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どうせ手に入らないなら、いっそ酷く傷つけて
消えない跡をつけて
あの人にとって忘れられない存在になろうか
「舘さん、今日俺んち来ません?」
「いいよ。何か作ろうか?」
「マジ?!楽しみ♡」
楽屋で、皆のいる前でいちゃいちゃするんだから…
メンバー公認とはいえ、堂々とし過ぎ。
聞きたくなくても聞こえる、その甘ったるい会話何とかなんない?
「相変わらずお熱いようで!わら」
そんな2人を、ふっかさんが茶化しながらお先〜と楽屋を出て行った。
次々と楽屋を後にするメンバー。
気付けばいつも遅い例の2人とオレだけになっていた。
普段ならオレももう帰ってるとこだけど…
今日はなんだか動きが鈍くて、今だにダラダラと荷物をまとめていた。
居心地悪いし…早く帰りたいんだけど…
溜め息を吐いたとき、楽屋のドアが開いた。
「目黒さん、お待たせ。スケジュールの話なんだけど…」
マネージャーさんに呼ばれて、めめが楽屋を出て行った。
出て行く直前、舘さんに耳打ちしながらそこにキスしたのを、オレはうっかり見てしまった。
オレの視線に気付いたのか、耳を赤く染めたその人は、バツが悪そうに視線を泳がせた。
ほっぺまで赤くなっちゃってる…
かわいっ
あー、ダメだ。
こんなの見てらんない。
帰ろ…
「ラウール?」
視線を荷物に落としたとき、急に傍で声がして驚いて顔を上げた。
「!舘さんっ、え、何?」
「いや、大丈夫?何か、元気なさそうだから…」
珍しくまだ残ってるしと付け加えながら、座ってるオレの顔を覗き込む。
近…
めめがいつでもいちゃいちゃ絡むせいか、舘さん最近他のメンバーとの距離感までバグってるんだよね…
本人は気付いてないみたいで、めめはヤキモキしている。
そんなめめもそれが自分のせいだって気付いてないんだから、ホントにめんどくさい2人…
「…舘さん、キスしちゃうよ?」
「ぇえ?!あ、ごめん、近すぎた?」
ぱっと一歩下がって、ごめんねと言いながら眉を下げて笑う。
その顔が可愛くて、オレはよく困らせる発言をしている。
「…して、おけば良かった」
「?…何か言った?」
「んーん。別に」
「ねえ、ラウール?最近何か悩んでることでもある?」
「…何で?」
「よく、目黒を見てるから、何か相談したいことあるのかなと思って」
それ、めめじゃなくて舘さん見てんの。
2人でいる時でしょ、そのオレの視線。
「別に!そんな思い詰めた悩みなんてないよ。強いて言うなら、今日は何食べよっかなってことくらい」
「そうなの?」
「それに、めめを見てるんじゃなくて、舘さん見てるんだよ。美味しそうなもの思いつきそうだから」
「なにそれ笑」
オレ、普通に話せてるよね?
大丈夫。
「さってと、そろそろ帰ろっ!舘さんはめめ待つの?」
「いや、なんか長くなるみたいだから、もう帰るよ」
帰るって、自分ちじゃないでしょ
「あ、…ねえ、舘さん?ちょっとオレんち寄らない?」
「え?…いいけど。どうしたの、急に」
「んー?なんかちょっと、舘さんと2人で話したくなったの」
「何それ笑」
くしゃっと笑うその顔も好きだよ
なんの疑いもせず、快く誘いを受け入れるんだから、めめも気が気じゃないよね。
ヤキモキするのもよくわかる。
その人の良さは利用されることもあるって、そろそろ誰か教えてあげたほうがいいんじゃない…?