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こと🎀🌌
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雫玖
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**美月ゆめか🌸** わああ第17話読み終えたよ〜!😭💕 まず、有一郎くんと柊依さんが同じ夢を見てるって設定がもうエモすぎる…!!過去の誰かの記憶とか、もしかして“継承”みたいなものなのかな…って想像しただけでドキドキが止まらんかった😳 特に、炭治郎の耳飾りと男の子の耳飾りが似てるって気づいたシーン、めっちゃ鳥肌立った!! 「そういうことか!!」って一人で興奮しちゃったよ笑 最後の喫茶店デート(?)の甘さも良き…🍰2人だけの秘密っていうのがまた尊いね。次回どうなるのか気になって仕方ない!!続き楽しみにしてるね〜🌸
夢
・・・・・・・・・・
“兄上の夢は、この国で1番強い侍になることですか?”
“俺も兄上のようになりたいです”
“俺はこの国で2番目に強い侍になります”
誰だ?粗末な着物を纏った男の子が顔を綻ばせて笑う。
額には痣。どこかで見たことがある。
花札のような耳飾りも、俺は知っている。
“打ち込んでくる前に肺が大きく動く。骨の向きや筋肉の収縮、血の流れをよく見ればいい”
男の子が俯きながら口にする、不可解な言葉。でも俺はどこかで似たような話を聞いたことがある気がする。
“いただいたこの笛を兄上だと思い、どれだけ離れていても挫けず日々精進致します”
小さな笛を大事そうに布にくるんで微笑む耳飾りの男の子。深々と“誰か”に向かって頭を下げて、殆ど荷物も持たないで、てくてくとどこかへ行ってしまった。
“ならば鬼になれば良いではないか”
“鬼となれば無限の刻(とき)を生きられる”
今度は誰だ?火山から噴き出す溶岩のように暴力的な生命力に満ち溢れた男。
瞳は紅梅色。瞳孔は獣のように縦に細長い。喋る際に見え隠れする牙も、手の爪も鋭く尖っている。
赤い月が不気味に辺りを照らす。
“お労しや、兄上……”
真っ白な髪のお爺さんが、酷く嗄れた声でそう言い涙を流した。
この人は誰?額の痣はあの男の子と同じ。でも耳飾りは着けていない。
お爺さんが刀を構えた。その瞬間、両肩に岩を乗せられたような威圧感で空気の重さが増した。構えには一分の隙もない。
“参る”
お爺さんから放たれた鮮やかな剣技。その老体で振るったとは思えない強さと威力。
ずっと感じていた、気味の悪さ、苛立ち、焦燥や劣等感、嫉妬心、敗北感。
“これ”は“誰”の感情?分からない。俺はこの人たちを知らない。
「…はぁっ、はあっ…!」
目が覚めると自室の天井が見えた。心臓がバクバク音を立てて、全身汗びっしょりだ。
さっきの夢は何だったんだろう?あの人たちは誰だったんだろう?考えても仕方がないけれど、ただの夢として流せない。
台所で水を飲んで自室に続く廊下を歩いていると、ちょうど部屋から出てきた柊依さんと鉢合わせた。
「柊依さん」
『あ、有一郎くん。どうしたの?眠れない?』
「ううん。寝てたんだけど変な夢見て起きたんだ。喉が乾いたから水飲んできたとこ」
『そう。……私も夢を見て目が覚めたの』
え、柊依さんも?
「俺も一緒に台所行っていい?」
『いいよ。もう1杯お水飲む?』
「うん」
2人で廊下を進み、台所へ。湯呑みに水を注いで、それを喉に流し込む。
ふーーー…っと珍しく柊依さんが細く長い溜め息をついた。
『…有一郎くんはどんな夢を見たの?』
「あのね、……」
俺はさっき見た夢の内容を話した。一つひとつの場面を鮮明に思い出せる。
すると話している途中から柊依さんが大きく目を見開いた。
鬼になればいい、と言った、溶岩のような生命力の男は、なんと鬼の始祖である鬼舞辻無惨本人だった。柊依さんの家族を皆殺しにした男。そいつと溶岩男の特徴がぴったりと重なったのだ。でも俺は鬼舞辻に直接会ったことはない。なのにどうして奴の容姿が夢に出てきたんだろう。
あれは本当に夢だったのか?それとも“誰か”の記憶?だとしたら一体誰の?
