テラーノベル
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いわふか有り。完全なるいわふかです。
「え、ちょっと待てよ。ガチで?」
「めめと結婚するの? 佐久間くん!」
「ええー! 嘘から出たヒョウタンってやつやん」
「康二、嘘から出るのは真だよ。瓢箪は駒が出る方」
「…阿部、分かりにくいけど動揺してるな」
「まあ、気持ちは分かるな…」
照がごほんと大きく咳払いをすると、それまで騒いでたメンバーも静かになる。
真面目な顔して一歩進み出る照に、目黒も姿勢を正した。
「目黒、本気なんだな」
「うん、本気。もう佐久間くんを悲しませないし、離さない」
「…そっか。なら、俺から言うことは何にもないよ」
そう言ってふにゃっといつもの笑顔を見せた照に、目黒も肩透かしを食らったみたいに目をぱちくりさせる。
それは他のメンバーも同じだったみたいだ。
「おいそれだけかよリーダー!」
「もっとお説教とかあるのかと思ったー」
「2人が決めたことなら、俺達がとやかく言うことじゃないだろ。でもまあ、そうだな。佐久間」
「え、あ、な、何っ?」
目黒の横でおろおろとこの事態を見ていた佐久間が、びっくりしながら返事をする。再び目黒の背中に隠れようにも、その本人に背中を押されて前に出されてしまった。
佐久間の様子をじっと見ていた照が口を開く。
「目黒のこと、好きなんだな?」
「あ、その…う、ん」
俺以外のメンバーには『昔好きだった』ってことになってるからか、佐久間は遠慮がちに頷いた。
「今、幸せなんだよな? 俺達に心配かけたからって、遠慮とかいらないぞ。その点に関してはみんな共犯だ。それに、お前が幸せになれるのを邪魔するような奴はいないから」
「照…」
「佐久間、幸せか?」
「…うん。蓮が好き。だから、今、幸せ。…心配させてたのに、ごめんな」
俯きながら、小さな声でぽつりぽつりと幸せを吐露する。契約だなんて自分から言った手前、後ろめたさがあるんだろう。
でも照の言う通り、そんなもの感じることないんだ。
「…そんなんええんやで、さっくん! さっくんとめめが幸せなんが一番やん!!」
「康二…」
「俺らこそ、ごめんな。さっくんに色々背負わせてしもうた。それでも2人で幸せを掴めたんなら、こんなええことないやろ!」
康二が泣き笑いみたいな顔でそう言うと、途端に空気が和んだ。やっぱり康二はSnow Manに必要なムードメーカーだな。
佐久間も目を潤ませながら「ありがとう」ってお礼を言ってる。その佐久間を背中からぎゅっと抱える目黒も優しく微笑んでいて。
そんな2人を囲んで和やかに、一部にやにやしながら質問攻めにしていく中。俺はそっと楽屋を出た。
「ふっか」
少し歩いた先で呼び止められる。誰かなんて振り向かなくても分かるから、立ち止まって追い付くのを待った。
すぐに追い付いて俺の顔を見た照が目を見開いて。手を掴まれたと思ったら、近くにあった誰も使ってないミーティング室に入った。
「…何でそんな泣いてんだよ」
「だ、だってさぁ…」
入って鍵を締めたと思ったら、次の瞬間には照に抱きしめられてた。
俺も涙でぐしゃぐしゃな顔を見られたくなかったし、背中に腕を回してぎゅうぎゅうにしがみつく。
「佐久間が幸せだって、めめのこと好きって…幸せそうに可愛い顔で言うからさぁ。やっと届いたんだって思ったら、嬉しくもなるだろー…っ」
「やっぱふっか知ってたんだ。佐久間が目黒のこと今でも好きって」
「…無理に聞き出した。けど、誰にも言わないって約束したから」
「お前はほんと、すぐそうやって1人で背負うんだよな。俺には1人で悩むなとか言うくせに」
「だぁってさぁ…っ」
「分かった分かった。頼りにしてるよ、俺の奥さん」
笑いながらそう言った照が、俺の頭を宥めるみたいに撫でるから。涙が止まらなくて、しばらく顔を上げられそうになかった。
良かった、今日は振り入れだけで。
そう思って安堵してると、俺を抱きしめたままの照が「でもさ」と言葉を続けた。
「幸せそうな佐久間は確かに可愛かったかもしれないけど。俺は辰哉の泣き顔の方が可愛いと思うけどね」
「…っ! そ、そういうのいいから…っ!!」
「いひっ、ほら可愛い」
照のせいで思ったより早く涙は止まるかもしれない。いや、照のおかげ、なのか…?
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