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『あー…俺は良いよ、俺下戸だから』
初めて知った事実に、私とロシアさんは目を見開かせた。
ある日の会社帰り、アメリカさんとロシアさんに飲みに行かないかと誘われた。
私は暫し考えた後、まあ偶には良いかと思い、2人と一緒にある居酒屋に入った。
席に座り、まず飲み物を選ぶ事にした。
ロシアさんはビール、私はカクテルを頼み、アメリカさんはオレンジジュースだった。
『いやいや、お前本当に飲めないのか?』
『だから言ったじゃん、俺下戸だって、ちょっと呑んだらもう顔真っ赤になるんだよ』
『意外ですねぇ…』
私は届いたカクテルを呑みながら呟く。
私もあまりお酒には強くないし滅多に呑もうとしない方ですが、1番呑んでいそうなアメリカさんが呑まないなんて。
『あー…恥じぃ…』
アメリカさんは煙草は吸えるのになと恥ずかしさを隠すように笑い、オレンジジュースを口にする。
その様子が子供のようで可愛いく見えた。
『じゃあちょっと呑んでみろ』
ふとロシアさんがとんでも発言を口にした。
『お前…マジ言ってんのかよ?』
アメリカさんは嫌そうな顔をする。
まあそうなるのも仕方ない。あれほど下戸だと言っているのに何故そう言えたのか。
良いから良いから、ちょっとで良い、お前がどうなるか見てみたいんだよ
『待っ…待てロシッ…』
ロシアさんは制止しようと拒むアメリカさんにグイッと自身の呑んでいたビールを口に流し込んだ。
『アッ、アメリカさん!』
『うっ…気持ち悪りぃ…』
するとアメリカさんはすぐ顔を赤くし、顔を歪め、バタンっと倒れてしまった。
『アメリカさぁぁぁん!』
『…お前本当に呑めないんだな、意外だ』
『だからあれ程言っただろが!!』
翌日、アメリカさんは二日酔いに遭い、ロシアさんが謝罪をしに行ったと耳にした。
end