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あの日の日の出を願って

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あの日の日の出を願って

7 - 第7話 暗い部屋の隅で

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2025年08月07日

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戦争表現がありますが、まったく賛美はしておりません。政治的意図もありません。

では、行ってらっしゃ~い!


シンガポール制圧から何ヵ月か。

彼、大日本帝国は、1942年4月。

フィリピン、インドシナ半島を制圧した。

南方作戦は成功だろう。

6月には海、彼の兄弟が太平洋へ進行する。

彼は、神妙な面立ちで、書類をめくる。

陸「明日は…米英との会談…?」

陸「はぁ…」

まぁ、彼の天皇陛下への忠誠も明らかなものだ。だがやはり、少し腑に落ちない部分はあるだろう。

だが、仕方がない。気づいたって。逆に足枷になるだけだ。思考などもう、放棄した輩が沢山だ。彼は、書類をめくり続けていた。


イタリア王国は、連合国との戦いに、混乱していた。

イタ王「どうしよう…どう攻めこめばいい…?護ればいい…?」

彼は、暗い部屋の隅で頭を抱え込む。

彼はまだ決断を下せなかった。


また一人の男が書類をめくる。

海「太平洋進行…なぁ…」

米英をはじめとする連合国が黙っている訳がない。いつか止められることは分かっている。逆にこれが成功すれば…大東亜共栄圏設立に貢献できる。煌々と光る希望と、重苦しい泥に絡まれ、彼の心は少しばかり、いや、かなり揺れていた。

海「ただ…俺は陸と、空と、父上と、笑って過ごせれば十分だったのに。」

そんな男の呟きは、願いは、暗い部屋の中で小さく消えていった。

きっと、それは…叶わない。


結局、何がしたいのだろう。あいつらは…

アメリカ「んー…!考え事嫌いなんだよ 俺!!!!」

イギリス「うるさいですよバカ息子。黙れ。」

アメリカ「俺に負けた雑魚親父に言われたきゃねぇな。」

イギリス「なんといいましたか?」

アメリカ「…」

イギリス「おいコラ、言えよ」

アメリカ「まぁまぁ!くそ親父、落ち着けって!」

イギリス「どこまでも癪にさわりますね…」

アメリカ「明日はあいつ…大日本帝国との会談だぜ?」

イギリス「そうですね…はぁ…あの時は可愛かったのに。」

アメリカ「あの時っていつだよ。」

イギリス「お前がまだ私の植民地だった頃ですよ。」

アメリカ「…」

アメリカ…彼は、植民地時代の事を思い出したのかあからさまに顔を歪ませる。

イギリス「あの時はいろんな国に可愛がられていましたが…変わってしまいましたね。」

あの時には彼に師匠もいましたし…本当に私も可愛がっていました。

そんな声は、アメリカの耳を通り抜けた。

アメリカ「…俺はあいつがわかんねぇよ。」

何を求めているのか。願いは、信念は。

“彼は何かを追い求めている。”

それは分かるのだ。だが、深いものがアメリカには理解しがたかった。


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