サンサンと俺を攻撃しようとしてくる太陽。それに伴い、温度が高い日
俺はそんな日に、2枚のチケットを渡された。渡してきたグルッペン曰く、「偶然当たったんだ、誰かと一緒にリフレッシュしてこい」ということだ。『二人』で行けということか。エミさんとトントン、相棒は書類やし、チーノ、ショッピ、ゾム、ロボロは任務。らんらんとオスマンは外交…あれ?だれか足りない気がする。そもそも多すぎやろ、幹部。なんでそんなにグルッペンはお人好しなんや。でも俺がここにいるのは全部グルッペンがしてくれた事やし、誰か一人が欠けてしまったらここは崩壊するだろう。やから憎めないし恨めない。別に悲しいことなんて最初の時に全部背負ったわ、もう吹き飛んだんやけどなぁww
流石にみんなを無理矢理連れていくのは流石に心が痛むし…っておいお前!心無いから思わんやろおもたな!?トントンに粛清してもらおかおおん!?…誰に話しかけてるんや俺。
よく俺とロボロは心無い組とか言われるけど、全然心あるで?そりゃ人間やからなぁ!相当ないじめとかないと壊れへんやろ!そう言う時は大人とかに相談した方が手っ取り早いで、俺そう言うの苦手やけど。大体優しいトントンとか、エミさん、らんらんとか、機嫌が良い時のチーノ、オスマン…ゾムとか鬱は「長文聞くの嫌やし、めんどう事に巻き込まれたくない」と拒否するだろう。鬱の場合は女かで結構変わると思うけどな!いいぞ、もっと尖ってけぇ!
ドンッ、体と体がぶつかった音がなった。「うぐふぇっ」「おわっ!?」どうやらシャベルが相棒で、煽りが大好きな黄色のシャオロンだったようだ。ほんま考え事してる時前方見えんくなるの、直した方がええな。
そうやそうや!シャオロン忘れてたわ、いやぁ失敬失敬!ということで、シャオロンを誘ってみる。はいと言ったら吉、いいえといったら凶。さて、凶と出るか吉と出るか?
「なぁな、シャオロン!ここ行かへん?」「おー?」
俺がポケットから出したチケットに、シャオロンは目を向ける。「水族館…?」「おう!水族館や!生き物たくさんおるで!」W国のすごく近いところにあるS国の、一番大きい水族館。そこには200種類以上の生き物がたくさん。アザラシ、イルカ、エミさんが好きなペンギン、シャチ…とにかく多くいる人気の水族館。とエミさんから聞いた。ほんま博識やな!イキっとるで!
「俺も知っとるでシッマ…」さすがに無知やないて、と付け足したシャオロンは、俺から一枚チケットを奪い取った。「いいぜ、行こうや!その代わりぬいぐるみとかの金はお前奢りな!ごち!」と太陽のように笑う彼は絵になっていた。…っておい!!自然に言ってて気づかんかったけど俺が奢ることになってんじゃねぇか!…ったく。まぁ誘ったん俺やしええけど。
そうなったらあとはすいすい事が進んだ。トントンに外出届を届に行った時、「気をつけてな、絶対一般人に手ぇ出しちゃあかんで!絶対やぞ!」圧をかけて警告してきた。そんなに信頼ないか?俺ら。準備を済ませ、俺らは外に出た。
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外の暑い空気とは一変、冷房が効いた肌寒く、ライトが青っぽくなっている、水族館。しかも人がまっったくいない、貸切のようだ。
「おぇ、寒い…」「お前寒がりやないやろ、長袖やん。俺なんか半袖半ズボンやで年中」「ちゃうちゃう、暑いところから一気にさむなったらびっくりするやろ…」「確かにそうやな」
はぁ…とため息をつくシャオロン。少しの沈黙が続き、それを破ったのは彼だった
「しっかし人がおらんなぁ、貸切状態やん」「貸切やけどな」
廊下に敷かれたカーペットを歩きながらきょろきょろと見回す。敵がいないことを確認した俺は、ほっと胸を撫で下ろした。「癖でとるでぇシッマ!流石に敵はおらんて!…多分」しまった、いっつも前線やから癖でとったわ。敵が出てきたらその時でええか!と呑気に考えているのはシャオロン、彼も同じだろう。「見てやシッマ!こいつ寝とるで?」考えている間に移動していたのか、興奮してガラスに顔を近づけている。今ゾムやトントンに見られていたら「ほんまガキやなぁ」と言われてしまうほどに興奮している自称人気者。