柊依さんの綺麗な顔が少し青ざめているように見えた。彼女は家族が殺された時の夢を見て目を覚ましたらしい。そんなの絶対寝覚め悪いよな……。
「…柊依さん、大丈夫?もう少し水飲む?」
『ん…、大丈夫よ。……そうね、もうちょっと飲もうかな』
柊依さんの湯呑みに水を注いで手渡す。ありがと、と笑ってくれた柊依さん。でも無理して笑っているように見えた。
こくん、こくん…、と小さく音を立てて白い喉が上下する。
2人で台所を後にして、また廊下を進みそれぞれの部屋に向かう。
おやすみなさい、と軽く抱擁して自室に戻った。
それから、時々あの夢を見るようになった。同じ内容、同じ登場人物、同じ光景。2度目までは偶然だと思っていた。でも3度目以降はもう単なる偶然だとは考えられない。
それを柊依さんに相談したら、夢の内容を帳面に書き留めてみるよう言われた。もしかしたら、同じ夢を何度も見るのは何かのサインかもしれないからって。その夢の内容に、これから先の戦いで役に立つようなことがあるかもしれないからって。
そして、俺はその夢を見た日、日中に何をしていたかも書き留めることにした。
日中の出来事を書くようにしたら、見返した時にヒノカミ神楽の練習をした日にその夢を見ていることが多いと気付いた。炭治郎に教わった神楽が戦いの鍵となるのだろうか。
『有一郎くん』
「あ、柊依さん」
道場の掃除をしている俺のところに柊依さんが話し掛けてきた。
『お掃除ありがとう。…ね、最近また“あの夢”を見たりする?』
「うん。時々ね。ヒノカミ神楽の練習をした日に見ることが多いって気付いたんだ」
『そう。……夢の内容を書いているの、見せてもらってもいいかしら?』
「いいよ。場面は色々切り替わったりしてるけど」
『ありがとう。それは全然構わないわ』
2人で道場の掃除の残りを終わらせて部屋に行く。
「はい、これだよ」
『ありがとう』
手渡した帳面を開く柊依さん。長い睫毛に縁取られた群青色の瞳が文字を追って動く。
『……ありがとう』
静かにそう言って、柊依さんが帳面をこちらに寄越した。彼女の額にはほんの少し汗が滲んでいた。
「柊依さん、どうかしたの?」
『…実はね。私も最近同じ夢を見るようになって。いま読ませてもらった有一郎くんの夢の内容とぴったり重なるの』
「えっ!?」
驚いた。同じ夢を2人が見ているなんて。
『私もヒノカミ神楽のお稽古をした日とか、任務でそれを使って戦った日に夢を見るの。不思議なこともあるものね…』
「そうなんだ……」
『ただ、夢の中の“誰”の目線なんだろう、って、それがすごく気になるのよね』
確かに。今の自分には覚えのない出来事ばかりだ。
『…この男の子』
柊依さんが再び帳面を開き、始めのほうの文章を指さした。
『この男の子が着けてた耳飾り、炭治郎くんのと同じものじゃない?』
「え?……あっ!」
どうして今まで気付かなかったんだろう。どこかで見たことあると思っていた花札のような耳飾りは、炭治郎が着けているものと同じ形と色だ。
「男の子の額にあった痣も炭治郎のと似てるよね」
『うん、私もそう思う。……ということは、この子がヒノカミ神楽を竈門家に伝えた人ってこと?』
顔を見合わせる柊依さんと俺。
『…あと、後半に出てくる老剣士。私の夢にも出てきたけど、額の痣も最初の男の子と同じ位置にあるし、もしかしてこの人が男の子の成長した姿で、“日の呼吸”の使い手だったりするのかしら…』
「だとしたら、ほんとにこの夢は“誰”の目線なんだろう?」
『分からないわね……。でも、2人とも同じ夢を見てるってことは、やっぱり何かしらのメッセージが隠れてると思うのよ』
「お告げ、みたいな?」
『うん』
柊依さんが静かに帳面を閉じた。
『このこと、お館様にも相談しようと思ったんだけど、まだ少し様子を見ようかな』
「どうして?」
『ん…、何となくね。内容は重複するだろうけど、私もこの夢を見たら文章にまとめておこうと思う』
「そっか。柊依さんのほうが詳しく上手に書けそう」
この夢の話は、まだ俺たち以外誰も知らない。隠の人たちも、無一郎も。
ヒノカミ神楽を教えてくれた炭治郎本人は俺たちと同じ夢を見ていたりするのだろうか。
『…ね、有一郎くん。ちょっと出掛けない?』
「えっ」
『気分転換に。どう?』
「でも俺、まだ仕事が……」
『それは私も同じ。ついでに買い出ししてくればいいのよ』
「そ、そっか……」
他の隠の人たちに一言断りを入れて柊依さんと出掛ける。
向かった先は、しばらく前に俺が怪我をして蝶屋敷での診察を終えてから2人で寄った、あの喫茶店だった。あの時と同じようにショーケースから好きなものを選び、一緒に注文した飲み物といただく。
「美味しい」
『うん、美味しいね』
顔を見合わせて笑う。
「なんでまたここに連れてきてくれたの?」
『言ったでしょ、気分転換だって。私も夢のことで結構頭使ってたから。甘いの食べて糖分補給したいなーって』
「そっか。…やっぱり甘いの食べると元気出るね」
『そうでしょ?』
「うん」
柊依さんがにっこり笑った。
初めて会ったあの夜も、彼女がくれたチョコレートで元気が出たのを思い出す。
美味しいケーキを食べて幸せな気持ち。その後は買い出しを済ませて、別の甘味屋で屋敷のみんなへのおみやげを買って帰宅した。
今日ケーキを食べに行ったことは、完全に俺と柊依さんだけの秘密らしい。もし誰かにバレたら?と聞いたら、“その時はその時よ。有一郎くんも同罪ね”と柊依さんがいたずらっ子のような顔で笑った。
続く