お見合いから一年半
色々なことがあったけど、どれもいい思い出だった
今は友達と週一で遊ぶようになった
「えー!ないちゃんキスしたことないの!?」
「う、うん」
「…手繋ぎ、ぐらいかな」
「まろちゃんとキスしたいとか思わんの?」
「んー、どうだろう」
「でも不思議やな、あのまろちゃんが手出してないなんて」
「ほんとそれ、いつもならすぐ彼女に手出してたのに」
「ほんまに好きなんやな、ないちゃんのこと」
「…彼女?」
「あー、元カノいたの知らんかったん?」
「なんか、ごめんな」
「…う、ううん..大丈夫」
いむと初兎ちゃんが帰った後も胸の奥は少しざわついたままだった。
(……元カノ)
今まで考えたこともなかった。
まろに「過去」があることを、 知ってはいたはずなのに、ちゃんと向き合ったことがなかった。
夕飯の準備をしているまろの背中を、
ないこはしばらく黙って見つめていた。
「…まろ」
「ん?」
聞いていいのか、
聞いてしまっていいのか。
「今日、いむ達と話してて」
「……元カノ、いたって」
まろは驚いた様子もなく、
「あぁ」と短く頷いた。
「おったで。前に、な」
「…嫌やった?」
胸の奥が、ちくっとする。
この感情が何なのか、
わからないふりはできなかった。
「……ちょっとだけ、嫌だった」
言ってしまった瞬間、
顔が熱くなって、視線を落とす。
(……何言ってるんだろう)
「そっか」
それだけ言って、
ないこの前に立つ。
距離が近い。
「言うとくけどな」
「ないこが初めてやで。
こんだけ大事にしたいって思ったん」
「大事に、されてるって」
わかっているつもりだった。
でも、こうして言葉にされると、
心が追いつかない。
「……まろ!」
名前を呼んだ瞬間、
まろの手が、ないこの頬に触れた。
「……キス、まだしたことなかったよな」
逃げ道のある問いかけ。
ないこは一瞬、息を止めて、
それから、ゆっくり頷いた。
「う、うん」
「いやだったら、突き飛ばしてええよ」
次の瞬間、
そっと、唇が触れる。
ほんの一瞬。
確かめるみたいな、優しいキス。
それだけなのに、
ないこの胸の奥で、何かが弾けた。
「……っ」
思わず、まろの服を掴んでしまう。
「はは、顔真っ赤やん」
「…っ、はじめてだもん」
「….そんな顔すんなや、もっとしたくなるやろ」
俺もそう思った、だからもう一度、今度はこっちからキスをした。
「…..ないこ、口開けてや」
「ん、わかった..」
「ぁ…う、はっ…は..ぁ」
息ができない、苦しい。けど、頭を抑えられてて離れることもできない。頭が混乱するほど俺には初めてのファーストキスだった
離れたあと、
目は少し潤んでいて、
顔ははっきり赤くなっていた。
「……顔、正直やな」
「……っ、ち、ちが……」
否定しようとして、
できなかった。
嬉しい。
恥ずかしい。
少し、独占したい。
全部が混ざって、
感情が隠せない。
「まろ、」
「もっと…」
それどころか、
胸の奥が、甘くて、苦しい。
「知ってる」
そう言われて、
ないこはとうとう、視線を逸らしきれなかった。
感情は、もう隠れてくれない。
一年半かけて、
やっと、ここまで来た。
フォロワー700人行きました!!ありがとうございます😭😭






