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私はVIPルームに次々と持って来られるドレスを試着しなくてはならなかった。
「おい、何だこのドレスは?」
レイゼン様がお怒りのご様相で店主に言った。
「は?
何とおっしゃられましても…
最高級のディオンのドレスで御座いますが…」
店主は困ったようにそう言った。
そのドレスは背中が大きく開いていた。
「彼女の肌が見えすぎている。
彼女は娼婦では無いのだぞ?
その腕斬り落とされたいか?」
冷徹なまでに凄むレイゼン様を、私は慌てて止めに入った。
店主は口も聞けずに、固まっている。
「レイゼン様!
他のドレスを着てみますので!
お怒りをおおさめ下さい…!」
私は手を組んでお願いする。
「あぁ…
悪かった…
大切な人なので、ついカッとなった。
許せ、店主よ。
しかし、あぁ…
君の美しさはどんなドレスも覆い隠す事は出来ない。」
レイゼン様は私の頬に手を添えて熱っぽくそうおっしゃった。
そうだろうか…?
冷静に考えれば、私の容姿に関しては普通だと思う。
いや、確かに美しいと呼ばれる部類には入るかもしれない。
だが、絶世の、というほどでは無い。
レイゼン様はまるで、世界一の美女のように私を扱うのだ。
変な人…
その頃はそれくらいにしか思って居なかった。
私は腕や背中胸元をレースで覆われたフリルのお姫様ドレスを選び、レイゼン様も納得された。
「美しい。」
私の耳元で囁くレイゼン様。
「いえ、普通かと…」
「いいや、君の美しさはどんな日の夕日にも変えがたいだろう。」
そんな詩的なセリフでキザに褒められたので、赤面しながら呆れてしまった。