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注意事項
〇NLです。
〇モブ出てきます。
〇異世界漫画読んだ後の謎テンションで書き上げたので、謎しかないです。ごめんなさい。
〇オリキャラ出ます。
〇厨二病はいまだに治っておりません。
〇カップルがイチャイチャしてます。
〇本気で謎です。
以上の事を御理解の上、本作品をお楽しみ下さい。
あるパーティー会場に、英厳と西華が参加していた。
賑やかに、穏やかに、皆、本性を隠して参加している。
「英厳、私、少々お色直ししてきますね」
そっと西華が微笑見ながら、共にパーティーに参加している彼氏である英厳に声をかけた。
「いってらっしゃい。俺は、もう少しこの人の相手をしているから、気おつけるんだぞ」
普段の冷血漢の姿を知っていると、別人に見えるほど、優しい笑顔と声色で英厳は西華にそう言葉を返す。
そんな英厳に、西華は「えぇ」とだけ返して、会場を後にした。
化粧もし終え、西華は英厳の待っているパーティー会場へと戻る途中だ。
そんな時、一人の、いかにもモブそうな太った中年男性が西華に近付いてきた。
「お嬢さん、今一人?俺と一緒にあっちに行かない?」
そう、此奴は、ナンパ男だ。
西華は少し困ったように眉をひそめた。
それもそうだろう。蹴り飛ばして、気絶でもさせれば良いのだが、そんな事をしてしまえば折角のパーティーが台無しだ。
彼女の経験上、こういう輩は丁重にお断りてしも、雑に断っても、しつこくつきまとってくるのだ。
西華は考えた。「このまま英厳の所へさっさと行って、彼氏がいるのを見せ付ければ、この面倒くさい男も諦めるでしょう」と。
西華は苦笑いを浮かべ、軽く会釈して、その場を去ろうとしたのだが、今回は運が悪いらしい。ナンパ男に腕をつかまれてしまった。
西華は、余りの嫌悪感で顔を歪めた。
「逃げないでこっちに、」
ナンパ男が何か言いかけたところで、その男が西華を掴んでいる方の腕を誰かが強く掴んみ、ナンパ男が悲鳴を上げた。
すると、西華は、ナンパ男の腕を強く掴んだ人の手が西華の肩に置かれ、グッとその人の胸元に抱き寄せられた。
西華が驚いて顔を見上げると、西華を助けてくれたのは、英厳だった。
「俺の女になにか用か?」
西華の聴いた事の無いドスの効いた、氷のように冷たい声で英厳はナンパ男に向かってそう言葉を放つ。
「こ、氷の貴公子…!あ、あんたのもんだって知らなかったんだ」
ナンパ男は驚き、怯えている。
氷の貴公子や血の薔薇君、アイスローズ等というのは、どれも英厳を指す言葉だ。彼の冷たい性格や、完璧と言っても過言では無い程の作法、血のように紅い瞳、男性ですら惚れてしまう程整った容姿から付けられた異名だ。
「話すな、クズが。お前が居れば更に此処の空気が穢れる」
眉間にシワを寄せ、不快そうにナンパ男へと英厳は言葉を発したかと思うと、指をパチンと鳴らして衛兵を呼び寄せ、その男をパーティーの開催している屋敷から追い出した。
「西華、怖かっただろ。あの時一緒に行けば良かったな。すまん」
先ほどの冷酷な表情と声からは想像もつかないほど、優しくて、砂糖のように甘い声で英厳は西華に話しかける。
「謝らないで下さい。英厳が助けに来てくれたんです。それだけで嬉しいですよ」
そっと微笑み、愛おしそうに英厳を見つめながら、西華はそう言葉を返す。
そんな西華を何も言わず、英厳はそっと大切そうに抱きしめた。