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・【24 オイコラドー・チャンネル】


あんまり詳しいほうではないけども、ユーチューバーは毎日更新することがいいとされている。

毎日決まった時間にチャンネルが更新されることにより、視聴者の生活リズムに食い込み、習慣化されるらしい。

ネット小説の類もそんな感じだと聞いたことがある。

最低でも週一回、でもやっぱり週一回は少ないから週二回以上は投稿したほうがいい、というように言われている。

僕はこのオイコラドー・チャンネルを検索にかけてみた。ちゃんとヒットした。登録者数は五十人弱。動画コンテンツをちょっとチェックする。

オイコラドー・チャンネルは基本的に毎日更新といった感じだろうか。ちゃんとユーチューバーしているらしい。

たまに二日や三日空いている時もあるが、まあ毎日が多いかなという印象。時刻も決まった時間かな。

時刻まで決めているのに、二日や三日空いていることに何だか違和感を抱く。

多分もうちょっとディグったほうがいいかもしれない。

大体ユーチューブをやっている人は宣伝用にSNSをやっている。

バズりたい人ほどSNSを同時に運用しているイメージだ。

ツイッターかインスタグラムかその両方か、フェイスブックはあの高校生くらいの年齢のヤツはやらないだろう。

案の定、ツイッターもインスタグラムもでてきた。

過去の呟きや写真投稿を確認して、僕は“確信”を得た。

だから僕はスマホをいつでも見せられる位置に持って、もう一回あの人だかりに入っていった。

さっきよりも人が少なくなっていたが、まだ喋っているし、真澄もまた最前列まできていた。

「すみません。僕、貴方がいつ目撃したか分かりました」

その言葉にビクついた人だかりの中央の人は、少し声を上ずりながら、

「な! なんやねん! 急に目立ちたくなったんか!」

と声を荒らげた。

すると真澄がまたズイっと前に出てきて、

「すごいな! 言ってくれ! 言ってくれ!」

と、せがむ犬のように迫ってきた。

僕はまあその流れでさっさと言って早く終わらせようとしたその時だった。

「今日の撮影は以上や! ほな! サヨナラ!」

と言ってその場から走り去り始めたので、すぐさま僕は、

「真澄! 追いかけて!」

と言うと真澄は遊んでいる犬のようにワッワッと追いかけて、すぐさま捕まえた。

「なんやねん! 俺は捕まえられるほうちゃうねんて!」

人だかりは何だか呆然としている。

当たり前だ、どこで目撃したかという話をしだした男が来たら、急に逃げ出したんだから。

こういう時はやはり、こう言うことが効果的だろう。

「貴方は今、逃げ出したくなるような状況で目撃したんです。そう、貴方は、のっぺらぼう事件の犯人ですね?」

その言葉に顔を凍り付かせた逃げた人、いや、オイコラドー・チャンネルの及川さん。

「オイコラドー・チャンネルの及川さん、貴方、ユーチューブのドッキリ企画でマネキンドッキリしていましたよね? そう、のっぺらぼうのような見た目をして人を驚かせる企画です」

「知らん! 知らん! 急に何を言っとんねんて!」

慌てて、不規則に身振り手振りをする及川さんに僕は冷静に言い放つ。

「何故こそこそしているのっぺらぼうを目撃するのか、それは驚かす相手を吟味していたんですよね。例えば、小さい女の子とか」

その言葉に人だかりがザワザワし始めた。

でも及川さんは一旦落ち着いて、という感じに一呼吸してから、

「いや、俺のチャンネルにそんな動画は無いで。見てくれたら分かるけどもな」

「見ましたよ。毎日更新を信条としているのに、時折消された動画があるって」

「な! いや! でも! 毎日更新していなかっただけじゃ! ドアホ!」

「そして貴方がたは動画を投稿すると他のSNSでも宣伝をする」

「そりゃまあするわ……待て待て待てぇ! ちょっと待てぇ!」

そうデカい声を出した及川さん。どうやら気付いたらしい。

でも僕はここが攻め時なので言い切る。

「及川さん、他のSNSで宣伝した写真や文言を消し忘れていますよ」

僕がスマホでオイコラドー・チャンネルのインスタグラムに掲載された、マネキンドッキリの宣伝画像を及川さんに見せたのち、人だかりにも見せた。

人たがりは徐々に、でもどんどん大きな声で、

「何だよ、コイツら」

「のっぺらぼう事件のヤツかよ」

「じゃあのっぺらぼうの恰好してたから言えなかったということかよ」

ぐうの音も出ない顔でその場に立ち尽くしている及川さん。

完全に観念したみたいだ。

僕は及川さんへ、

「今からスーツで謝罪動画でも撮りますか?」

及川さんは拳を強く握って咆哮した。

「丸刈りになるわ!」

「いや丸刈りの何が謝罪なんだよ、そういうおもんない風潮続けるのやめたらいいのに」

と僕がキツめに言うと、人たがりは、

「丸刈り確かにおもんない」

「それな」

「野球少年普通に坊主だしな」

とクスクス笑い声が漏れた。

まあのっぺらぼう事件も解決したし、いいかなと思って、

「というわけで真澄、帰ろうか」

「分かった! アタシも帰るぞ!」

と言ってその場をあとにしようとしたその時、及川さんの声が響いた。

「リア充爆発しろ!」

これ僕に言ってるのかな、まあ女子と一緒に動いていればそうかもしれないけども、内訳知ったらヒくと思う。ずっと探偵業させられているわけだから。


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