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宮廷音楽会では、シャルルダルク様のピアノはもちろん、ラヒト様のバイオリンやバルサック様のチェロ、レガット様の笛、美しき4人の王子が奏でる音楽は素晴らしかった。
見る者はみな、その美しさにため息し、拍手喝采を送った。
ちょうど休憩時間になったので、私は宮廷の庭に出た。
「マリーナ…」
そこには、真っ白の洋服を着たシャルルダルク様が立っていた。
「シャルルダルク様、こんな所にいてよろしいのですか?」
「俺の演目は最後のオーケストラとの合奏のみだ。
問題無かろう。」
「そ、そ、そうでございますか。」
「宮廷音楽会など、堅苦しいだけよ。
そなたもそう思わぬか?」
「え、えぇ、まぁ…」
「まぁ、そのベンチに座ろう。」
シャルルダルク様がおっしゃるので、私はベンチに腰掛けた。
すると、シャルルダルク様はごろんと横になり、私の膝の上に頭を乗せた。
「しゃ、しゃ、シャルルダルク!!!」
「あぁ…
良い気持ちだ…
今までの疲れが、取れていくようだ。」
「そ、そ、そうおっしゃられましても…」
「黙って枕になっておれ。」
「は、はぁ…」
「昨日の競馬は、楽しかったな…
そなたの野次を思い出すと、今でも笑が込み上げるのよ。」
そう言って、シャルルダルク様は面白そうに笑った。
「あら、シャルルダルク様の野次とて、笑ってしまいますわ!」
「ふん。」
シャルルダルク様はそう言うと目を閉じた。
目を瞑ってもその美しさは変わることが無いのだなぁ、と思ってしまう。
私はこの愛おしい時間がずっと続く事を願っていた。
このまま時間が止まって仕舞えば…
しかし、その時…!
「ラヒト様がお倒れになったぞー!」
「誰か、医者か、薬師は居らぬのか!?」
「早う連れてまいれっ!!!」
そんな声が聞こえてきた。
「マリーナ!」
「はい!」
私はドレスを捲し上げ、ラヒト様の元に向かった。
ラヒト様は横腹を押さえて苦しそうにうめいていた。
その位置は…!
私は薬箱からスギナを出し、煎じて湯に溶かし、ラヒト様に少しずつ飲ませる。
「膀胱に水分が溜まるまで、おしっこを我慢してくだされ。
どんどんこのスギナの汁を飲むのです!」
私は次々とラヒト様にスギナの煎じ湯を飲ませた。
そして、トイレに行って戻ってくると、ラヒト様は「不思議な事にもうなんともない。」と、ケロッとしていた。
「何だったのだ?
ラヒトの病は?」
「あれは、尿路結石にございます。」
「にょうろけっせき?」
「はい、尿路という細い管の中に石が詰まった状態をさすのです。
スギナの煎じ湯を飲み、一気に尿を出せば大抵治りまする。」