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#山中柔太朗
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これまたある日。
「ホットラインです! 救急隊から、50代男性、交通事故での腹部強打! 血圧低下傾向、ショック状態!」
いつもの和やかな空気を切り裂くように、柔太朗の鋭い声が響いた。
受話器を握るその顔からは、一瞬でいつもの柔らかな表情が消えている。
「救急搬送を受け入れる! 到着まであと三分!」
勇斗がガタッと立ち上がり、白衣の袖を限界までぐっと捲り上げた。
仁人は的確に指示を入れていく。
「 太智、ルート確保の準備と急速輸液! 舜太は輸血の手配と昇圧剤の準備しといて!」
「了解!」
指示が飛ぶと同時に、5人がまるで一つの生き物のように動き出した。
太智は迷いのない手つきで処置カートから点滴セットを揃え、柔太朗はモニターの電源を入れバイタル測定の準備を整える。
舜太は走って薬品庫へ向かい、必要な薬液と輸血用血液の確保へ急ぐ。
仁人は、すでに端末を叩きながら冷静に思考を巡らせていた。
「腹部強打でのショック状態……腹腔内出血の可能性が高い。
外科のオペ室が空いてるか確認する。それまで俺たちで絶対持ちこたえさせるよ」
「了解!」
ガラガラと激しい音を立てて、ストレッチャーが処置室へと滑り込んできた。
「血圧70の40! 脈拍130、頻脈です!」
「よし、全員かかるぞ!」
勇斗の声とともに、5人の極限のコンビネーションが幕を開けた。
「太智、静脈ルート両腕で確保! 輸液全開で流して!」
「了解! 左は入った、右もすぐいくで!」
太智の素早く正確な手技でルートが取られると、すかさず舜太が準備した昇圧剤と輸液が全開で投入される。
「血圧微増! でも上がらない……腹腔内で相当出血してる!」
柔太朗がモニターの音を聞きながら叫ぶ。
「仁人、超音波あてるぞ!」
「了解、」
勇斗が患者の声を声をかけながら身体を固定し、仁人が素早くエコーのプローブを腹部に滑らせる。
モニターに映し出された黒い影を見た瞬間、仁人の目が光った。
「FAST陽性。脾損傷による腹腔内出血だ。……勇斗、これ以上ここで引っ張るのは危険すぎる。緊急開腹手術が必要」
「外科のオペ室は!?」
「準備できてる。オペチームもスタンバイ済み、あとは運ぶだけ」
仁人の言葉を聞いた瞬間、柔太朗が即座にストレッチャーのロックを解除し、太智が点滴バッグを高く掲げた。
「外科のオペ室まで全員で押し込むぞ! 舜太、手押しで輸血ポンピング頼む!」
「オッケー!」
血圧が底を突く寸前、5人は手分けして機器とストレッチャーを保持しながら、廊下を全力で駆け抜けた。
「オペ室入ります! 脾損傷による腹腔内出血、ショック状態! 輸液・昇圧剤投与中!」
外科の手術室の重い扉が開き、バトンは無事に外科の執刀医たちへと渡された。
オペ室の扉が閉まり、静まり返る廊下。
5人は肩で息をしながら、壁に背を預けた。
「ふぅ……無事に何とかなった……」
勇斗が額の汗を拭うと、仁人がかすかに口元を緩めた。
「オペには十分間に合ったでしょ」
「マジで心臓止まるかと思ったわ! 舜太もナイスポンピング!」
「よかったぁー! めっちゃ必死だったから!」
太智と舜太が顔を見合わせて笑い合い、柔太朗が静かに微笑む。
いつもは賑やかでワチャワチャしている5人。
けれど、いざとなれば誰よりも高く深い絆で命を繋ぐ。
汐見総合病院の片隅にあるこの場所は、今日も最高のチームワークで命を護り続けている。
コメント
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みぅ🤍🥀です 今回は救急現場のスピード感がすごくて、読んでるこっちまで息を止めちゃいました…!5人の連携プレーが一つの生き物みたいで、それぞれの役割がはっきりしてるからこそのチームワークが本当にカッコいいです。仁人の冷静な判断力に特に目が行きました🌙