TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
シェアするシェアする
報告する

アイテムの所持量については、これで話がついた。部屋に戻ろうとすると、お腹がグ~と鳴った。そういえば、もう夜になる。


どうしようか考えていると二階からスコルが現れた。


「あのぅ、ラスティさん。そろそろお夕食の準備をしたいんですけど、台所使ってもいいですか?」



「構わないよ。材料はイノシシ肉とサザエとラズベリーだがな」

「では、家の完成記念にパーティにしましょう」

「そりゃ名案だ。スコルに任せるよ」

「はいっ、お任せください」


台所へ向かうスコル。しかし、直ぐに落胆していた。どうした事かと俺は向かった。原因は直ぐに判明。


「これは……」

「調理器具が何もないんです……。これでは料理できません」


包丁もなければ『まな板』すらない。フライパンも鍋もない。つまり、スキルを持つ俺が作らないとダメってわけか。


「兄上、お察しの通りだ。調理器具の作成にもワークテーブルが必要。直ぐにレベルを上げないと不便のままだぞ」


いつの間にか隣にいたハヴァマールがそう言った。そうか、もうちょいレベルアップしないと、いくら家があっても肝心な部分が不便なままだ。今度は生活道具が必要だ。食べていくうえで調理器具は特に重要。



死活問題だ!!



今までは木の棒で肉を炙ったりして何とかしたけど、台所ともなるとそうもいかない。



「分かった、スコル。悪いけど今日のところは外でバーベキューだ」

「そんなー…、お料理したかったです」



しょんぼりするスコルの表情を見ると、俺はもうちょっと頑張らないとなぁと思えた。そうだな、美味い料理を食うために調理器具を開発してやるッ。





外にある『キャンプファイヤー Lv.1』を囲み、イノシシ肉を焼く。

俺の作った木製ベンチの右側にはスコル。左側にはハヴァマール。俺は女子二人に挟まれていた。……なんだこの距離感。


アルフレッドは少し離れた場所で肉を焼いていた。そんなプチパーティな雰囲気の中、俺はみんなに事情を説明した。



「聞いてくれ、みんな。今日は『家』が完成し、寝床は確保した。だが、依然として食に関しては不便のまま。これは由々しき事態だ」


険しい表情のアルフレッドが口が開く。


「ラスティ様、それはどういう意味でしょうか」

「そうか、アルフレッドはあの場になかったな。さっき、台所を確認したんだ。すると、調理器具がない事が判明した」



「な、なんですと――――――!?」



それは大問題だと手をワナワナ震わせるアルフレッド。事の重大さを物の数秒で理解してくれた。そうだ、生きる上で必要なのは『食』。



せっかく台所なんて素敵なものも追加されたんだから、美味いものは食べたい。士気を上げる為にも美味い料理は必須だ。



「というわけだ、今日はもう遅いので調理器具の開発は間に合わない。明日にしようと思う。だから、みんな悪いんだが……手伝ってくれ!」



「もちろんですよ! わたし、お料理が大好きなんです。その為なら、ひと肌でもふた肌でも、全裸にだってなります!!」



本当に服を脱ごうとするスコルを、俺は止めた。やめいっ!



「ラスティ様、必要とあらばいつでもご命令を。このアルフレッド、あなた様の任務は必ずや完遂いたしましょう」



目を赤く光らす最強の執事。頼もしすぎるな。アルフレッドは、人生経験も豊富。サバイバル術だって心得ているはずだ。もっと知恵を借りよう。



「兄上、余も脱ごうか!!」

「なんで嬉しそうに脱ぎだすんだ、ハヴァマール!」



ヘンタイ妹と、ついでにヘンタイエルフを止めた。二人とも美人だから、俺の身がもたん。



「兄上、兄上ぇ~♡」

「頭をスリスリしてくるなっ」

「兄妹ではないかぁ~♪」



ハヴァマール、意外や甘えん坊だった。まあいいか、兄妹らしいし。――って、スコルがムッと膨れて、まるで対抗するように俺の腕に|絡《から》みついてきた。



あ~、もうメチャクチャだ……!

無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

19

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