げるしかない!!
「いやぁああ!追いかけてこないでぇ!」
しばらくたって…
「はぁ…」
私は岩陰に隠れながらため息をついた。
「普通に死ぬかと思った…
」
「ん?何これ…」
目の前に出てきたウィンドウらしきものに触れると、神の声(仮)が聞こえた。
〘スキルポイント:100〙
はて?スキルポイントって何だろう?
〘スキルポイントはそのポイントに応じたスキルを買うことができます。スキルポイントが高ければ高いほどより良いスキルを買うことができます。〙
〘使用しますか?〙
へーなるほどねー
ってなるかい!
え?スキルなんてあるの?いや、転生したからにはあると思ってたけども!
マジであるとは…。
でも何を変えるんだ?たった100で…。
〘これが一覧になります。〙
ほぉーこれがスキルポイント100で変えるスキルねぇ…
「って待て!」
「これは最強スキルで有名な『鑑定様』じゃないか!!?」
これは…いいのか?
いや…もらうっきゃない!
「鑑定でお願いします!!」
〘スキル、鑑定を獲得しました。〙
〘スキルポイントは0です。〙
いや~すごい達成感!
「どれどれ使ってみるか~」
「鑑定!」
といった瞬間に私は失敗したと思った。
だって…〘岩〙って出たんですもの!
「いやいやちょっと待て…」
「え…〘岩〙?うそでしょ?バグだよね?」
「鑑定!」
〘岩〙
…オーマイガー!!!!
私はとんでもない失敗を犯してしまったのだ。
「はぁ…最悪だぁ…」
もっと鑑定って詳しく教えてくれるもんなんじゃないの!?
ここはなんとか海底です。とかさ!
こっちからしたら期待を裏切らないでほしいわけよ!
「ん?ちょっと待てよ?自分も鑑定できるんじゃないか?」
「ってことで!鑑定!」
〘 カニ Lv1 名前なし 〙
名前なし…?
前世の名前はこっちの世界には干渉してないのか…?
てかLv1って…ザコ過ぎない?
「まあ最初はこんな感じかぁ…」
そうして私のカニライフは始まっていったのだった――。
コメント
2件
カニ!? え、続きめっちゃ気になるのだが