目の前には小さな子狼がいた。それを見ながら、怜さん、鬼酒さん、誰かさんはとても青ざめていた
この人誰だろ…そう思い本をパラパラとめくったそしたら意外と早く見つかった
ルシファー・ガゼル 生存〇
性別:男
能力:超視力
性格:疑うことを知らない
過去:不明
他にも色々書いてあった
怜「狐!主様に何をした!!」
いつものは違う荒い口調で怜さんが問い詰めたいつもとの違いで怯えているのか狐仙さんは声が震えていた
狐仙「鈴音に貰った子供に戻る薬を入れた」
苦笑いをしながら答えていた
鬼酒「鈴音…この薬の成分と効果、後この時の記憶は残るのかを教えろ」
鬼酒さんは冷たく狐仙さんを睨みながら鈴音さんにそう問うた
鈴音「この薬は若返り草と忘れ草を使って作りました。効果は幼い頃に戻る。ただそれだけです。記憶は忘れ草で消えると思います。」
おろおろしていた僕を見て鈴音さんは「怯える必要は無い」と言うように僕の頭を軽くくしゃくしゃと撫でそう説明した。僕は少し安心した
ガゼル「優夜…大丈夫か?」
僕が鬼酒さん達に気を取られていた間、ずっとルシファーさんが優夜さんの世話をしていたらしい。とても焦っていた
「ルシファーさん…なぜそんなに焦っていらっしゃるのですか? 」
僕は気になりそう問うた。すると少しの間の後答えてくれた
ルシファー「俺は失明しているんだ。能力のおかげで少しは見えるが…その世界はとてもぼやけているんだよ…だから皆が今どのような顔をしているか…自分がどのような姿なのかもよく分からない。」
悲しそうにそう言っていた少し躊躇っていたが続けた
ルシファー「俺は小さい頃優夜と約束したんだ…“俺が一生優夜を守る”ってな…そんな約束をしても未来は変わらない。現に俺は目がほぼ見えないのと同じ。こんな状態でどうやって優夜を守れば良いんだろうな」
僕は今とても反省している。人によって言われて嫌なことは違う。それを見を持って体験した。ルシファーさんはこの話にはあまり気が乗らなかったらしい。今にも泣き出しそうな表情で話していた。
「ルシファーさん!僕は貴方が優夜さんを守れていないとは思えません。いつも側にいて優夜さんをサポートしているじゃないですか!だから自分がダメなやつ見たいたな言い方は辞めてください」
僕ははっきりそう言った口論をしていた鬼酒さん達もこっちを驚いたように見た
鈴音「そもそも…何で館主が狼化した“だけ”でそんなに慌てているんですか」
その言葉を聞いて空気が一気に凍った。鬼酒さんは一気に感情が爆発したらしい怒りながら泣いていた
鬼酒「鈴音!お前は優夜の過去を知らないからそんなに呑気で居られるんだろうな!優夜は…丁度この時期にこんな小さな時に!とても辛いことにあったんだ!お前は分からないだろうがな」
僕はあんなに笑顔な優夜さんが過去に大変な事があったとはとても思え無かった
怜「普段なら言い過ぎだと注意する所なんでしょうが…俺も鬼酒と同じことを考えていました…なので俺からは何も言いません」
怜さんまで言うなら余程の事なのだろう僕は何があったのか想像すると胸が苦しくなった
これはある夏の晴れた日の出来事…優夜の思い出。
“こんな事になるなら彼奴とは会いたくなかった”
あの時の僕はただの狼だった。これまでもこれからも狼でいたかった
優夜「瑠々〜!今日がしけん?だよね!」
瑠々「そうだね〜しけんって何するんだろ」
優夜「さーねー僕わかんない」
そんな話をしながら村長の前に行った
村長「優夜、瑠々よく来た。2人には今日試験をしてもらう。まずはこれを飲め」
そう言われて謎の黒い液体を飲まされた
優夜「美味しくないなぁ…」
村長「優夜こっちにおいで…あの怪物が見えるかい」
村長が指を指した方には大きな黒い怪物が居た。あれを倒したら試験に合格だと言っていた
優夜「雷いっけー!」
僕はあの時村長の言う事を全てやった。他人なんか信じたって意味が無い。でも親友を殺したのは紛れもないこの僕だ。
優夜「なん、で?ね、ねぇ!瑠々!」
いくら呼んでも戻っては来ない。瑠々は死んだ
村長「優夜…君は試験に合格し人間の姿を手に入れたその姿を使い人間界を破壊してこい」
と言っていた。僕は怒りが抑えられなかった。気が付けば村丸ごと燃やしていた。僕は村を燃やした罪悪感はなくただただ何のために僕は、生まれてきたの?なんで?僕が居なければ瑠々は生きていたの?という事をひたすら考えていた。
優夜「瑠々、瑠々、なんで僕は他人を信じちゃったんだろ…ごめんね…僕、これからどうすれば良いんだろ」
友達も家も家族も全て無くした僕は途方に暮れ、森をさまよっていた。僕のヒーローは居るのだろうか…いや、居ない。僕を大切にしてくれる人なんでもう居ない。そんな事を考えていた。幸い僕は頭がそれなりに良かったので食料だけなら確保出来ていた。だが、一人で食べるご飯は全く美味しくなかった。
優夜「食料、集めたくない…このまま死ねないかな」
僕に生きる希望は無かった。人間の姿になっていた僕は自分の手を切り落とした。が、直ぐに再生した
優夜「なんで、なんでだよ…なんで僕だけ死んじゃダメなんだよ…なんで、なんで、」
そんな日々が何日も続き精神が崩壊しかけていた。そんな時に僕のヒーロー“達”が現れた
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