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錆が入り今にも壊れそうな橋の下に、
_______中原中也がいた。
私はこの世界に来てから文ストのキャラとは出くわしたことがない。
ましては一番好きだったキャラクター。
彼はボロボロの体を起こして、私に向けて口を開いた。
中也「水…食えるモノ…」
そうだ、時系列的にこの後羊が中也を拾うのだ。
〇〇「あっ…」
私は如何するべきか一瞬分からなくなった。
ここで助けたら中也は羊に会うことすらないし、マフィアに加入することもない。
私が物語の歯車を変えてしまうのだ。
愛する作品に対して、そんな事はしたくない。
〇〇「ごめん…なさい」
私は3歳からの5年間、たくさんの人の助けになってきた。
これは本能だろうか。
目の前にいる中也を、物語に反しても助けたいと思ってしまうのは_______。
〇〇「ちょっと待ってて!!」
手持ちがない私は、過去一ダッシュで家に戻り、2Ꮮの水とおにぎりを持ち擂鉢街に戻る。
中也「さっきから…なん、なんだ手前は」
〇〇「はぁ…はぁ…これ!!」
私は水とおにぎりを中也に手渡した。
中也は目を見開いて、すぐさまおにぎりに齧り付いた。
その間私は残った水で中也についた汚れを洗い流す。
中也「なんで、ここまでするんだ」
中也「俺は…人間じゃねえのに」
震えた小さな声で私に語りかける。
小説だって漫画だって全部読んている私は、中也を完璧な人間だと確信している。
〇〇「いや、中也は人間だよ」
まずい。勢いで名前を呼んでしまった。
中也「なんで俺の名を知って______」
〇〇「う、まあ風の噂で…?」
〇〇「それに…私にとって困っている人を助けるのは当たり前なの」
中也「確かに手前はそういう奴に見えるぜ」
最小限の手当はした。
私は30分ほど中也と話した。
後は_______羊が来るのを待つだけ。
〇〇「そろそろ時間かな」
中也「帰るのか?」
〇〇「うん、中也ももうすぐ______」
〇〇「仲間と出会えるだろうね」
これ以上、中也といるのは、きっとよくない。
とりあえず、君の心に寄り添えたのなら嬉しい。
〇〇「バイバイ!お元気で!」
中也「あぁ、またな」
私は軽く手を振り、帰路についた。