あの後、月見たちは強制的に家に帰されてしまった
そしてそれぞれ、両親に怒られた
「下校時刻を守らなきゃだめよ。はやくご飯を食べちゃいなさい」
「………………」
美味しいご飯のはずなのに、喉をまったく通らなかった
味も美味しいのか美味しくないのかよくわからなかった
月見は食べ終わった後、歯磨きをして寝た
お母さん「ちょっと、月見!宿題は!?」
「やったよ!今日は早く寝かせてよ!!」
布団に入ってからも夏樹のことばかり考えた
(夏樹くん……ごめんね……私が……もっと早く移動できていたら!助かったかもしれないのに……!)
責任を感じながら泣いて眠った
次の日
学校で友達に尋ねた
「ねえ、カナちゃん。ちょっといい?」
カナ「どうしたの?目に涙をいっぱい溜めて。何かよくないことでもあった?」
「夏樹くんはいる?」
彼女は目をパチパチ瞬きした
カナ「え……?何言ってるの?夏樹くんって、月見ちゃんのお友達?……ごめんね、分からないや。後でね!」
カナは他の子と遊びに走って行ってしまった
(嘘…………夏樹くんのこと、覚えていないの……?ずっと一緒のクラスだったのに!)
月見の脳内にアカシックの声が響く
「この空間ごと存在を消されてしまうんだ」
この言葉だけが繰り返し響いていた
リリック「月見ちゃん……」
いつのまにかリリックが立っていた
月見「!?リリックちゃん!?ダメだよ、こんなところにいちゃ!だってここ学校だよ!」
リリックは何でもなさそうに言う
「私の姿を誰にも見えないようにしてるんだ」
かずき「あれ……リリック?何でこんな所にいるんだ?何しにきたんだ?」
リリック「何って、お兄ちゃんを探しにきたんだよ!音楽室行こうよ!」
「……あいにくまだ授業が終わっていないんだ。次の時間が6時間目だから、終わったら行こうか。……って、次の時間……音楽じゃない!」
月見は時間割表を見上げて言った
「リリックちゃんもくる?」
真凛がどこからかやってきた
「そうだよ!行こうよ!」
リリック「みんな……ありがとう!!」
キーンコーンカーンコーン