〜岩本side〜
俺は今日はオフ。
筋トレしたり能力を鍛えたりしながら過ごしていた。
岩本「ん?電話?」
そんな時に俺のスマホが震えてマネージャーから電話がかかってきた。不思議に思いつつもその電話を手に取る。
岩本「もしもし?どうしました?」
電話の向こうのマネージャーはすごく慌てた様子だった。何かあったのかと思ってマネージャーを落ち着かせて話を聞いてみたけどマネージャーから言われた事に驚きを隠せなくて、しばらく部屋で1人で立ち尽くしていた。
岩本「…阿部の行方が分からない…」
阿部は昨日はオフで確か今日はクイズ番組の収録のはずだった。けど時間になっても阿部は現れず、しかも連絡もつかないらしい。
岩本「…阿部の家に行ってみるか…」
昨日はオフだし勉強のしすぎで寝てる可能性もある。…阿部に限っては有り得ないけど…。とにかくなんか分かるかもしれない。そう思って準備しようとした矢先にまた俺のスマホが震えて電話がかかってきた。
岩本「…ラウール?」
ラウール「…岩本…くん…」
今度はラウールからだった。電話に出てラウールの声を聞いてみると声が震えているのが分かった。…阿部のことを聞いたんだな。
岩本「ラウール。俺は今から阿部の家に行こうとしてる。一緒に行くか?」
ラウール「…うん…行く…」
泣いてるし震えてるけど俺と阿部の家に行くって言ってくれたラウール。
俺は迎えに行くと伝えて電話を切る。俺は急いで準備を終わらせて家を出た。
〜ラウールside〜
オフで家でのんびりと過ごしていたらマネージャーさんから阿部ちゃんと連絡が取れないって電話が来てどうすればいいのか分からなくなった。なんで阿部ちゃんが…。しかも急に居なくなった…。だから何かあったんじゃないかって怖くて不安で涙が止まらなかった。…だから俺は岩本くんに電話をかけた。
岩本「ラウール?」
岩本くんの声を聞いて心が落ち着いた…。メンバーの声はやっぱり安心できる…。
岩本くんにも阿部ちゃんのことを知らされたんだ…。俺が震える声で岩本くんの名前を呼ぶとすぐに俺の考えを読んでくれて阿部ちゃんの家に向かうって言っていた。
岩本くんに一緒に行くか?って聞かれて頷いて岩本くんが来るのを待った。
岩本「ラウール!着いたぞ!」
しばらくすると岩本くんが俺の家に着いて俺はお礼を言いながら車に乗り込む。
後ろに座りながら阿部ちゃんのことを考える。阿部ちゃんならきっと大丈夫だと信じてる。
〜岩本side〜
ラウールを連れて阿部の家に着いた。
ラウール「阿部ちゃん!」
岩本「阿部!いるか?」
玄関の前で阿部の名前を呼んでみるけどなんの反応もなく静かだ。
ラウール「…居ない…のかな…」
岩本「…どこか…行ってるのか…?」
呼びかけてもなんの反応もないから家に阿部は居ないだろうと思って近くに探しに行こうとしていた俺とラウール。
岩本「ラウール!」
ラウール「え?うわっ!」
そのとき突然俺たちは何者かに襲われそうになって慌ててラウールの身体を倒して声をかけて避ける。
ラウール「なに?」
岩本「誰だ! 」
俺とラウールは襲いかかってきたそいつのことを見つめる。けどその後ろ姿は…
ラウール「…え?…阿部ちゃん?」
岩本「…阿部?」
メンバーの俺たちが間違える訳がない。見覚えのある後ろ姿…。まさか今襲ってきたのは…阿部…?
ラウール「阿部ちゃん!ラウールだよ?なんで?」
阿部はラウールの声に何も言葉を返さずゆっくりと俺たちのことを振り返った。
ラウール「…阿部…ちゃん…?」
岩本「………………。」
阿部はいつもの優しい顔ではなく、無表情で眼に光もなくなっている。それに怪しい雰囲気が漂っている。
ラウール「阿部ちゃん!」
阿部はしばらく立ったまま俺たちのことを見つめていたけど黒い穴を作って入っていった。
ラウール「…なんで?…どういう事…?」
俺の隣で泣きながら地面に手を着いているラウール。俺は何も言えなかった。阿部は俺たちが知っている阿部じゃなくなっていた…。何があったのか…。
岩本「…ラウール。一旦事務所に戻ろう。ふっかにも電話したしなんか分かったかもしれない。」
俺は座って泣いているラウールの背中に手を当てて声をかける。
ラウールはうんと返事してくれて俺たちは事務所に向かっていった。
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