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「ラク、面会だ」
「は〜い 」
2日続いて面会だ。またらっだぁ達ということは無いと思うが…..そんな事を思いながら面会室の扉を開ける。
「ラク〜」
「あれ、ぐちつぼが担当?」
「はい」
面会室に居たのはらっだぁから紹介され数回程会ったことのある『運営』コンタミとレウクラウドだ。英雄の兄なのだから偉人と仲が良くて当たり前か。そんな事を思いながら手に持っているタイマーを押す。
昨日と同じ様に最近の出来事を話している。コンタミさんは胡散臭い笑顔しか見たことがなかったがあんな風に笑うのだと新たに発見する。時々戻ってきて欲しいとか、また遊びたいとか重い空気になっていたが直ぐに楽しげになる。この2人とは余り会った事が無いので分からないが2人なりの気遣いなのだろう。
「ピピッ、ピピッ」
「時間です」
「は〜い」
「ラクまた来るね、ご飯ちゃんと食べてよ!」
「病気とかにはならないでね〜?俺治せないからね!」
「お前らは俺の保護者か。平気だよ。じゃあな」
昨日と同じ様に2人を外まで見送る。2人とは余り喋った事が無かったが偉人とは思えないほど気さくな人達で話しやすい。
「ぐちつぼ、聞いてた通りだよね」
「ね〜」
「?聞いてた通り?もしかして!俺が優秀だって…..!」
「凄い馬鹿が居るって」
「は?」
らっだぁに今度会ったらぶん殴ろうか。いや、英雄に手を上げたら不敬罪で捕まる。クソ
「表情コロコロ変わって面白いしw」
「そうすか?」
褒め言葉として受け取っとこう。
「、ぐちさん、ラクの事どう思ってる?」
急に言い出した胡散臭い笑顔の紺。俺が答えやすい様に穏やかな雰囲気を崩さない朱。2人とも笑顔だが先程のラクと話していた様な笑顔では無く、昨日のらっだぁ達の悲しそうな、黒い笑顔と同じだ。
「、変な奴だと思います。後…..優しい、奴だと思います」
「、ふふwぐちさんはツンデレか〜」
「違います!」
優しいと思っているのは本当だ。昨日話していて分かった。何故あいつが死刑囚になっているのか。英雄達の戦闘の罪も全て背負って1人で捕まったからだ。その優しさは誰にでもあるものでは無い。
「ぐちさん、見送りありがとう」
「仕事頑張ってね〜」
「はい!」
2人に背を向け牢屋へ戻る。後ろから
「ぐちつぼ、変わらないでね」
と小さく聞こえた。その言葉の意味は分からないが俺は変わらない。英雄を罪人として捕まえる、その方法は気に入らないが俺は国の人間だ。あいつを逃がすとか、そんな事はしない。俺は刑務官になった時に決めたのだから。俺は刑務官として英雄になる。英雄達の質問は良く分からないが嫌な予感がする。俺の予感は良く当たると同僚に言われるが今回だけは当たらない事を願うしかない