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ほのぼのです(腐や🔞表現無いです)
☀️「えっ…」
晴明は不運だった。
💉「あ!あべせんせ〜!」
なぜなら、晴明の目の前には聞き手に毒々しい色の注射器を持った、小さいたかはし明がいるからだった。
今から数分前に巻き戻る。
たかはし明は保健室で一人孤独と闘っていた。
今日は生憎体育がないのか、怪我人として運ばれてくる生徒は全く来ず、やることといえば保健室の棚の整理ぐらいだけだった。
人は一人ぼっちだと途端に何かしでかす人がいる。明もそれに当てはまっていた。
彼はついこの間安倍晴明、神酒凜太郎、秦中飯綱、恵比寿夷三郎があんちえーじんぐの薬によって幼児化したことを思いだした。
💉(そういや幼児化の薬って作ったことなかったな〜)
彼が作る薬品は基本彼の職業である医者の仕事の中で使われることを想定されているため、幼児化などのお楽しみとして作ることはあまりなかった。
思い立ったら吉日という言葉があるように、勢いよく席を立つとせっかく片付けた道具を取り出して、薬品の調合を始めた。
💉「完成〜!あんちえーじんぐ!」
注射器に入ってる薬品は毒々しい緑をしていた。
💉「一応2種類作ったけど……誰かに…。いや先に僕に打つか」
💉「せっかく僕が作ったもんね〜」
自分自身に注射器を打ち込む姿はどこかで聞いた薬物中毒者のその光景に等しかった。
まあ、彼の性格を考慮したらそれ以上となるだろうが。
注射器の中の液体が身体の中に入っていくことがわかるとどんどんと身体の力がなくなっていき、気付くと身体が縮んでいた。
💉「_____って感じです」
☀️「僕だだ、絆創膏取りに来ただけなのに…」
💉「待ってね、今取るから」
小さな手足を頑張って動かし、棚のほうまでよる。
子供の姿は頭の割合が多く、そのためバランスが取りにくい。そのため、ゆっくりと歩いていく。
💉「………?」
いきなり身体が軽くなった。
安倍先生に持ち上げられていたのだった。
安倍先生は僕を棚から離すと、ゆっくりと床に降ろした。
☀️「記憶があったとしても今は子供の姿なので危険ですよ!!」
☀️「僕が取るので絆創膏の場所教えてください」
知識がない人に触らさせるのもどうかと思うが、安倍先生の理由はごもっともなため、素直に絆創膏がある棚の場所を言う。
☀️「っよし」
絆創膏が見つかるとそこから3枚ぐらい取り出して、棚の扉を閉めた。
☀️「じゃあ、職員室行きましょ」
ヒョイと軽々と明を持ち上げると、持ち前の運動神経で廊下を駆けていった。
🍶「_____で、連れてきたと…」
絆創膏を晴明に取りに行かせた犯人である凜太郎は今日も仕事をサボっていた。
🍶「ほぇ〜、ちっこくなってはるなぁ〜。ツンツン」
💉「しょうでしゅよ?ツンツン」
晴明の腕に抱かれた明の頬をツンツンしながら凜太郎も乱入してきた。
🍶「記憶はあるんやね」
💉「心まで子供になる方も作りはしたよ」
🍶「打つんやったら僕やなくて、2人に打ちぃや」
☀️「ちょっと凜太郎くん!?」
🍶「冗談やん。あんま真に受けんとって〜」
☀️「結構本気で言ってそうだったけど…」
🍶「それよりも飯綱くんはそこでなにしてはるん?」
凜太郎の視線の先には、教員机の陰に小さく縮こまり隠れている秦中の姿があった。
顔は見えないものも、赤色のマフラーが情けなく見えていて、それが一目で秦中と言うことがわかった。
☀️「飯綱くん。たかはし先生だけど子供だよ?」
☀️「ほら」
💉「???」
🍶「そうやで〜。飯綱くん、子供好きやんなぁ?」
🧣「たかはしだけは本当に無理。絶対ヤダ。ヤダヤダ」
幼い子供のように駄々をこねている秦中は、実際に子供の姿である明と似通ったりだった。
🎭️「_____ちょっと。騒がしいと思ったら何が起こったんですか?」
背後から声がしたかと思うと、目の前には学園長がたたずんでいた。
仮面越しであるため表情を確認することはできないかったが、声色から困惑している様子がうかがえる。
斯々然々と今回何度目かわからない説明をすると。
眉間があるであろう場所を教え、立っているのが不思議なぐらい体を左右に揺らしていた。
🎭️「はぁ…君にも困ったものですね…」
💉「ありがとうございます?」
🎭️「褒めてませんよ」
わかりやすく大きなため息をしたが、明には伝わらず少々殴りたくなった学園長であった。
だが、中身はそのままではあれど姿は子供。子供を殴るのはいささか気が引けるのでなんとかその衝動を抑え込んだ。
それからというものどうやら明によると「1日で効果が切れる」らしい。
そのため、下校時刻になり山崎や歌川に受け取られるまで秦中をはじめとした教師、生徒がいけに_____遊び相手となっていた。
💉「いや〜、楽しかったなぁ〜」
明は生徒をはじめとした色々な人からもらったお菓子やプレゼントを両腕で掴んでいた。
🤕「楽しかったじゃないよ!!迷惑かけちゃ駄目でしょ!?」
💉「は〜い。山崎く〜ん」
🤕「絶対反省してない…」
そしてそのまま山崎さんの腕に抱えられたまま、山崎。明。歌川の三人で仲良く帰っていった。
次の日。早朝から電話のコール音が部屋中に鳴り響き、学園長は目が覚める。
🎭️「んだよ、朝っぱらから…」
そういいながらまだ半開きの目で見たスマホの画面には「山崎君」と書かれており、電話の主が彼であることがわかった。
🎭️(珍しい…)
そう思ったのは2つの意味でだ。
一つ目はそもそも彼から連絡をもらうこと自体が稀であるということ。
二つ目は彼は知り合いの妖怪の中でひときわ聖人であり、常識人であるため、こんな早朝に電話するような常識知らずではないということだった。
そのため、ただならぬ異常事態があったのだろうと学園長は察した。
🎭️「_____もしもし。どうかされましたか?」
🤕『_____っすいません学園長先生。こんな朝早くに…』
電話越しで聞こえた彼の声は酷く焦っていることがとてもわかる。
🎭️「………明くんに何かありましたか?」
昨日の今日である。何か関係があると踏んだ。
🤕『_____っはい。』
🤕『_____たかはし君が子供になってしまって』
🎭️「それは薬の効果が切れなかったということですか?」
普通そう考えるかもしれないし、実際そういった。
_____でも、何か引かかった。
山崎君は昨日、明君が子供になったことを知っているし、その目で見ている。
なのに『子供になったと』初めて見たような表現をした。
🤕『いや、そうでは無くて』
🤕『どうやら昨日作った2つあんちえーじんぐの内の一つで精神まで子供になってしまって…_____』
🎭️「………」
そう言われ、私は開いた口が塞がらなかった。
〜後編続く〜