TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

〜僕と君の2人で四季を見たい〜




登場人物

音乃李音(おんのりおん)

中2。クラスで浮いていて、不登校気味。趣味は花を集める事。


雪野零風(ゆきのおらふ)

中2。生まれつきの病気で、一度も外に出た事が無い。

四季を見たい。




START












…1人だけ、浮いていた。

趣味が“男子じゃない”だけで。

俺は男子。男子じゃないならなんなんだよ。


…そんな俺の趣味とは、“花を集める”事だった。

春も夏も秋も冬も好きで、それぞれの季節の花を集めるのが好きだった。集めた花の、花言葉を調べるのも好きだった。


ある時、鞄に付けていた花のミニリースで趣味がバレてしまって、今に至る。

今はあまり学校に行けていないが、趣味は一切変わらなかった。




「貴方は身体が弱いから、外に出ちゃ駄目よ。」

小学生の頃に、母に言われた言葉。

そのせいで、学校にも行かせてもらえなかった。

その縛られた生活が嫌で、家から逃げ出そうとした。

すると、発作で倒れる。


小学生の頃はこれの繰り返し。


余りにも僕が逃げ出すから、病院に入院する事になってしまった。





…それから何年経っただろう。

…逃げ出す事も諦めてしまった。


…でも、一度でいい。

いつかでいいから、写真でしか見た事の無い、“冬”が見たい。


「うわっ!?」

家の階段を降りていると、足を踏み出してそのまま転げ落ちてしまった。


痛みが酷く、病院に行くと、骨折していて抜糸するまでの2週間入院する事になった。

案内された病室に入ると、前のベッドには同じ年くらいの男が座っていた。

「…?あ、患者さん?」

男は少し優しい声で言う。

「…そう、ですけど?」

「そうか、、僕んとこの病室は此処数年誰も入ってないんやけどなぁ…なんで君だけ…」

リアル関西弁。初めて聞いた。

「他の病室が開いてなかったのでは?」

「せやなぁ…此処ん街も有名になってはるんや…」

「…じゃあ、1週間、宜しく…」

「その前にぃ?君の名前を聞いてないんやけど?」

「あ、俺?俺は音乃李音」

「…僕は雪野零風やで!」

お互いの名前を教えあった所で間が空いて、静かになった病室の空気を零風が一瞬で変えた。

「…僕はおんりーと呼ばせて貰うで!」

「おんりーわん?雪、見た事ある?」

「雪?」

突然の質問に戸惑ったが、我に返って「そりゃあ」と言うと、俯き、悲しそうに話し始める。

「…ええなぁ…僕なんて外に一回も出た事がないんやからなぁ…」

「…そっか、此処は…」

…そう。此処は市の中心部。更に温暖地域で雪は滅多に降らない。

「…外には、どうして?」

好奇心で聞いてしまう。

「…僕な、持病のせいで外に出られんのや、…此処ん病院は窓の外は壁、壁、壁やぁ!!」

「しかもな?周りの木も無いわ、雪は降らんわ…四季の風景を見た事が無いんや、せめて銀杏の落ち葉でも見たいわ…」




「…花、好き?」

突然の質問に驚いているようだが、直様答えてくれた。

「…見たい、!」

その答えを待っていた。


鞄の中からシロツメクサの冠を取り出して、零風の頭に乗せた。

「ほら、シロツメクサの冠、…シロツメクサは“幸運”の花言葉があるから、」

「おんりー…凄いなぁ!?これ、いつの花なん?」

「…4月から、10月まで、咲くから…」

「これ、持っとってええ?」

「…良いよ、沢山あるから」

「…いつか、4つの四季を見れる時が来たら、このシロツメクサを持ってくわ!」

「良いよ、…そん時は、他の花も持ってるかもしれないけどね?」


…病院が静かになった時。


僕は診察室に医者と2人で話していた。


「そんで、大事な話とはなんですか?」

「…おらふ君さ、持病があるじゃん?」

…それがどうしたんやろ、

「…その病が体を蝕んでいて、君はもう…」

「けれど、幸運な事がある、」

「今年の冬、そこまでは…」

「…そうですか、」

…そっか。


…四季を見れるのは、今年で最後だ。

僕と君の2人で四季を見たい。

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

67

コメント

7

ユーザー

わぁぁぁぁぁぁ!!✨️((( 私の好き系です!(( 遅くなりすみません…💦 参加、投稿ありがとうございます🙇

ユーザー

初コメ失礼しますm(_ _)m 、これ好きな設定です…(*˘︶˘*).。.:*♡ 応援してます(๑•̀ㅂ•́)و✧

ユーザー

うわっ✨ 自分が好きな設定だ ₍₍殴 自分じゃ賞とれないんでこゆきさんの作品応援してます っ .’.’

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