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つづきありがとうございます毎回最高です;;;;
奏斗の一人称が僕から俺に変わるの、雲雀に本心を伝えてるって感じで好きです💞 続き楽しみにしてます!
見るの遅くなった…後悔…毎回思ってるんですけど、作品の書き方に才能を感じますまじで!!小説家になる気ってありませんか…?ほんと続きが楽しみです🫶🥹
『ッ…っ、!』
甘いフェロモンの匂いに強く顔を顰める。急いで顔に手を当て匂いを嗅がないようにする。
雲雀の肩を押して離れるよう促すが、僕を抱きしめる力がまた一段と強くなった。
まずい、”αになりかけ”だからまだ我慢できているものも、これ以上密着していたらいつ襲うか分からない。
『ごめん、ッセラ、アキラに電話して…っ、僕は雲雀、見とくからっ…!』
「分かった、けど、っ奏斗が危ない。俺が見るよ、凪ちゃん以外のフェロモンの匂い分かんないし、」
『セラ、それはダメ。アキラが心配になるでしょ』
「でも、っ」
「…ッ、ぅ、かぁ、とっ…はや、く…ね、…」
『ッ…分かったから、雲雀、ちょっと離れてっ…』
雲雀も我慢の限界なのだろう、俺に抱きついてきた。その反動で思わず首筋に噛みついてしまいたくなるのを抑え、雲雀の肩を押した。
『っ、早く来てって伝えといて、ッ…』
それだけセラフに言い、甘いフェロモンのする部屋に一歩足を踏み入れた
___バタン、ドアが閉まる。
ああ、目の前に奏斗がいる、その嬉しさに思わず奏斗の首筋に頭を押し付けた。体温が、息遣いが、聞こえてくる
『か、なと…っ、おれ、寂しかった、』
「…雲雀、離れて」
肩をグイと押されて、奏斗から離された。
数秒、時が止まったような感覚に襲われる。
なんで、?___前まではそのまま身体触ってくれてたじゃん、俺が抱きついたら優しく頭撫でてくれてたやん、
目の前の奏斗は俺と距離を取っているようだった。馬鹿な俺でも、それくらいは分かった
その事実に思わず頬が引き攣る
色んな感情が引き寄せてきて、何がなんだが分からなくなり俺の目からはポロリと涙が溢れた
『…っ、なんで?…ッ、なんで触ってくれんの、…頭、撫でてや、ッ…奏斗っ、』
ヒートで頭がフワフワしていたはずなのに、冷水をかけられたように頭が冷えていく。
拒まれた事実が胸から消えてくれなくて、無性に悲しかった。
奏斗は伸ばしかけた手を引っ込めて、口をキュッと固く結んだ。
「…雲雀、僕は早川先輩じゃないよ」
そう、言葉を発した。
僕はちゃんと笑えているだろうか、声が若干震えたけど、それはわざと気にしないようにした。
雲雀はピクリと固まって”信じられない”というような顔をして僕を見た。
きっと気の迷いだ
雲雀はヒート起こしているから混乱しているだけ、じゃなきゃ 俺の家にも来ないし、抱きついてきたりもしない。
「そ、れ…ど、ういう意味…、」
『…そのままの意味だよ。ヒバは俺を早川先輩と間違えてるだけ』
なるべく優しく、間違いを正すようにそう言う。ふんわりと笑いかけると雲雀の顔はどんどん怒りや悲しみやさまざまな感情でぐちゃぐちゃになっていった。下を向いたと思ったら、震えて今にも崩れそうな声で言葉を紡いでいった
「奏斗の…家に来たのも、全部気のせいって…?抱きついたのも、?…全部、気の迷いだって、いいてえの」
雲雀はギュッと手を握りしめてそう言った
『うん、だって雲雀は___』
「………ッ、ざけんな」
「お前は、そんなに俺のこと馬鹿だと思ってんのッ!?お前を早川先輩の代わりにするくらい馬鹿だと思ってんの?ッ…それともなに、?…マリさんやないと、ダメなん…」
雲雀は肩で息をすると、暗い表情になりマリさんの名前を出した。
『…………は、…….なんで今マリさんが出てくんの』
理解が出来なくて思わず低い声が漏れる
「…….ッだって奏斗は、!ッ奏斗、は…、!っマリさんのことが、…… 好き、なんじゃん、っ」
雲雀は泣きそうな顔でそう言った。
僕がマリさんを好き?なにそれ、なんだよそれ。俺が好きな人は雲雀なのに
_早川先輩のことが好きなのに、なんでそんなこと言ってくるんだ
『……、雲雀はなんも分かってない』
奏斗は驚いたような顔をした後に、苦虫を潰したような顔をしてに握り拳を握りしめて、俺に吐き捨てるようにそう言った。
そして、ゆっくり口を開いて
『……他に、好きな人いるから。』
暗い表情のまま、そう言った
「……ぇ、?」
その言葉を聞いた瞬間、
ひゅっと喉が鳴り 心臓がギュッと締め付けられるようなそんな感覚がした
___嫌だ。なんて、思ってしまったんだ