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どうも皆さんゆっぴーです!
今回は、恋のクラゲと六月の君の第四話書きました。
クラゲの水槽を離れて、きみと並んで歩いた。
横にいるのに、少しだけ遠い。
その距離が、今のぼくたちの関係と同じだった。
「……さっきの“気づいてくれない”って、誰のこと?」
ぼくがそう聞くと、きみはちょっとだけ笑った。
「それ、今ここで答えたらつまんないじゃん」
「……ドラマかよ」
「うん、これは水族館ラブストーリーだから」
笑いながら、きみはタツノオトシゴの水槽に顔を近づける。
その背中を見ながら、ぼくの心はずっとざわざわしていた。
“ぼく”じゃなかったら、どうしよう。
誰か他のやつの話だったら、どうしたらいい。
「ねえ」
きみのほうから、ぽつりと声が落ちた。
「この前、あんたが“好きな人いる?”って聞いたでしょ」
「うん」
「じゃあ、あんたは? 好きな人、いるの?」
——その瞬間、ぼくの呼吸が止まった。
いるよ。目の前に。ずっと前から、たぶん。
でも、答えようとしたとき、スマホが震えた。
ディスプレイに表示された名前を見て、きみが眉を動かす。
「……誰?」
そのとき、ぼくは気づいた。
きみの声が、ほんの少しだけ、嫉妬していた。
──つづく。
終わりでーす。
どうでしたか?第十一話くらいまでかな。
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