テラーノベル
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助けて、と大切なパートナーであり恋人のトラから震える声で電話があった。
何からか逃げているのか呼吸も荒く、泣きそうな声にすぐに行くからとだけ言って通話を切った。
そして俺が急いでその場に駆けつけた時、トラは指一本も動かせないくらい力が抜けて地面に座り込んでいた。
そんなトラに覆い被さろうとしていた男もいた。
「おい」
自分でも驚くくらいの低い声。
その声に乗せて、相手を威嚇する。
それに怖気付いたのか男はトラから離れた。
「、あ?お前こいつのパートナー?」
「……」
「おいおい、ちゃんと自分以外のやつに靡かないように躾けとけよ」
「……」
放つ殺気は濃くなっていく。
「らっらぁ、さ…ッ、ごめん、な…さぃ…っ」
赤い顔と泣きながら苦悶の表情を浮かべるトラに何が切れかかる。
何も悪くない、自分の大切な恋人に纏わりつく気持ちの悪い自分じゃないオーラ。
「はっ、折角もうちょっとで愉しめるとこだったのに邪魔しやがって」
「無理矢理従わせたんだろ」
「あぁ?だったら何?」
「生憎、躾はちゃんとできてるんでテメェに心配される筋合いねぇんだよ。てか、余計なお世話だわ」
地面に座り込むトラからは完全に力が抜けている。
男のことは無視だ。
「立てれねーよな。ん、おんぶしてやるから乗れるか?」
「ごぇんな、はい…」
ゆっくりと俺の背に乗るトラを背負う。
「ちょ、待てよ!」
こいつ、俺の威嚇浴びてまだ立てれるのか。
いや、トラがいるから手加減してるし仕方ないけど。
背負うトラに触れようとしたそいつに完全に何かが切れた。
「失せろ」
誰にも向けたことがないくらい強い威嚇と殺気を男に放った瞬間、そいつは白目を剥いて倒れ込んだ。
おさまりきらない怒りで男のことを蹴り飛ばそうとしたら、背後で小さい声がした。
「ふ、っ、…ァ…、ら、だ…さ…」
あの男のグレアと俺の放ったグレアにトラが充てられてしまった。
「らっ、ら、ぁ…しゃ…っ、ぉれ…っ、こ、こわぃ…たすけへ、…ゃら、わか、ん…なぃ、どぅしよ、…ごめ、ん…なさ…ぁなた、いがいの、…ひとに、…ごめん、なさい、ご、めんな、さい…っ」
「しまっ…」
サブドロップに陥っている。
震える体。
泣き出した声。
近くにどこか入れるところはないかと、トラを守るようにしっかり抱えて探す。
「大丈夫だからな、トラ。俺がいる、大丈夫だから」
トラを落ち着かせるため、ずっと優しく声をかけ続けた。
やっと見つけた、一室に駆け込むようにして入る。
「らっだぁ、さ…ん…っ」
心身共に弱っている。
あの男のグレアを浴びて、無理矢理コマンドをさせられそうになったせいだ。
「よく逃げれたな。トラ偉いぞ」
『Good』
「っっ」
「俺の言ったこと守れてホントにいい子だな。偉い偉い」
床に座り込んでいるトラの頭を撫で、抱きしめる。
「ぁ、う…ッ」
次第に苦悶と不安で揺れていた表情が落ち着いていき、ふにゃりとあどけなくトラが笑った。
「俺、らっだぁさんの…言うこと、ちゃんと守りました…」
頭を撫でていた手を取られて擦り寄られる。
「もっと、褒めてください…」
『Good』
「ふ、ぁ…ぅれしい…」
そんな無防備なカオを見せられて、俺も自分の中の本能が顔を出した。
「トラ」
「⁇、…はぃ…?」
『kneel(おすわり)』
「!!」
力なく座っていたトラは更にぺたりと座り込む。
「らっだぁさん…?」
「いい子にはちゃんとご褒美あげなきゃな?トラも嬉しいよな?」
『Say(教えて)』
「ぁ、うれしい…です、おれ。…らっだぁさん…ごほーび、くださぃ…」
『Good(いい子)』
頭を撫でてあげれば嬉しそうに目を細めている。
恐怖やらなんやらで潤んでいた緑は幸せそうに潤んでいた。
「ん、じゃあ」
『Strip(全部脱いで)』
何もないはずだけど、体の確認をしたかった。
もし傷一つでもあったらあの男は殺す。
ふにゃっと笑って服を一つずつ、ゆっくりトラは俺の方を見ながら脱いでいた。
「ちゃんとできて偉いな。トラはホントにいい子だぜ」
「っっ!」
SubにとってDomの命令は絶対だ。
でも俺は命令として言ってるつもりはないし、支配されたい、したいという関係が前提であったとしてもお互いが同等だと思いたいから。
