テラーノベル
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仕事終わりの楽屋。メンバーが次々と帰宅する中、向井康二はソファでぐったりと動けずにいた。
全力を出し切った後の電池切れ。指一本動かすのも億劫だ。
「……はぁ……つかれた……」
天井を仰いで小さく息を吐く。
すると、視界にスッと美しい手が差し出された。
「お疲れ様、康二」
見上げると、そこには優雅に微笑む宮舘涼太が立っていた。
私服に着替えているのに、まるで舞踏会の衣装を着ているかのようなオーラを纏っている。
「……だてさん。……ごめん、俺、立てへんわ」
「いいよ。……じゃあ、こうしてみる?」
宮舘はそう言うと、康二の隣に優雅に腰を下ろした。
そして、当然のように康二の体を抱き寄せ、自分の太ももの上に康二の頭を乗せた。
ロイヤルな膝枕だ。
「……えっ、だてさま?!重いって!」
「シーッ。静かに」
宮舘の人差し指が、康二の唇にそっと触れる。
「重くないよ。……可愛い重さだから」
「……っ、」
「康二、今日は随分と頑張ってたね。笑いをたくさん取ってたけど…俺は心配だったよ」
宮舘の手が、康二の汗ばんだ前髪を優しく払い、頬を包み込む。
その指先がひんやりとしていて気持ちいい。
「……無理して笑ってなかったかなって」
「……う……」
図星だった。
宮舘の、全てを見透かすような穏やかな瞳。
康二の瞳がじわりと潤む。
「……だてさまには、敵わんなぁ……」
「もぉ…俺を誰だと思ってんの?」
宮舘は康二の頬に、聖印を授けるように優しいキスを落とした。
「…ここでは、ただの甘えん坊な康二でいて」
「……だてさん……」
「ほら、来て」
宮舘が腕を広げる。
康二は膝枕から起き上がると、吸い寄せられるように宮舘の胸に飛び込んだ。
ぎゅうっと抱きつくと、宮舘の香水の上品な香りが鼻腔をくすぐる。
「……だてさまぁ…すき……」
「うん」
「……ぎゅってして。もっと」
「もちろん」
宮舘は康二の背中を、壊れ物を扱うように、けれど力強く抱きしめた。
包容力が桁違いだ。
まるで、堅牢な城壁の中で守られているかのような安心感。
「……康二」
「ん……?」
「愛してる……俺の可愛いくて、大切な人」
耳元で囁かれる、極上のバリトンボイス。
康二は快感と幸福感で頭がクラクラした。
とろけるような甘い言葉のシャワーを浴びせられ、康二はもう、宮舘の腕の中から一生出られそうにない。
「……俺も……だてさまのこと、めっちゃ愛してる……」
「知ってるよ。……さあ、このまま家まで送ろうか。俺の車で」
「……お姫様扱いすぎひん?」
「君は俺の特別だから」
康二は真っ赤な顔で、さらに深く宮舘の胸に顔を埋めた。
国王の溺愛は、誰にも止められない。
そして、それに溺れる康二もまた、幸せな共犯者なのだった。
next…あべこじ 1/7
コメント
3件
だてさんが王子様すぎる…惚れる 周り見えて康二のこと心配してるのもかっこよ