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次の日、太陽が出てすぐに家を出た。村はまだ誰も外に出ておらず昨晩とは真逆で静かだった。俺様は急いで村の門の方へと向かった。村の門の方ではアイツが一人出ていっていた。
「おい待て!!」
俺様は急いでアイツを追いかけた。聞こえていないのか待ってくれない
「…おい」
「…どうしました」
「お前…ミオマルク辺境伯の首都の方へ行くだろう」
「…そうだけど」
「俺様も丁度そこに行くから一緒に行こうぜ」
「…勝手にすれば」
「一時よろしくな…」
俺様は握手をしようと手を出した。アイツはわけが分からん顔をしている。
「…?」
「いいから手を出せ」
俺様は改めていや、初めてこいつに言う…
「俺様は…ロアだ。商人を目指している…よろしくな」
「私はアイリス…旅人」
「よし…行こうか」
アイリス…アイツの名を知った。これからは名前で呼ぼう。友として…仲間として…
「村の人達には言ったの…」
「昨日のうちに言ったよ」
俺様が村を出ることで危険な魔物がでた際に討伐するやつがいなくなるから困るかと思ったが…村の人達は俺様が旅立つことを困るどころか応援してくれた。
それから…俺様達は山を越えていった。旅商人に会い、今現在の情報や物の価値を聞いたりした。その一つ一つが勉強になった。教える代わりに金をよこせと言われた時は驚いた。驚いたが情報は金と同じ価値になるので異議はない。魔物を倒したり、護衛依頼を受けたりや野宿をしたり、宿に泊まったりを繰り返しているといつの間にか首都に着いていた。門をくぐり抜けると、そこは花の匂いがした。布の染料は花を使い染めているので、周りには花園が作られている。それにより、ミオマルク辺境伯は別名花の都とも言われている。美しい場所だ。
俺様達はまず宿に行き泊まれる場所を探す。到着したのが昼前でまだ、宿は部屋が空いていたのでよかった。
「ロアはこれからどうするの…」
「時間があるなら商人ギルドに行きたい」
「…そう」
「アイリスはどうする」
「私も商人ギルドに行く…なに」
以外だと思った。旅人でいるなら冒険者としているので十分だ。商人は簡単になれるものでもない、金がかかりやすく悠長な旅もしにくいはずだ。
「商人になるのか…」
「えぇそうよ」
「そうか… 」
俺様達は商人ギルドへと向かった。
【商人ギルド】
ガチャ
商人ギルドは冒険者ギルドと違って清潔感あふれる場所だと思った。もちろん、冒険者ギルドも清潔だが、商人ギルドは全てにおいて清潔感があった。また、商会ギルドは冒険者ギルドと同じ広さを持つが建物自体は白い色で品性をかたどっておる。
「なんで…商人ギルドは白いんだ」
俺様が混乱していると
「はぁ…差をつけてるのよ」
ため息をつきながら呆れたように言った。
「何の差だ」
「冒険者と違って品性があるということを強調しているのよ」
品性ねぇ…
「意味がわからねぇ」
「世の中そんなものよ」
俺様達は受付へと向かう。受付嬢の服装もオシャレで白をイメージしているのが分かる。ちなみに美人さんだ。
「…!」
受付嬢さんめっちゃ驚いている。まぁ、一人はフードを顔が隠れるまでかぶったガキと顔に傷がある男性…どう見ても商人になりたいやつには見えないか…
「商人ギルドへようこそ…どうされましたか」
「俺様達は商人ギルドに加入しに来た」
「そうですか…どなたかの推薦はございますでしょうか」
冒険者ギルドと同じように…商人ギルドも簡単に受けれるんじゃねぇのかよ。試験を受けるのにも冒険者ギルドと同じで登録するのにも金がかかることは知っていたが…推薦は要るのかよ。村長に頼めばよかった…
「私は推薦状はある」
「拝見させていただきます」
「お前…持っていたのかよ」
「持ってはいる」
「問題はございませんので試験を受けることができます。お連れ様はございますか」
「俺様は推薦はありません」
「…そうですか」
あれ…微妙な反応をされたぞ
「大丈夫よ。推薦状が無くとも試験は受けれる」
「そうか…」
「ただし…信用はない」
「なるほど」
信用が第一の商人世界では、推薦がないやつは大変な世界だ。だからこそ、俺みたいな貴族にも見えないやつが商人をやっていくのが難しいと判断されたんだろう。
「受付嬢さん…俺様は推薦はありませんが試験は受けれますんで」
「そうですか…それは失礼しました」
試験を受けるための金も登録するための金も十分にある。
「では…加入条件の説明をいたしますね。
商人ギルドに加入するためには三つの試験を受けて頂きそれに合格しなければなりません」
「試験はすぐに受けることはできますか」
「試験は常時受け付けております」
「なるほど…」
「ちなみに試験は何度も受ける事ができますが、一度落ちると半年間は受けることができません」
まじか…一度失敗したら半年間も受けれなくなるのかよ
「半年間勉強し直していただきます。後、受験料もその都度払って頂きます」
これは一発合格だな。何度も受けれるほどの金はねぇ…
「まず、第一次試験に筆記試験を受けて頂きます。試験内容は当ギルドでも販売しています教本から多く出題されますので、ぜひご購入を」
これは教本を買って勉強する必要があるな。ここに図書館があるなら、そこで探してもいいのだけども…
「第一次試験に合格しましたら次に実技試験です。知識があっても資材がなければ商売になりません」
調達なら…冒険者で何とかなりそうだな
「調達内容も簡単なのから難易どの高いものを要求されたりすることがあります」
あんまり難易度が高すぎるやつは無理だな。さすがに難いやつになり前回みたいに死にかけにはなりたくない。
「最後に第三次試験は経済力試験です。受験料と供託金、ギルド登録料等がこれにあたります。資金に余裕がなければ商人として生きることができません」
そこは貯金があるから何とかなりそうだな…問題は一次と二次試験だな。ここは奮発して…
「すみません…その教本をいただけますか」
「はい…一冊金貨一枚です」
高!!本を買うにも金貨かよ。これは…受験料も相当な金額じゃないか…一発合格だなこれは…
「無理にご購入されなくてまいいですよ」
俺様の料金ショックを感じたのか心配そうに聞いてきた。
「いえ…買います」
「お買い上げありがとうございます 」
「お前はどうする…」
「私はいらない」
「そうですか…では試験はいつにいたしましょう」
「明日でお願いします」
「俺様も明日で」
「お二方早いですね…わかりました」
よし…明日までの時間に教本の内容全部覚えて一発合格してやる。
アイリスは教本買わなくてよかったのか…
実は…勉強ができる天才だったりして…
「アイリス一緒に勉強しようぜ」
「…いいよ」
それならアイツの腕試した。