TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

一匹の大熊がモートの立つ傍のマンホール周辺を破壊して飛び出した。大熊の巨大な左手がモートを襲う。

だが、モートはヒラリと避けた。

そして、右手でキャッチした銀の大鎌で大熊の首を狩る。

辺りには勢いよく血が散乱した。

「チッ……!」

「……」

モートが女性を狩ろうかとしばらく考えていると、女性は後ろを向き。一目散に逃げ出した。

モートは後を追った。過去のモートは女子供も殺害してしまっていた。凶悪な殺人鬼だった。だが、今はヘレンの言いつけを忠実に守っていた。当然、モートの足の方が速い。すぐに女性に追いつくと、モートは女性の後頭部に目にも止まらぬ手刀を撃ち放った。

女性を昏倒させる。

「警察が来るまでの間。もし凍死しなければ、君は運が良かったと思うんだ……」

モートはギルズを追いかけた。


ガシャン! と、レストラン街の地下から何やら巨大な車が飛び出した。スパイクタイヤの四輪駆動の大型自動車だ。よく見ると、ギルズが乗っている。車は唸り声を上げ猛スピードでセントラル駅方面へと凍てついた道路を走り出した。恐らくは行き先はクリフタウンだろう。

モートは全速力で追った。

両脇の景色が瞬時に後方へと流れ、前方からの風は暴風と化す。

「絶対に逃げ切ってやるぞーー!! あばよーーーー!!」

ギルズが吠えた。

車とモートは並行して走っていた。

モートは風も氷も関係が無い。

3ブロック先でモートは車に追いつくと、ギルズが乗った車は更にスピードを上げる。

「オラーー! どうしたーー! 追えるなら追ってきやがれーーー!! ひゃははははーーー!!」

猛スピードの車はセントラル駅への出店や通路の人々、コンクリートの壁などをなぎ倒して、プラットフォーム内へと入った。そのまま階段を登り切り、線路へ降りそのままのスピードで走り出す。

急いでモートはセントラル駅内へと壁を通り抜けた。

線路の車を追いかけるため、モートはセントラル駅から線路に面した煉瓦の壁を通り抜けながら疾走する。

遥か遠くの次の駅から警笛が鳴り響く。

前方からこちら方面に電車が走って来た。

「マ! マジかよーー!! 嘘だろーーーーー!!」

ギルズが絶叫する。

このままではギルズの乗る車と激突し、大勢の死者が出ると車と並行して走るモートは考え、ギルズの乗る車まで急いで飛翔した。車体を通り抜けたモートはギルズをハンドルごと窓から外へと蹴飛ばした。

車の運転の仕方がわからないので、銀の大鎌で車体を八つ切りにし、バラバラに解体して線路外に車体を放った。モートは線路に降りるとギルズの持つグリモワールを探した。

モートはもうクリフタウンへと来てしまい。セントラル駅の線路をしばらくヒルズタウンまで歩いて戻ることになった。

途中、ギルズのグリモワールを拾い。

血で汚れ過ぎたコートを脱ぎ捨てた。


空は今では粉雪は吹雪いていた。

ヒュウヒュウと風もでている。

真っ白な線路には一直線にギルズの乗った車の車輪の後がついている。

途中、白線からよじ登り。ホームから切符は買っていないがローカル線に乗った。モートは椅子に腰掛けるとパラバラム・クラブの女性が持っていたグリモワールも回収しないとと思った。珍しくモートはウトウトとすると、アリスの優しい声が聞きたいなと想った。


Sloth 6


「はあー、ではもう一回言いますよ。モート君の家系は魔女で、魔女裁判をする異端尋問官の一団がモート君の住む村へと来たのです。その一団は丁度、旅の途中でした」


オーゼムは溜息混じりに言った。

今は夜の20時を回ったところで、アリスとヘレンはもう三回も同じことをオーゼムに言わせていた。

「あの。オーゼムさん? その一団と村人の罪は何か関連しているのですか?」

ヘレンはここまではオーゼムから聞いていなかったようで、アリスもショルダーバッグを少し肩からずらして、ヘレンと同じような質問をしようとした時、オーゼムは急にニッコリと微笑んだ。

「さあ、答え合わせです! 村人全員がモート君の家族を一団に話したのです。何も言わなければ、通り過ぎるだけで、それで良かったのですが。モート君にはその村にフィアンセがいました。それを激しく嫉妬していた村長の息子が村人全員を抱き込んだのです。そして、モート君の家には火が放たれました。生き残れば魔女。死んでしまえば人間。こういうことですが……その時、銀の大鎌を持ったモート君が火の中から現れました。その日。病が蔓延している時期で、教会に呼ばれていたモート君は、死神になる素質を持っていました。それまでは魔女の母親と共に病を看病していたので、死んだ人の魂に多く触れていたのです。そう、誰よりもです……教会にはグリモワールが安置してあり、火を放たれた後に、モート君はまずはグリモワールを開けました。村人全員が罪を持った。そう狩りの対象です」

オーゼムはそこまで話すと、一つ咳払いをし、

「モート君はグリモワールによって死にました。そして、ジョンの最愛の人が教会の絵画へと封印をしたのですが……その絵画は古の魔女の母親の絵だったのです」

アリスは心底、モートに同情をした。

肩にぶら下げたショルダーバッグが床に落ちた。

アリスは自分が泣いていることに気が付いた。

夜を狩るもの 終末のディストピア

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

19

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