神風たちはついに「存在抹消」と呼ばれる呪詛の王の最も恐ろしい幹部と対峙する。彼の術式は、自らの存在を消し去り、完全に姿を消して戦うというもの。彼が攻撃するとき、誰かの存在そのものを抹消し、その犠牲により自分を再び実体化する。
朱音、透、神風、百鬼は緊張した空気の中、構える。敵が見えない。しかし、空気が重くなり、敵の力を感じ取ることができる。
「誰も油断するな。奴がいつ、誰を消してもおかしくない。」透は仲間たちに警告するが、答えは静寂のみ。
神風は前に出る。「俺が囮になる。奴を引き出すまでに時間を稼ぐんだ。」そう言い残し、彼は存在抹消の攻撃に自ら飛び込んでいく。
神風は自分が犠牲になる覚悟で存在抹消を引き寄せる。「さあ、俺を消してみろよ!」彼は嘲笑しながら挑発するが、心の奥では不安と恐怖を抑えきれない。
存在抹消の術式が発動する。神風の体がゆっくりと薄れていき、彼の存在が次第に消え始める。その間、透たちは敵の居場所を探すが、何も見えない。
「耐えろ!もう少しだ!」百鬼が叫ぶが、その声が虚しく響く。
計画はうまくいかず、存在抹消の力はあまりにも強大だった。神風が消えた瞬間、百鬼も攻撃を受けて消え始める。彼の身体が一瞬で霧のように散り、存在を失う。
「くそ、こんな…馬鹿な…」百鬼は最後に短い言葉を残し、その存在は完全に消え去ってしまった。
「最強は俺だからな…」神風は薄れゆく意識の中で呟く。彼の身体もまた、完全に消え去り、存在は永遠に抹消された。
透と朱音はただ立ち尽くす。仲間たちが次々と消えていく中、彼らは一体何をすべきか分からなくなっていた。
「これが呪詛の王の真の力か…」朱音は拳を握りしめながら、仲間の死を受け入れられずにいた。「私たちは…負けたのか…?」
存在抹消は、再びその力を蓄え、姿を消して次の標的を狙う。透は焦りの中で、どうにかしてこの圧倒的な力に対抗しようと考えを巡らせるが、希望は薄い。
神風と百鬼の存在が完全に抹消され、白川は立ち尽くしていた。神風とはいつも口喧嘩をしながらも、お互いに認め合うライバルであった。だが、神風の存在が消えてしまった今、白川の心に空虚な感情が渦巻く。
白川の顔は険しく、怒りに満ちていた。「あいつを…俺が倒すはずだったのに…」彼は拳を握りしめ、静かに呟くが、その瞳には復讐心が燃えていた。
朱音と透が後ろで見守る中、白川の体から強大な呪力が放出される。空気が震え、まるで嵐のようにその力が渦巻いていた。
「消しやがったな…神風を!」白川は歯を食いしばり、前方に立ちはだかる敵、存在抹消を見据える。激しい怒りが沸騰し、白川はこれまでの自分の力を遥かに超える闘志を抱き始める。
白川は存在抹消に向かってゆっくりと歩み寄る。足元の地面が呪力の重さに耐えきれず、ひび割れていく。彼は拳を構え、全力で力を解放するつもりだった。
「お前の術式がなんだってんだ…!見えないだと?ふざけるな!」白川は怒鳴りながら、呪力を極限まで高めた。彼の術式「無限拡散」は無限の攻撃を四方八方に放つ能力だが、今回はそれを一段階進化させた。
「これが…俺の本気だ!」白川は無限拡散をさらに強化し、「無限拡散・改」として放った。
無数の呪力の刃が四方から存在抹消に向かって突き進む。しかし、敵は見えない。白川は瞬時に敵の動きを感じ取り、攻撃を集中させる。
存在抹消もまたその術式を駆使し、白川の攻撃を避けながら隙を狙う。しかし、白川はこれまでとは違う。
「消えた仲間のために…お前を絶対に許さない!」白川は怒りを糧にし、次々と攻撃を繰り出す。存在抹消が現れるたびに、その姿を捉えようと全力で反撃を試みる。
「神風、お前の分まで…俺がここで倒す!」白川は叫びながら、最後の力を振り絞って存在抹消を追い詰める。その姿は、かつての白川とはまるで違う、真の最強の呪術師だった。
激しい戦いが続く中、白川は優位に立ち始める。敵の攻撃を完全に見切り、次第に存在抹消の術式の弱点を見つけ出そうとしていた。
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