気持ち悪い。何もかも手に付けられない。食べたものは全て逆流してトイレで吐き続けて。生きている心地がしない。足もフラフラして倒れそうだ。
「類っ、大丈夫なの?」
母さんに心配させたくない。頑張ってくれてるのに。
🎈「う、うん…大丈夫…だよ、」
「本当に…?」
声を出すことすらきつくて。学校を休みたい。でも休んでしまえば天馬に何が起こるか分からないから。
フラフラする足で無理やり玄関を開けた。
今日で丁度1ヶ月だろうか。奴…寺田くんが来てから。前の学校でSub性を利用して奴隷として扱われていた。金持ちなこともあり誰も抵抗できない。それにDomとしても上の方でGlareも凄まじかった。奴からは死まで追い込まれやっとの思いで逃げ出したというのに。
🤖「類ッッ、大丈夫なのッッ!?!?」
朝廊下を歩いている時に急に話しかけられた。避けてたはずなのに。もう気を配る気力すらなかった。
🌟「先輩ッッッッ!!」
まずい。どこで見られているか分からない。初めの方があまりにも避けることが出来ずに何度か話したことがある。それを見られていたと知らずに。意味がわからない。奴は他校生だというのに。
四方八方塞がりで逃げ道がない。立っているのでやっとなのに、。
🌟「な、何があったんですかッッ!そんなに痩せてしまってッッ。それに話ですらッッ、」
🎈「……さい、」
🌟「え?」
🎈「うるさいって言ってるんだッッッッ、」
廊下がしーんとする。声がやけに響いて聞こえてくる。
🎈「もう…関わらないでくれッッッッ」
🤖「る…い、??」
2人の驚いた顔を見ると胸の辺りが傷んでいく。これで良かったんだ。苦しむのは僕だけで良い。
🎈「はぁッッ、はぁッッ、お願い…だから」
胸が痛い。はち切れそうで。
🤖「……ッッ、」
🌟「……分かりました」
🎈「え、?」
🌟「関わって欲しくないんなら関わりません。」
🤖「ちょっとッッ、司ッッ。アンタ何言ってッッ。」
🌟「こんなに嫌がってるんだったら無理に関わる必要はないだろ。」
🤖「ッッ、」
🌟「寧々、行くぞ」
あ、あ、。
🎈「ま…っ」
🌟「…最低です、」
🎈「ッッッッッッッッ、」
天馬くんは寧々の手を引いて教室に戻って行った。僕は1人ポツンと立ち尽くしていた。
「はははは、ほんとに面白いね」
何度も殴られサウンドバック状態。身体中痣だらけだし、血で濡れている。
“最低です”
🎈「う”ぅ”ッッ、」
「あれ?今日は吐くの早いね」
あの時の天馬くんの顔は泣いていた。目元は赤くなって必死に我慢してるように見えた。
「あっははは笑」
大切な人を失った。唯一の救いでさえも。泣かせて、身勝手に手放してしまった。
「今度は何しよっかなぁ」
だけど、これでいいんだ。誰も傷つかずに笑ってられる。誰かが笑えるんだったら僕はそれで構わない。
「ねぇ、首の痕残ってる??」
🎈「かひゅッッ、」
喉から変な音がする。僕が1番嫌いなこと。
「確か嫌いだったよね。首絞められるの。」
身動きが取れない。馬乗りになられて、太い縄が首へと近づいていく。
「そんなに震えなくても大丈夫だって。死なない程度にするからさ」
僕は全力で首を横に振った。結局その願いが届くことなんてなかったけど。首が圧迫されていく。
🎈「あ”ッッ、か”ッッ、」
「ねぇ?苦しい??」
息が。息が。呼吸が出来ずに酸素が止まってく。口が自然とパクパクして。唾液が垂れていく。
「あぁ、これだ、これ。やっぱりお前でなきゃ満足できない♡」
🎈「あ”、く”る”し”ッッ、」
最初まで手で抵抗してたものの、段々と手の言うことが聞かずに脱力する。
あ…、このまま死ぬんだ、。
「なーに、気を失ってんの」
🎈「い”“ッッッッッッ、」
頬を思いっきり殴られ、首の縄が緩んだ。急に入ってきた酸素に嗚咽が走る。
🎈「げ”ほ”ッッ、げ”ぼ”ッッ、」
「へばってないでもう1回♡」
このまま、死ぬことが出来たのなら、。
「は、もうこんな時間か」
🎈「は”ぁ”ぁ”、は”ぁ”ぁ”、」
喉が焼けきれるように痛い。呼吸をしたくない。あれから何時間経ったか分からない。気を失っては殴られ、首を絞められての繰り返し。首にはくっきりと痕が残っていた。
「じゃーね、今度は来週になるのか。」
そう言い、教室から出ていった。僕は丸まっていることしか出来ない。体そこかしこが痛くて。呼吸するのがやっとで。
🎈「た…す……け…て、」
あんなことしたことに今更ながら後悔する。2人は僕を助けようとしてくれたのに。
🎈「こわ…い……よ……」
涙が止まらない。傷口に染みていく。
…はやく、、かえらなきゃ、、
コメント
1件