「こいつの名前は…ハナタカザ…コ?聞いたことあらへんなぁ」「なんやそれ?エミさんに帰ったら聞いてみようや!」「そやな!帰りに土産かってこうぜ!」「ここって店員おるん?」「流石におるやろ」ほんまかな…と疑ったが、大体彼は正直なので信じてみるとしよう。
チュラウミゴカクヒトデにエイ、クラゲ…いろいろなところを見て、見て、見まくる。わからないことは全部エミさんに丸投げというガバガバな狂犬達。いつもの冷酷で冷静なコネシマは大声で笑い観察して、いつも元気で陽気なシャオロンは静かにたまに雑談をしながら次々とみていった。
「なぁシッマ」「なんや」
チクタクと無機質な音が聞こえるほどの静かさ。
「俺、今楽しいで」
まさかの発言に、「は?」と声を発してしまった。
「俺、今シッマと話して見て聞いて楽しいで。いっつも内ゲバとかしててうるさい時あるけど、こんな静かなところにいるって、久々やん。やから、俺らの声がはっきり聞こえて、見える。お前心ない言われとるけど、ほんまはあるで、俺が保証する」
いつもの元気な時とは真逆に、イケメンな事を言ったシャオロンは「じゃ、俺あっち見てくるな」と去ってしまった。なぜだろう、今の言葉に、「嬉しみ」を感じてしまったのは。
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ベンチに座り休憩中、なんとなくスマホを見てみたら5件のメールと1件の電話。すべて書記長からだ。5個に分けられた通知をタップしてみると「門限すぎとるぞ」や「帰ってこい」、「もう少ししたらゾム向かわせるで」…みただけで今まで興奮していた脳が急に冷えた。早く帰らへんと粛清される。「おいシャオロン!…ってあ!?あいつどこ行った!?」大変な時にいない、そうだ彼はそう言うやつだ。しかもどこにいるかもわからん!俺方向音痴やねん!「くっそ!!めんどくせぇ!!」
★☆★☆★
198円、200円、150円。数字が書かれた値札を次々とみて回る。「うーん…トントンはシャチで、グルッペンはイルカ…エミさんは確定でペンギン、ゾムにはサメ、シッマにはメンダコ。」シッマから渡された3000円。これをどう使うかで結構変わる。フックからぬいぐるみとキーホルダーを取って、カゴに入れる。みんなの好きな生き物を取って、入れる。「こんくらいでええやろ。会計会計〜」店員がおらんレジに立って、バーコードを読み取る機械にぬいぐるみの札を当てる。ピッピッと読み込みましたと合図の音は、なんとなく苦手だ。なぜだろう。
「最近はセルフレジ増えてきてるもんなぁ、時代って怖いけど便利やな」袋にぬいぐるみを入れてショップを出ると、ストライプ柄の服を着た金髪の男、コネシマがこっちに向かってはしってきた。「お、シッマ!置いてってすまんn「早よ帰るでシャオロン!!」唐突に言われた大声に俺の声がかき消される。帰る?まだ余裕じゃないか?とクエスチョンマークを浮かべている俺に、コネシマはスマホを突きつけてきた。そこには19時ピッタリのテロップと、トントンの怒涛のメール5件。ということは…粛清!?「門限!ゾム!こっち!帰るぞ!!」ぼーっとみていたところをシッマが現実に戻してきた。「シッマ!急いで帰るぞ!!」「おう!」
俺は袋を抱えながらシッマと走った。
★☆★☆★☆
「はぁ…」俺らが帰ってきた時に真っ先にいたのは、現在怒り中のトントン。その後はずるずると執務室に連れてかれて説教&粛清。俺は縮みながら袋をぎゅっと抱きしめた。
「おい、それなんや」トントンがこちらに目を向けて指を刺す。袋だ。俺がみんなに選別して買った(シッマの金で)ぬいぐるみが入った袋をトントンは乱暴に取り上げ、中身を見て目を丸めた。
「シャチにサメ、ペンギンにめんだこ?」「そうやで、俺が選んで買ったんや。シャチはとんとん、サメはゾム、ペンギンはエミさん…どう?気に入ってくれた?」ちらちらと目線をとんとんに向けると、顔が緩んだ気がしたトントンがこっちを見た。「今回はぬいぐるみに銘じて許してやる、けどまたやったら逆さ吊りやからな!」「「ひぇ」」
後日、幹部のほとんどがぬいぐるみを抱きしめて寝ていたと言う目撃情報があった。
あとがき
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いちおう表紙
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