テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
戦争表現がありますが、まったく賛美はしておりません。政治的意図もありません。
では、行ってらっしゃ~い!
シンガポール制圧から何ヵ月か。
彼、大日本帝国は、1942年4月。
フィリピン、インドシナ半島を制圧した。
南方作戦は成功だろう。
6月には海、彼の兄弟が太平洋へ進行する。
彼は、神妙な面立ちで、書類をめくる。
陸「明日は…米英との会談…?」
陸「はぁ…」
まぁ、彼の天皇陛下への忠誠も明らかなものだ。だがやはり、少し腑に落ちない部分はあるだろう。
だが、仕方がない。気づいたって。逆に足枷になるだけだ。思考などもう、放棄した輩が沢山だ。彼は、書類をめくり続けていた。
イタリア王国は、連合国との戦いに、混乱していた。
イタ王「どうしよう…どう攻めこめばいい…?護ればいい…?」
彼は、暗い部屋の隅で頭を抱え込む。
彼はまだ決断を下せなかった。
また一人の男が書類をめくる。
海「太平洋進行…なぁ…」
米英をはじめとする連合国が黙っている訳がない。いつか止められることは分かっている。逆にこれが成功すれば…大東亜共栄圏設立に貢献できる。煌々と光る希望と、重苦しい泥に絡まれ、彼の心は少しばかり、いや、かなり揺れていた。
海「ただ…俺は陸と、空と、父上と、笑って過ごせれば十分だったのに。」
そんな男の呟きは、願いは、暗い部屋の中で小さく消えていった。
きっと、それは…叶わない。
結局、何がしたいのだろう。あいつらは…
アメリカ「んー…!考え事嫌いなんだよ 俺!!!!」
イギリス「うるさいですよバカ息子。黙れ。」
アメリカ「俺に負けた雑魚親父に言われたきゃねぇな。」
イギリス「なんといいましたか?」
アメリカ「…」
イギリス「おいコラ、言えよ」
アメリカ「まぁまぁ!くそ親父、落ち着けって!」
イギリス「どこまでも癪にさわりますね…」
アメリカ「明日はあいつ…大日本帝国との会談だぜ?」
イギリス「そうですね…はぁ…あの時は可愛かったのに。」
アメリカ「あの時っていつだよ。」
イギリス「お前がまだ私の植民地だった頃ですよ。」
アメリカ「…」
アメリカ…彼は、植民地時代の事を思い出したのかあからさまに顔を歪ませる。
イギリス「あの時はいろんな国に可愛がられていましたが…変わってしまいましたね。」
あの時には彼に師匠もいましたし…本当に私も可愛がっていました。
そんな声は、アメリカの耳を通り抜けた。
アメリカ「…俺はあいつがわかんねぇよ。」
何を求めているのか。願いは、信念は。
“彼は何かを追い求めている。”
それは分かるのだ。だが、深いものがアメリカには理解しがたかった。
コメント
2件
神すぅぎぃ⤴︎(?)