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綿雲
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eさんは、ネットの掲示板で見つけた「絶対に一人で見てはいけない」と言われる古い洋館の住所を手に、深夜の住宅街を歩いていた。
そこは30年前、ある一家が夕食の途中で「全員が同時に心臓麻痺で亡くなった」という不可解な事件があった場所。現場には争った形跡もなく、ただ一つ、テーブルの中央に「中身の入っていない額縁」が置かれていたという。
館に潜り込み、リビングへ辿り着いたeさんの懐中電灯が、埃を被ったダイニングテーブルを照らす。そこには、記録通りあの額縁が置かれていた。
好奇心に駆られ、額縁を手に取ってみる。裏側には掠れた文字でこう書かれていた。
『この枠は、次に招待される者の席である』
その時、背後から「カチャリ」と食器が触れ合う音が聞こえた。
慌てて振り返るが、誰もいない。しかし、テーブルの上をよく見ると、さっきまで空だった皿の上に、まだ湯気の立つ肉料理が並んでいる。
恐怖で逃げ出そうとしたeさんの足が止まる。
窓ガラスに映った自分の姿。その背後に、青白い顔をした家族がニコニコと笑いながら椅子に座り、自分をじっと見つめているのだ。
「……あ、やっと揃った」
一番小さな子供が、eさんの手にある「額縁」を指差して言った。
「それ、お兄さんの写真が入る場所だよ」
その瞬間、eさんの視界がぐにゃりと歪み、体が動かなくなる。
心臓が異常な速さで脈打ち始め、意識が遠のく中、最後に聞こえたのは、フォークを研ぐ「キィィィ……」という鋭い音だった。
翌朝、その洋館のテーブルの上には、新しい写真が一枚、額縁の中に収まっていた。
そこには、恐怖に顔を歪ませたeさんが、家族の一員として幸せそうに(?)収まっていたという。
いかがでしたか?今、背後のクローゼットや窓に誰かの視線を感じていませんか……?