その辺もクレイムになる時にちゃんと話し合ったし、トラも同意してくれた。
だから、トラの首には俺が渡した首輪がはめられている。
それなのに俺のモノに手を出そうとした奴がいた。
「らっだぁさん…?」
服を脱いで全裸になるトラをじっと見る。
傷はなさそうだ。
見えてるところは。
『Roll(寝転がって)』
お腹を見せるようにして寝転がるトラは、流石に恥ずかしくなってきたのか隠そうとした。
「トラ」
『Stay(動くな)』
トラはびくっと体を跳ねさせて動きを止めた。
俺はトラの傍に行き、体に触れた。
「ひ、ッう…」
「なんもされてねぇな」
傷ひとつない肌。
俺だけが、傷をつけることができる身体。
『Present(見せて)』
「ぁ、う…」
両脚を持って足を広げるトラに背筋が震えた。
俺の言ったことは素直に言うことを聞くということに。
緩く反応してるソコに手を伸ばすと、腰が揺れた。
「ひゃ…ッ」
晒け出している全てをじぃっと見つめる。
「ゃ、やです…そ、んなッ…みないで…っ」
「ダメ。まだ見てないとこあるもん」
先走りが伝っていて、それを手にとって後ろに指を這わせる。
なんの抵抗もなくナカに入る指を見て、ぐっとナカを押す。
「んひゃっ♡⁈」
「……ココ、柔らかいの何で?あいつに触られたわけじゃねぇよな」
『Say(言え)』
コマンド使うと後ろが締められた。
その締め付けで余計に感じたトラはきゅっと目を閉じる。
「ん、ぅ、あッ、じ、ひっンッ…じぶん、で、さわり、ましたぁ…ッ」
『Look Say(俺を見ながら言え)』
目を開けて、溶けかけた緑が俺を捉える。
「らっだ、さん、ひッ、と…あう、から、っんぁッ、じぶんで、…しました…っ」
ほっぺを伝う涙とハの字になる眉に口角が上がる。
「…そんなに俺とシたかった?」
こくこくと小さく頷く可愛くて大切で、支配したい俺のトラ。
ナカを弄っていた指を抜くと、トラは無意識なのか寂しそうな顔をした。
ただ、ハッと自分の表情に気付いたのか慌てて俺を見た。
「ぁ…」
こんなにいじめてやりたいと思ったことなかったかもしれない。
自分の中でセーブしていたのもあるけど。
『Come(おいで)』
起き上がって床に座る俺のところに近寄る。
『Good♡(いい子♡)』
自分の上に乗せて、反応している自分のモノを充てがう。
「トラ、俺のコレ欲しい?」
「ほ、しぃ、です…ぉれに、ごほーび、くらさい♡」
早くと言わんばかりに擦り寄るトラに目を細めた。
「っっ〜♡!嫌になるくらいヤるからな♡」
自分で弄ったというナカは俺を受け入れるようにして俺のモノを呑み込んでいった。
「ふぁあッ♡」
「っ、トラ気持ちいい?」
「きもち、いぃれす…ッ♡」
サブドロップに陥った時はどうにかしないと、と思ったけど、とんだ副産物を知ることができた。
自分で自分のイイトコに当てようと腰を揺らすトラのそこを掴む。
『Stop(止まって)』
ぴたっと動きを止めたトラは困惑して俺のことを見下ろしていた。
「俺が動いてトラの気持ちいいトコ全部、突いてやるよ♡ご褒美だからな♡」
下から突き上げるようにして動くと、俺にしがみついて喘ぎ出す。
「ぁ゛っ、ひゃうッ♡、まっ、んぁあっ♡はげし…ッ♡♡!」
『Cum♡(イけ♡)』
反応しきったソコも撫でてコマンドを使う。
「うそッ、はや、っゃぁあ〜〜〜ッッ♡♡!!」
トラはぎゅうと俺にしがみついたままイッた。
自分の腹がじわりと濡れてる。
「上手にイけたな♡偉いぞー♡」
「はぅん…ッ♡」
頭を撫でてやると、幸福感いっぱいの笑顔を返される。
「⁈、んゃっ♡⁈ぉっき…♡⁈」
「ならん方がおかしいやろ。…ココ俺のでいっぱいにしてやるからな♡」
「ま、ぁ、ん゛ン〜〜ッ♡!!」
ぺたんこのお腹を撫でてやる。
「トーラ♡」
『Kiss♡(キスして♡)』
俺の肩に顔を埋めていたトラは顔を上げて軽く唇に触れてきた。
「ん、ちゅ…ッ」
辿々しいキス。
慣れてない感が、劣情を煽る。
「(クッソ可愛いな♡)」
後頭部を掴んで、呼吸ごと奪うようにして口を塞ぐ。
驚いて小さく開けた口の中に舌を突っ込んで。
「んぅ゛っ♡ふ、はぅ…ぁ、ンんッ♡」
鼻から抜けるこもった高い声と、段々苦しくなってきて俺の胸を叩くトラ。
それが更に劣情を煽っていく。
「ぁ、っ、んぅうッ♡、ぷ、はぁ…っ♡」
