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『おしまい』
「面白かったです!」
和華はそう言いながら拍手をしました。
「ですが、青木先輩は熟睡ですね」
風堂さんがため息を付きながらそう言いました。
「すまん、邪魔すると悪いと思ってな、今起こす」
そう言って、鈴木さんは立ち上がりました。
「起きろ、利久斗。・・・チッ、ふんっ」
又、鈴木さんは舌打ちをしてから青木さんの頭を殴りました。
「いっっったっ!和真、お前、雑なんだよ俺の扱いが!」
青木さんは飛び起きて、又怒り出しました。
こうして二人の喧嘩が起きて、風堂さんが呆れるという絵面が完成しました。
「もしかしたら、三人が心優しい人間なのかもですね」
和華はそう笑いながら言いました。
「「「無いでしょ」」」
その一言はぴったりと重なりました。
確かにそうかも知れません。でも、和華の。
「勘です!」
そんなこんなで、和華とパラオ様は日本兵さん達と仲良く暮らしていました。
ある日和華は、鈴木さん達三人にこの前作った押し花をあげることにしました。
「青木さん、締麗な青色のお花があったので、 押し花にしたんです。どうぞ」
「俺に?!うわ一嬉しい!ありがと一。大切にす るな」
青木さんはいつもの太陽のような笑顔で受け 取ってくれました。次は鈴木さんです!
「鈴木さん、締麗な赤色のお花を押し花にした んです。あげます」
「くれるのか、ありがとう。大切にするな」
鈴木さんは頭を撫でてくれました。最後に風 堂さんです!
「風堂さん、締麗な黄色のお花を押し花にした んです。受け取ってくれますか?」
「もちろん。ありがたく頂戴します」
風堂さんはいつも以上に嬉しそうな笑顔を見 せてくれました。三人とも自分の持っているロ
ケットペンダントの中に押し花を入れたみたい
です。
そんなとっても幸せな日々を過ごしていたある日、突然鈴木さんと、青木さん、風堂さん、御上さんに和華とパラオ様が呼ばれました。