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Sloth 3
アールブ……。
ねえ、アールブ……。
「罪人が罪人を狩る……か……ぼくは……」
Sloth 4
「そうです。これはモート君が決して開いてはいけないといわれていたグリモワールを開けてしまったことによります。それで村人が全員を皆殺しないといけなかった。封印されいしグリモワールは、七つの大罪です。それを七冊揃えると……どうです……お気をたしかに……あらゆる罪が罪を犯したものへ死をもたらします。昔のモート君はそれを知っていました。村の住人は全て罪の名によってモート君に狩られ死滅しました。人を殺め過ぎて、モート君はすでに死神となっていました。彼らを殺したのはその貫通する力、通り抜ける力です。おや、話が前後していますね。これでいいんです。そこで、モート君の遺体は絵画に封印されました。この村の唯一の生き残りによって……そう、ジョン・ムーアの最愛の人によってです」
パチリっと、暖炉が弾いた。
アリスはふと、モートの顔が頭の片隅を過った。
「村人たちの死因がお話の中で、前後していますよ。おかしいですよ。オーゼムさん?」
アリスは納得できない箇所を指摘した。
「え、生きていた? その時代に?」
ヘレンは驚きの声を上げた。
「何故、アールブヘルムの絞殺魔と呼ばれているかというと。死因が……まるで絞殺をしたかのような首の表面ではなく内部での破壊が目立ったからなのです」
全て話し終えると、オーゼムは何度も悲し気に頷いていた。
「ここまでで、何かわからなかったところはありますか? そうですねー。重要なところです。今後のモート君との繋がりのためです」
「あの、オーゼムさん。殺人の前後はどうなのでしょう? モートがグリモワールを使って殺す対象にした。この場合、グリモワールによる罪が殺人を犯す動機だった? それとも、グリモワールを使う前には、もうすでにモートは人を殺す動機を持っていた。結局はどちらなのでしょう?」
アリスは疑問を言うことにした。勿論、モートをどうしても大量殺人犯にはしたくなかったからだ。
「ここまでで、何かわからなかったところはありますか? そうですねー。重要なところです。今後のモート君との繋がりのためです」
「あの、オーゼムさん。殺人の前後はどうなのでしょう? モートがグリモワールを使って殺す対象にした。この場合、グリモワールによる罪が殺人を犯す動機だった? それとも、グリモワールを使う前には、もうすでにモートは人を殺す動機を持っていた。結局はどちらなのでしょう?」
アリスは疑問を言うことにした。勿論、モートをどうしても大量殺人犯にはしたくなかったからだ。
「そうですねー。罪は村人たち全員が持っていました。もうすでにです。ここからはモート君の動機。家族のお話になります」
オーゼムはコホンと咳払いを一つして、悲しみの目を向けた。
Sloth 5
粉雪の舞うレストラン街の道路に巨体の大熊の首が次々とふっ飛んでいく。鮮血が真っ白な道路に滴り落ちる銀の大鎌を持ったモートは真っ直ぐに道を進みながら大熊を狩り続けた。道路の前方にあの女性がいる。手にはグリモワールを持っていた。
「これで、二度目ねー。ねー、あんたに会うのは」
「……」
「前より強くなったから……そう、あんたよりも……だから私の邪魔はしないで!」
モートは恐怖をしていなかった。昔の自分を思い出したからだ。そう、殺人鬼の記憶を……。
女性がグリモワールを使うと、辺りの空気が極度に振動し、ヒルズタウンの三角屋根のレストランの入り口の一つから大熊三体が出現した。どうやら、大熊は無尽蔵にだせるようだ。しばらく狩っているのにその数が減らない。
「さあ、楽しい殺人の時間よ! さあ、行って!」
女性は次に大熊の出現したレストランの反対側のレストランから五体もの大熊を召喚する。
少し吹雪いて来たレストラン街全体に、巨体の大熊の足音が鳴り響く。重い振動でアスファルトを覆う氷全てに亀裂が走った。道路の脇に植えられた美しい針葉樹も倒れていく。付近の住民や客などは全員無事避難したとモートは信じた。
「終わりだ」
モートは銀の大鎌を投げた。
手放した銀の大鎌は大熊の首を撥ねていく。そして、唸るように回転し、女性の持つグリモワールを真っ二つにした。
モートは右手の掌を面前に突きだした。
銀の大鎌が回転しながら戻って来た。
「また、残念ね! すでにあなたの近くにも召喚してあるのよ! これであなたの最後! じゃあね! カッコイイお兄さん!」