TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

タイトル、作家名、タグで検索

テラーノベル(Teller Novel)
相澤先生と美術教師

相澤先生と美術教師

「相澤先生と美術教師」のメインビジュアル

6

第6話唱えた言葉

♥

100

2022年08月17日

シェアするシェアする
報告する

「今度は粘土工作か。」

「そうなんすよ。ほんと、今度こそヤバいです。」

「上鳴、かれこれ1時間は筆にぎってるんですよ。」上鳴は紙粘土で作った林檎の色づけに苦戦している。

「赤って言っても色んな赤があるだろ。黄色寄りの赤とか…。ここに黄色足してみたらどうだ??」

うっかりしてしまったアドバイスに、その場にいた全員が、豆鉄砲をくらった顔をしている。

「先生、美術得意だったんですね。」

芦戸が、意味深な笑顔で言ってきた。

「…まぁな。」

「心絵先生とぜってーなんかあったよな。まさか、付き合ってセ…!?」

「うるさいわよ。」

蛙吹が峰田の余計な口を塞いでくれて助かった。峰田は適当に言ってるんだろうが、間違ってないので何とも言えない。

「先生のおかげで、終わりましたー!!」

「良かったじゃん!!おつかれ!!」

「いいんじゃない??本物と見間違えそう。」切島と瀬呂が苦労を労う。

「全員、美術以外の成績を気にしとくんだな。毎度のことながら、さっさと寝ろよ。」そう言って寮を後にした。

任務中偶然、彼女と遭遇した。

「先…じゃなくて、消。いやイレイサー…!!」それにしても、呼び名を使いわけるのも一苦労だ。彼女は美術専門店の袋を提げている。「道中気をつけて。」

小声で伝え、捕縛布を伸ばしビルに昇る。任務を終え1番にスマホをみると、お疲れさまのメッセージが。感謝の言葉と共に次の休みはどこに行こうかと返信し、残りの仕事に取りかかった。

「貴重な休みに、デートしてくれてありがとうございます。」

「良いんだ。美樹と過ごす時間が楽しいから。」

今日は、蝶々園でスケッチ。

「虫は大の苦手なんですけど、蝶々だけは平気なんです。」

彼女が手を差し出すと、自然と蝶々が集まってくるようで。その姿が神々しくて思わず写真に収める。

「ちょっとだけ、放してみようかな。」

Hallelujah Forever and ever

唱えると、たちまち絵が浮かび上がった。

「これは、すごい。」

神秘的な空間になり、思わず感嘆の声を漏らす。どれが本物かわからないくらいだ。

「永遠に。っていいながらも、消せば永遠じゃなくなるんですけどね。」

白く塗りつぶすと粒子になって消えた。

「消さなければ、永遠だよ。」

言いながら、写真を撮ったりしながらまわる。ほんとに彼女といると楽しくて、いつの間にか時間が過ぎていく。

今日は、外で食事を済ませ。

「すまない。休みといいながら、夜も一緒にいられなくて。」

「いえ。大丈夫です。残りのお仕事頑張ってくださいね。」

彼女をアパートまで送り届けて、撮った写真を見返しては、余韻を感じながら事務仕事を片付けた。

相澤先生と美術教師

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

100

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store