テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
それから3ヶ月後、僕は普段通りの生活に戻っていた。意識を取り戻したのが2週間後で、それまで様々なことがあった。黒竜が現れたことは箝口令が敷かれたため、現場にいた人しか知らずに、多くの人々に知られることはなかった。
黒竜はほんの数人を除いて、誰の記憶にも残らなかった。
「レピヤ、ご飯だよ」
僕は飼っている白い犬にご飯をあげた。飼っているというのは語弊がある。
レピヤは、グルグルと唸って煮込んだ牛すじ肉を食べ始めた。レピヤを見た人は、白い犬としか認識しないだろうし、それが何より無難だろう。牛すじ肉もたまにあげるだけだし、食費はあまりかからない。普通の犬ならもっと食べると思うけど、レピヤは何を食べるのかいまいちよくわかっていなかった。
竜は人を食べると聞いたことがある。本当かどうかはわからないけど、あながちウソでもないような気がする。
レピヤは、黒竜が犬に変化しただけだから、僕も食べられてしまう可能性もあるかもしれない。黒竜は人間とは意思疎通ができない。ただ、レピヤは僕の言葉はわかるようだった。でも、レピヤからなにか話しかけられたことはないから、一方通行もいいところだ。そして、なぜ黒竜がうちに居座っているのか、僕にも皆目見当がつかなかった。
昼間はお昼寝して、夜になると狩りにでかけてきては、トカゲだのイノシシだのを持ってきてくれる。働き者といえばそれまでだけど、食費は浮いていて助かっている。トカゲは美味しくはないから食べないけど。レピヤは今の生活が気に入っているようだった。僕としても犬が増えたなくらいで、特になにかすることもなかった。