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「きょも」攻×『じゅり』受
部屋の明かりを落とした薄暗い空間で、缶ビールを片手に他愛のない話をしていた。
大学からの腐れ縁であるきょもと俺は、周りからも〈いつも一緒にいるな〉と言われるほどの男友達だ。
お互いに気を使わない、居心地の良い関係。
そう思っていたのは、俺だけだったのかもしれない。
「ねえ、じゅり」
きょもが不意に、いつになく低い声で俺の名前を呼んだ。
『ん?何だよ』
ソファに背もたれを預けていた俺が顔を向けると、すぐ目の前にきょもの綺麗な顔があった。
いつの間にか距離が詰まっている。
整った顔立ちにいつも漂っている柔らかさは消え、どこか焦れたような、強い視線が俺を射抜いていた。
「お前さ、本当に鈍感だよね」
『は?突然何言いだすんだよ』
お前だって人のこと言えないだろ、と笑って誤魔化そうとした瞬間。
缶をテーブルに置く鋭い音が響くと同時に、俺の身体は強い力で前方へと引き寄せられた。
『わっ……!』
抵抗する隙もなかった。
きょもの細い身体のどこにそんな力があるのか、骨が軋むほどの強さで、俺は彼の胸の中にがっしりと抱き留められていた。
耳元で、きょもの少し早い鼓動がトクトクと響く。
『ちょっと、きょも……!?急にどうしたんだよ、苦しーー』
「まだ分かんないの?」
遮るように落とされた言葉は、低くて、少しだけ震えていた。
背中に回されたきょもの腕に、さらにぎゅっと力がこもる。
完全に自由を奪われた状態で、俺の心臓が嫌なほど跳ね上がった。
「友達、友達って……。俺がどんな気持ちで毎日お前の隣にいると思ってるの?」
『きょも、それって……』
「これ以上、ただの友達の振りして笑ってるの、もう限界なんだけど」
耳元に触れる吐息が熱い。
抱き寄せられた身体から伝わってくるきょもの体温が、男友達という境界線を容赦なく融かしていくのを、俺はただ呆然と感じていた。
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