口の端に伝う飲み込めなかった唾液を舐めとる。
「トラがセーフワード言うまでやめてやんねぇからな♡…まぁ、言わせないくらい頭ん中俺でいっぱいにしてやるけど♡」
「ひゃんッ♡」
それに多分、トラがこの先俺に対してセーフワードを言うことは絶対にない。
だって、”嫌い”にしてるから。
トラは俺のこと絶対に嫌いとは言わないし、俺も嫌いと言わせない。
念の為にと設定しようとした時、トラからそう言った。
嫌い、にしましょうと。
俺ら相思相愛だし絶対言うことのないワードだからと。
そういう大胆なところとめちゃくちゃ好きなんだけどな。
まぁそもそもドMのトラは俺にいじめられるのが好きでもあるし。
痛みを伴うようなプレイはしないし、トラもその辺は同意してる。
トラ自身が、クレイムになる時に念押しのように言ってきた。
『らっだぁさん、俺のこといっぱい支配して、いじめてください』
って。
まぁ、コマンド使って本心言わせたのもあるけど。
あん時はもう心が震えるくらい嬉しかったのを覚えている。
だから、トラが俺に対して”嫌い”と言うことはない。
周りがどんなにやりすぎじゃないかということをしていても俺らがいいと言ってるのだからいいのだ。
「ん、ふ、ぁ゛ッ♡らだ、さ♡もっと、おく、ほしぃれす…ッ♡♡」
「いい子のトラに今日はご褒美あげんとだからな♡」
一度、ギリギリまで引き抜いて一気に奥まで挿れる。
「ふぁあ〜〜〜ッッ♡♡!!きたぁ…っ♡!!」
Attractと言ってないのに自分から誘うようになって、ホントにトラは俺の癖を分かってる。
「ほら、トラはまだいけるだろ♡?俺以外のDomの言うこと聞きかけたんだからお仕置きも兼ねてるからな♡」
「おしおき…ッ♡」
「締めんなって♡ホント、トラはドMだな♡」
ぐりっと奥を抉るように突くと出さずにイッた。
「こーら勝手にイッたらダメだろ?ほら、ココこうしとくから俺がコマンドでCumって言うまでイッちゃダメだからな♡?」
トラのモノの根元に握る。
びくりと跳ねる腰とまた締まるナカ。
「はひっ♡ちゃんということきけたら、もっとごほうびくれますか♡♡⁇」
「♡♡!、言ったろ?嫌になるくらいヤッてやるって♡」
「いやに、んぁッ♡、なること…ないッから、ずっと♡♡⁇」
「あーもう!こいつホントッ♡♡!!」
普段の真面目で優しくて可愛くてドジっぽく辛辣なとこがある姿と全く掛け離れた淫乱でバカみたいに俺のこと煽る姿に、自身がまた重くなっていく。
「ふぁっ♡また、ッ♡らっだぁさんの、おっきく、♡なった♡」
「お仕置きになんねぇじゃん…っ♡!」
「ひゃあ゛ぁッッ♡♡!」
何しても悦ぶからマジで、俺もいろんなことしてやりたくなる。
体を密着させて、耳元で低く囁く。
『Love(愛してる)』
「っっっ♡♡♡!!?」
今までにないくらいナカが締まった。
そう言えばトラは俺のこの声に弱かったな。
ふっとまた口角が上がる。
同じように耳元で囁くとふるふると首を横に振り出す。
「そ、そのこぇ、らめっ、です…ッ♡」
「嘘つけ♡」
『Say♡(言え♡)』
「はぅっ♡、お、おれの、ッ♡ココ、が、キュンって♡なる、から…だめ、です、ッッ♡♡」
トラはお腹、というよりも下腹部をさすった。
「じゃあもっと言ってやるな♡?お仕置きとご褒美同時にしてもらえてよかったな♡」
「んぁッッ♡♡」
目は完全にハートが浮かんでいる。
「俺以外の言うこと聞けない身体にしっかり躾けてやるよ♡」
「ッッ〜〜♡やったぁ…ッッ♡♡!」
破顔したその顔の破壊力たるは。
ギリギリに保たれる俺の理性を崩すことを容易くやってのけた。
「ほら♡」
まずは俺の声をしっかり身体に覚え込ませていかないとな♡
コメント
2件
ありがとうございます!! rdtrのdom/subユニバース最高でした!! 特にいつもと違う自分から誘ってくるtrさんがとても可愛かったです"(∩>ω<∩)" dom/subユニバースだとコマンドで言わせたりイかせたりできるからドSドMの関係が一番似合ってると思っています!(個人の意見です) ポン酢さん、本当にありがとうございました!✨m(_ _)m
クラゲ様、リクエストありがとうございました😭 Dom/Subユニバース初めて書いたので、まだまだ至らないところがあるで思ってたんと違う…となってるかもしれません…。 勉強不足!精進します…!