テラーノベル
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「…落ち着け!!おい…!お前は誰だ!?」
「反逆者か!!?」
ありとあらゆる家具を盾にしながら、ガンマスは反逆者であるぜんこぱすと、取り巻き4人に問いかけていた。
「うるっさいなぁ、皇って」
「本当だよ、早く殺そう?…こいつは非力そうだから。」
「非力ぃ!!?語弊があるよそれは!!」
ガンマスの調子に、取り巻き1人がため息をつく。
(…そんなこと聞く場面じゃないでしょ…)
(…)
(…こいつは…なんなんだよ…?)
(どうしてぜんこぱすの攻撃をある程度防げてる?)
(ぜんこぱすの攻撃は、爪は…易々と防げるもんじゃねぇんだぞ?)
(なのに…)
ガンマスの瞳には、光が宿っていた。
それは能力を発動する時のそれではない_だが。
何かを守らないと_そんな想いが、どんなに深い傷を負ったとしても折れやしない精神力を生み出している。
ガンマスは、思いっきり反逆者を睨みつけた。
(…せめて…2人は守らないといけない。)
(せめて…!!!)
(私は信仰に縋っただけじゃない…!!)
(私は自らの力で…!リィン・システムがなくとも…タヒを乗り越えられる理想を…!!)
(…どうして!!?)
取り巻きも、ガンマスを睨んだ。
バチバチと電流が互いの間に走るような_そんな感覚だ。
____
「…御茶屋さん。」
メテヲが、布団の中で震える御茶屋に話しかける。
2人はひっそりと話した。
「………メテヲも、こっちにいろって言われたからさ。」
御茶屋は震えている。だがメテヲの声はどうやら届いているようだ。
「…無茶、だよね。」
「…」
御茶屋は静かに頷いた。
「…メテヲの力…」
「…そ、そんな…」
「…大丈夫、なんです?」
震えながら、御茶屋は静かに問う。
メテヲは苦笑しながら、首を振った。
「…いや、良くは…ないと思うんだ。」
「メテヲはずっと…能力すら使い方を忘れそうほど…長い時間、この力は使わずにいた。」
「使ったら忘れるんじゃないか、って。」
「また……っ幻覚に、苦しむんじゃないか、って…。」
「…仲間の、こと、ですか…?」
メテヲは静かに頷いた。
「今襲撃してきてる反逆者より、メテヲが強いかすらも分からないし。」
「…でも…」
「…ガンマスさんも、御茶屋さんも、本当にやさしくて。」
「身寄りのないメテヲを拾ってくれて、何不自由ない生活を、送らせてくれた。」
ひどく静かな、メテヲの声。
トーンは少し低いが、冷静さはハッキリと残っている。
_その証拠に、少しだけメテヲの声は震えている。
「メテヲを救ってくれた…恩人なんだ、2人とも。」
メテヲは、大きく息を吐いた。
御茶屋は、静かに顔を出した。
メテヲの髪は静かに、どこからかくる春風に揺られているかのように静かに揺れる。
_まるで彼がヒーローのように見えた。
__入院時、あんなにも面白くて、その後は弱々しい姿を見せたくせして。
きっと今の彼は_探検家をしていた時代に戻ったように、リーダーの風格をしていた。
「_やっとわかった、メテヲの力の正体。」
「最初は、メテヲにだけ与えられた、特別な力なのかな、って思ってたんだ。」
メテヲの佇まいが、あまりにもヒーローなのだ。
青空に照らされたみたいだ。
この部屋は真っ暗なくせして、彼の周りにだけは、スポットライトが集まっている。
_そんな錯覚を覚える。
「…もしかして…」
御茶屋はすぐに察することができる。
「けれど、メテヲだけの力じゃない。」
「反逆者と全く同じだったんだ。」
「反逆者に宿る、熱みたいなものが_すごく、デジャヴみたいだった。」
メテヲは、静かに言い切った。
「…………”プロクティル”だよ。」
「…願いなんて、なかったんだ。」
_しばらく黙りこくって考えたのち、メテヲはゆっくりと立ち上がった。
メテヲの虹彩に宿る蝋燭は静かに揺れ、火が近づけられたかのように、次第にそれは大きくなっていた。
___
_最初は、一般家庭で、ただ少しクマが好きな少年として生まれた。
第2戦争よりも前、あまりにも平和で、あたたかい日常がずっと続いていた。
クマに囲まれて、幸せそうに眠る少年の姿は、あまりに純粋で、愛おしいものだ。
_ただの子供として、一般の人生を送るのだと、そう思っていた。
___
ぜんこぱすによって、ガンマスを守っていた机はついに切り裂かれた。
上半分がぜんこぱす側に倒れ、上半身が剥き出しになった。
(…まずい、どうにか打開策を見つけないと…)
(…)
ボロボロになり、シャンデリアすら落とされ崩れてしまった部屋を見渡した。
大理石すらもぜんこぱすの爪によって痕がつけられ、もう、豪邸とは到底言えない_惨状が広がる。
「…私は…」
「不甲斐ないやつだよ…本当。」
ガンマスの独白を遮る、取り巻きの憎悪と、その声。
「おしゃべりは終わりか?」
「殺してもいいよな!!?ぜんこぱす!!」
「…」
ぜんこぱすは喋ることこそしない。
だがその目は_ガンマスに向けられた”殺意”だけが顕現している。
「…」
ぜんこぱすは長い爪を、ガンマスの首元にあてがうようにして向けた。
「…く…」
「動いたら殺す。 」
「お前に…耐え難い苦痛を与える。」
「ぜんこぱすの爪に切られたら、焼かれたみたいに熱いんだ、嫌なら投降しろ!!」
「それか妃の居場所を吐け!!」
___
「…メテヲは、行かないといけないから。 」
「…やるん、ですか。」
「…そう。」
____
「…!」
_ガンマスは、余裕そうに_ニヤリと笑った。
「…チッ、なんだよ、早く殺…」
_彼には悦が与えられた。
その目に、まるで太陽のように輝く_天使の輪をとらえたからだ。
コメント
1件
第56話、めっちゃ熱かった…!メテヲが自分の能力の正体に気づいて「プロクティル」って口にするシーン、鳥肌立ったわ。ずっと隠してた過去と向き合って、それでも御茶屋さんたちを守るために立ち上がる覚悟、めっちゃかっこよかった。ガンマスの「私は信仰に縋っただけじゃない」って叫びも響いたし、最後の天使の輪の描写も美しかった。次が気になりすぎる🔥
210
#イラスト
るめ
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スイレン🩵🪽 不定期浮上
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#アモアス役職
シノーペ🪐🌠💜
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